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聴覚過敏のストレス低減に認知行動療法が有効という研究【HSP】

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AIを活用した認知行動療法の可能性を探っています。


歳のせいか、脳疲労の回復が目下の課題です。色々と調べていると、どうやら自分は軽度の聴覚過敏ではないか、と思うようになりました。

聴覚過敏の場合、睡眠の質の低下と慢性的な疲労は大きな問題です。また、日中のストレスも強く、脳疲労を起こしやすいという特徴があります。

我が家の場合、妻もASD由来の聴覚過敏を持っているので、しっかりと調べてみることにしました。

聴覚過敏とは

聴覚過敏は、通常は不快に感じない程度の音量の音に対して、不快感や痛みを感じる状態を指します。ある研究によれば、聴覚過敏の人は10人に1人程度存在すると推定されています。(Andersson et al.(2002)

症状としては、日常的な音に対する過剰な反応、特定の音に対する不快感や苦痛、大きな音や突然の音への恐怖感、聴覚過敏による睡眠障害、聴覚過敏に起因する集中力の低下などが挙げられています。

HSPと言われる人たちの中にも、聴覚過敏を訴える人はかなり多いようです。

聴覚過敏の及ぼす害

聴覚過敏、本人以外にはその辛さが分からないのがもどかしいところですが、放置しておくと実際の健康問題やメンタルの問題にもつながりかねないので適切なケアやサポートが大切です。

睡眠の質が低く疲れが取れない

Hébert & Carrier (2007) は、耳鳴りを伴う聴覚過敏の患者を対象に、睡眠の質を評価しました。

その結果、聴覚過敏の患者は、睡眠時間や睡眠効率には差がないのにも関わらず、多くの睡眠問題を報告していることが明らかになりました。

ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)スコアは、耳鳴り/聴覚過敏患者(平均= 8.7)で対照群(平均= 5.6)と比較して有意に高かった。睡眠時間や睡眠効率には差がなかった。

Hébert, S., & Carrier, J. (2007). Sleep complaints in elderly tinnitus patients: a controlled study.

日中のストレスが強く、脳疲労を起こしやすい

聴覚過敏の人は、日中のストレスも強く、脳疲労を起こしやすいという特徴があります。

Paulin 他(2016) の研究によると、聴覚過敏の人は、様々なメンタルヘルスに関係する問題を抱えやすいことが分かります。

心的外傷後ストレス障害(PTSD)、慢性疲労症候群、全般性不安障害、うつ病、線維筋痛症、過敏性腸症候群、片頭痛、聴覚障害、耳鳴り、背中/関節/筋肉の障害が聴覚過敏と併存していた。

Paulin et al. (2016). Characteristics of hyperacusis in the general population.

私の聴覚過敏対策

私も聴覚過敏に対処するため、これまで様々な対策を試みてきました。

耳栓

シリコン製耳栓から特殊な形状の耳栓まで、様々なタイプの耳栓を試してみましたが、結果的に一周回ってシンプルな形状のウレタン製耳栓が一番効果があると感じています。

個人的にはMOLDEX Pura-Fit 6800が遮音性とコスパのバランスが一番だと思います。最近は就寝中にも耳栓を装着するようにしたところ、睡眠の深さがずいぶん改善されたように感じています。

ノイズキャンセリングヘッドホン

ノイズキャンセリングヘッドホン・イヤホンはこれまで色々な種類を試してきました。最近はシチュエーションに応じて3種類を使い分ける方向で落ち着いています。

ヘッドホン・イヤホンのジャンルは個人的な好みがかなり強い世界なので、これがオススメというのはなかなか言いにくいのですが、ノイキャン性能という一点に絞って私がオススメするのは以下の3点です。

外出先でしっかり遮音したい時

外出先で、しっかりと音を遮断したい時はSONYのWH-1000Xシリーズ一択です。結構な値段はしますが、ノイキャン性能はダントツです。

ちなみに私が持っているのは1世代前のWH-1000XM4。ノイキャン性能は最新型とそんなに変わらないはずです(そう信じたい)。

イヤホンタイプ

次いで、あまり目立つのが嫌なシチュエーションで使うイヤホンタイプは、BoseのQuietComfort Earbudsを愛用しています。Boseのイヤホンは耳穴に差し込むカナル式ではないので、耳穴を圧迫しない点が気に入っています。

ノイズキャンセリング性能もSONYに引けを取らない優秀さです。

自宅で

自宅で音楽を楽しむ時は、ノイズキャンセリング性能はそこそこで、自分の好みの音質で鳴ってくれるヘッドホンを選びます。

自宅ではSennheiser MOMENTUM 4を使うことが多いです。これは完全に私の好みです。

サプリ

今のところ聴覚過敏そのものに有効なサプリは見つけることはできていませんが、脳疲労の回復に有効とされる高吸収率マグネシウムを摂取しています。(Pouteau et  al.(2018)

プラセボ効果かもしれませんが、これを飲み始めてからは翌朝に脳疲労を持ち越さなくなったように感じます。

食事

大阪市を中心とした産官学連携「抗疲労食薬開発プロジェクト」の研究結果によれば、鶏むね肉に含まれるイミダペプチドが脳疲労の回復に有効とのこと。

私は週末に冷凍の鶏むね肉を買い込んでサラダチキンを仕込み、1日100g~200gを目標に食べることにしています。ダイエットに有効なタンパク質も摂取できて一石二鳥です。

環境

なかなかここに手を付けることができる人は少ないかもしれませんが、一人暮らしだったり、家族の理解が得られるなら住環境の改善はQOL向上に超おすすめです。

私もこれまで(旧)自宅の外部の騒音が気になっていたので、簡易リフォームで内窓を追加したりしてきました。

私の場合、旧自宅の周辺環境が次第に悪くなっていたこともあり、最終的には家族とも相談して幹線道路から外れた静かな住宅街に引っ越すことに決定しました。

認知行動療法は聴覚過敏にも効果あり?

数年前、認知行動療法について勉強し始めた私は、認知行動療法がもしかして聴覚過敏にも有効なのではないか、と思い始めました。

認知行動療法が、脳神経系統を直接的に改善するとは考えられませんが、聴覚過敏からくるストレスを低減する方法としては有効かもしれないと考えたのです。

聴覚過敏や聴覚情報処理障害によるストレスを認知行動療法で改善できるという研究

Jüris 他(2013) は、60人の聴覚過敏患者を対象に、認知行動療法(CBT)と待機リスト対照群に無作為に割り当て、認知行動療法の効果を検証しました。

その結果、認知行動療法グループでは、聴覚過敏の症状と関連する苦痛が有意に改善されたことが示されました。

聴覚過敏患者が10週間6回のCBTセッションを受けた結果、聴覚過敏、情動的苦痛、不安感受性、不眠症の減少が見られた。治療効果は12ヵ月後のフォローアップ時にも維持されていた。

Jüris et al. (2013). Cognitive behaviour therapy for hyperacusis: A randomized controlled trial.

治療の効果が12ヶ月後にも継続していた、というのが非常に興味深いです。

Aazh & Mooreによる研究

さらにAazh & Mooreによる2018年の研究でも、聴覚過敏患者に認知行動療法を実施し、耳鳴り、煩わしさ、生活への影響それぞれで有意な改善が見られたと報告されています。

CBT治療後、すべての指標で有意な改善がみられた。CBTを完了した患者の効果量は、視覚アナログ尺度を用いて測定した耳鳴りの大きさ、煩わしさ、生活への影響がそれぞれ0.71、0.95、0.93であった。脱落者を含めた分析でも、すべての指標で有意な改善がみられた。

Aazh & Moore(2018) Effectiveness of Audiologist-Delivered Cognitive Behavioral Therapy for Tinnitus and Hyperacusis Rehabilitation: Outcomes for Patients Treated in Routine Practice.

認知行動療法による聴覚過敏対策についての研究は、まだそれほど広範囲には行われていないようですが、一度試してみる価値はありそうです。

聴覚過敏についてAIチャットに相談してみた

ということで、私も認知行動療法に基づくセルフケアを始めようと、自作のAIチャットに相談してみることにしました。

<user>聴覚過敏のため、脳疲労を起こしているようです。</user>
<assistant>聴覚過敏で脳が疲れていると感じるのは大変ですね。どんな音が特につらいですか?</assistant>
<user>特に苦手な音はないのですが、外に出かけて帰ってくると思った以上にぐったりしています。体力がないと思っていましたが、ノイズキャンセリングイヤホンを付けて外出すると比較的ましなので、どうやら聴覚過敏からの脳疲労ではないか、と思っています。</user>
<assistant>外出後に疲れを感じるのは大変ですね。ノイズキャンセリングイヤホンが少しでも楽になるとは良いことです。そのイヤホンを使うことでどんな変化を感じますか?</assistant>
<user>心のザワザワした感じがすっと楽になります。</user>
<assistant>心が楽になるのはいいことですね。その感じをもっと教えてくれますか?</assistant>
<user>劇場とかで、ロビーのザワザワした感じが、重いドアを開けてホールに入ると、スッと静かになる感じ、あの感じがあります。</user>
<assistant>その感じ、とても心地良さそうですね。その静けさがあなたにとってどんな意味を持っていますか?</assistant>

妻はASD由来の聴覚過敏があるため、苦手な音がはっきりしているのですが、私の場合は特に苦手な音がある訳ではないのです。

程度はそれほどひどくないのかもしれませんが、体力の低下とともに聴覚過敏による脳疲労を感じやすくなったのかな、と思っています。

<user>うまく言葉にできませんが、体のこわばりが解けるように感じます。</user>
<assistant>体がリラックスするのは素晴らしいことですね。その感覚を大切にしてくださいね。</assistant>
<user>はい、でも問題はイヤホンを付ける訳にはいかない状況の時に、外出するのが少し億劫になります。</user>
<assistant>イヤホンを付けられない時の不安、理解できますね。その状況でどんな気持ちになりますか?</assistant>
<user>帰宅した後にぐったり疲れている自分を想像して、気が重くなります。</user>
<assistant>それは大変ですね。その気持ち、よくわかります。その状況を想像すると、どんな考えが浮かびますか?</assistant>
<user>ちょっと想像してみました。気が重いです。元々はお出かけが大好きだったのに。</user>
<assistant>お出かけが大好きだったのに、そう感じるのは辛いですね。その変化について、どんな思いがありますか?</assistant>
<user>なんだか人生を損している気がします。</user>
<assistant>人生を損していると感じるのは辛いですね。その思いについてもっと教えてくれますか?</assistant>

あまり自覚していませんでしたが、聴覚過敏からの脳疲労を繰り返し経験しているうちに、いくらか外出不安が起こっていたようです。

<user>ずっと家の中にいると、刺激も少なくて、四季もあまり感じられなくて、精神的にもあまり良くないようにも思います。でも、外出したらしたで疲れるし。。。</user>
<assistant>外に出るのも、家にいるのも難しいと感じるのは、とても複雑な心境ですね。その中で、少しでも心地よい瞬間は見つかりますか?</assistant>
<user>この前、街中で穴場のカフェを見つけました。外を眺めることができて、でも結構静かで、値段も比較的リーズナブルでした。</user>
<assistant>そのカフェ、素敵な場所を見つけられて良かったですね。そこで過ごす時間はどう感じましたか?</assistant>
<user>お気に入りの本を持っていってゆっくり過ごしたらいいかな、と思いました。また来よう、と。</user>
<assistant>お気に入りの本を持って、ゆっくり過ごせる場所を見つけられたのは素晴らしいですね。その時の気持ちはどうでしたか?</assistant>
<user>ちょっと救われた感じ?大げさかもしれませんが。</user>
<assistant>大げさだと感じる必要はありませんよ。そう感じたのは、大切なことですね。その感覚をどう思いますか?</assistant>
<user>ちょっとだけお金はかかりますが、意味のある時間の使い方だと思います。</user>
<assistant>意味のある時間を見つけられたのは素晴らしいですね。その時間をどのように感じましたか?</assistant>
<user>とても大切な時間に思いました。</user>
<assistant>大切な時間を見つけられて良かったですね。その時間があなたにとってどんな意味がありますか?</assistant>
<user>定期的にその時間を作る必要があると思います。</user>
<assistant>その時間を作ることの大切さに気づかれたのですね。どうしてその時間が大切だと感じますか?</assistant>
<user>メンタルのバランスを取るため?かな</user>
<assistant>メンタルのバランスを取るために大切な時間を見つけることは、素晴らしいですね。その時間をどうやって作ると良いと思いますか?</assistant>
<user>そうか、自分の中でカフェの優先順位を他の用事より少し上げて、定期的な予定にすると良いかもしれないです。</user>
<assistant>それは素晴らしい考えですね。どんな感じがしますか?</assistant>
<user>なんかちょっと前向きになれました。</user>

AIは、聴覚過敏からの外出不安が固定化してしまわないように、見つけていた安心できる場所を大切にすることを思い出させてくれました。

頭の中で、「ここいいな」と思った場所のことがしっかりと言語化できて、その場所の価値を再認識できたのは収穫でした。

まとめ

聴覚過敏は、日常生活に大きな影響を与える問題です。睡眠の質の低下、慢性的な疲労、日中のストレスなどが、当事者の生活の質を著しく低下させます。

私もこれまで、耳栓やノイズキャンセリングヘッドホンの使用、簡易リフォームから静かな環境への移動、サプリや食事での栄養摂取など、様々な対策を試みてきましたが、根本的な解決には至っていませんでした。

認知行動療法は、脳神経系統を直接的に改善する治療法ではありませんが、聴覚過敏に関連する思考パターンや行動パターンを変容させることで、ストレスを軽減し、生活の質を向上させる可能性があります。

私もまだ自作のAIチャットを使ってCBTに基づくセルフケアを実践し始めたところですが、少しずつ効果を実感し始めています。

聴覚過敏や聴覚情報処理障害は、完治することは難しいかもしれません。でも、認知行動療法を含む様々なアプローチを組み合わせることで、症状を管理し、より良い生活を送ることができるのではないかと期待しています。


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