マガジンのカバー画像

王さまとたね

9
童話形式の小説。童話なのに、大人にしか読めない。
運営しているクリエイター

記事一覧

王さまとたね full ver.

1  みなさんのみる夢のどこかには、おおきな、おおきな海がひろがっているのを、みなさんは…

王さまとたね 8/8

たねは、ずんずん育ちました。芽から葉、葉から茎がでて、いちにんまえの植物になりました。…

王さまとたね 7/8

みんなはたねを、中庭にうめました。まいにち、おはようからおやすみまで、中庭ですごしまし…

王さまとたね 6/8

王さまは、お城のまわりをぐるぐる、ぐるぐるまわって、たねをさがしていました。みんなが帰…

王さまとたね 5/8

「しっかりつかまっておいで。落ちたら大変だよ!」 たねは、とつぜんのことに、びっくりす…

王さまとたね 4/8

そのころ、たねは、こんどは門石のあいだにひっかかって、動けなくなっていました。 「ぼく…

王さまとたね 3/8

「ぼくは、たんすとかべのあいだに、かくれていたんだ。」 「どうしてかくれていたのさ。こんな天気のいい日に!」 と、ふしぎそうな目つきのさかなに、こうこたえます。 「ぼくは、たねのままでいたい。おひさまの光をあびたり、水にふれたりしたら、芽が出てしまうかもしれないだろう。だから、かくれていたんだ。」 「たねなのだから、成長してこそだろう。」 ランプは、首をひねりました。 「そんなことないよ。ぼくは、たねのままでいたいんだ。」 たねは、かすかに、ぶるっと、ふるえます。 「

王さまとたね 2/8

きょうは、ねんにいちどのおおそうじの日です。ふだんのそうじにくわえて、まどふき、たんす…

王さまとたね 1/8

みなさんのみる夢のどこかには、おおき な、おおきな海がひろがっているのを、みなさんは、…