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彼と彼女に関する覚書き

【あわせて読みたい:これは短篇『大人の領分 番外 彼と彼女』の付録です。なにやら複雑な事情を感じさせるこの人に、さまざまな角度から光をあてるこころみ…を、一回お休みしまして、この短編にまつわる書き手としての感想など。この人たちはそれなりに手練れです、こんにちは世界製作委員会はいつも大真面目に振り切り、こんにちは世界はその指示に振り回されています、無個性という個性、フェニルエチルアミンとは恋愛初期に大量発生するいわゆる恋愛ホルモンです、私の好きな人(という、妄想)。 ほか】

こんにちはこんにちは!

あまりの多幸感と眩しさに、なんかまあこういうのもありかもしれないと思いそうになるんだけど、冷静に考えるに、二人ともちょくちょくあざとく、なにかと学習済みでたぶん常習犯、束縛する様子もなく相互サードプレイス乗り入れ、お前らただの恋愛依存症じゃねーか?! 恋愛ホルモンシャワー短編「大人の領分 番外 彼と彼女」はお楽しみいただけてますでしょうか。いえ、自覚はあるんですよ。婚外恋愛ブログ漁りも趣味、こんにちは世界です。はい。

今回はとにかく明るくなるように気合いを入れました。ちょっと筆を取ってみると、意外に奥が深く、この頑張ってるボーイと頑張ってるガールに人生のボーナスステージを提供すべく、結構な気合いで書きました。傷つきながらも求める心を忘れず、自分の傷も人の傷も癒す、不思議なすべを覚えながら、思った通りではないながらも、願っていたはずのものを手に入れていく…そんな人びとの一幕、伝わってますと幸いですが、こればかりはただ、届け!と願うしかないです…。

ところで、全くそんなことは知らなくても読めるように最低限の配慮はしたつもりですが、このお話は薫篇のスピンオフ作品です。

  あのカップル、指輪のデザイン全然違いました。ダブルですよ。

  薫は眉をひそめ、唇に人差し指を当てる。

  なーんで。もう誰もいないのに。

  台風の日の小学生じゃないんだから。ああいう人たちが来るたびに色めき立って、バカみたい。人には人の事情があるの。槙野くんにはそういう、分かりやすいのしか見えてないだけだよ。つまんないことでガヤガヤしない。

  別に、ガヤってませんよ。でもなぁ。あの人たち、妙にすっきりしてたし、別々に終電の時間調べてたから、これからそれぞれの家に帰るでしょ。どんな顔して、旦那さんやお嫁さんに会うんすかね。いやー、大人って、狡いわー。

[中略]

美味しそうに食べてくれてたよ。食べてる時に幸せなら、幸せだ。いいじゃないか、二人でここで飯を食って、帰る。ここにいるあいだは、俺は彼らに、あー美味い幸せ、って顔を、させてたいね。今日みたいに。

苦いわー。俺って所詮、俺なんで、頑張っても結局空回って、あかりちゃんが他の誰かに絡まっちゃうかもしんないじゃないですか、それであかりちゃんがあんな幸せそうな顔してたら、俺はどうしたらいいんですかね。考えただけで内臓吐きそう。

この彼と彼女ですね。考えただけで内臓吐きそう。ええ、一応、自覚はあるんです。人並みに嫉妬心もあります、こんにちは世界です。

ご存知のかたもあるかもしれません、私は基本的に、登場人物全員を私の妄想の対象?餌食?にしてますので、薫篇におきましても、この名無しさんたちに対して抜かりなくその妄想の触手を伸ばしてました。伸ばしてましたとも。

ただし。今回は、普段みたいに具体化して望みのものが得られるか?と、悩みがありました。主役の人たちが特殊な感じなので、この二人、見た感じ、あまりにも「普通」にしたいんですね。普通に精一杯生きていて、普通に愛を求めていて、普通に愛を見つけて、普通に、典型的に、愛し合って、普通にずっとずっと、って願ってる。そんな人たちにしたいんで、名前をつけてみたり、裏設定したりしてみたんですが、いまいちしっくりこない。しかもなんかこう…個別化しすぎてもうまくいかないんですが、個人的なことなので、一般化しすぎてもいまいち。そこで、困った時の頼みの綱、こんにちは世界製作委員会にてどちらの方向を狙うべきか個別検討させた結果、次のような回答が得られました。

濡れ場担・エロ部の回答:
「どうなってんのこれこんなの初めて超キモチイイ」

ほっこり担・ガペ部の回答:
身の丈感。誰にでもできる配慮、優しさ、素直さ。深い絆。愛における与えかたの例を示すこと。

相変わらずエロ部は語彙と文法に問題があり、ガペ部は何言ってんのかわかんないんですね。そして議題はどこへ。困った時は助言に従うことで好転しがちなんで、頼りにはなるんですが、この人たちはいつもこんな感じで、プロット大喜利を仕掛けてきます。悩む。

…。

むーん。ととのいました。

ということで、思いっきり無個性かつ緻密に、かつ明るい方に振り切ってみようという解決を見出した私だったのでした。で構成上、変わり種になってしまいましたし、大人の領分の裏ルール、《既婚と未婚》から外れるので、完全番外にしました。

愛し愛されたいすべての人を、応援したい。

男女を問わず、あーこんな恋人欲しいなぁ。と思ってもらえたら嬉しいですし、あーこんな恋人でいてあげたいなぁ。と思ってもらえたら、さらに嬉しいです。こんな恋人ほしいなー。こんな恋人になれたら、こんな恋人とずっといれるのかなー。という妄想が高じると、夜っぴてフェニルエチルアミン小説を紡ぐようになるんですね。病だなぁ。活字組み中毒。思い上がるようで恐縮ですが、自分で自分の建造力が怖い。一応、普通の感覚もあるんです。官能小説も読みますし、下品な言葉について考えたりもしますし、エロゲーのシナリオも読みま…すん、すみませんいま広報からストップがかかりました。でもそこはそこ、敢えてエロエロのエロを避け、だんだんお家芸になってきました「エロくないのにめちゃくちゃ興奮する」文体(たぶん)を標榜し、明るく頑張りました。はい。

根暗だからこそ書けるこの明るみ。と、自負。

皆様の濡れそぼった夜の夢を照らす、ステキな間接照明になりますようにと、祈ります。



おまけ。

私の好きな人(という、妄想)。明るくて賢くて面白くて優しくてエロい。楽しくて可愛くて気持ちいい。好きな人の役に立ちたい。元来、気が利くはずなのに、私のことが好きすぎて時々うまく気を利かせられなかったりしちゃう。飽き性だけど私には飽きない。私のことめっちゃ観察してるばかりでなく、すさまじく想像して、私がいまいちばん欲しいプレゼントをくれる、ううん、私がまだ欲しいって気づいてさえもない、本当はいちばん欲しいものを、くれる。仕事は頑張るほう。で、私が励ますとより一層頑張っちゃう。いいんだよ普通で。って言ってくれる。一緒にいるとどんどん運がよくなる気がする。清潔な住居と神聖な寝室を愛する。すごく安心するハグと、すごく興奮する抱擁を、使い分けることができる。新しいことに興味があって、好奇心が強く、諦めるよりは、恐れずに立ち向かう。ネガティブな話はしない。ずっと味方で、どんなときも味方。唾液がおいしい。日中の大半は私のこと考えてて、夕暮れ後の大半は私の体のこと考えてる。知らない場所に連れて行ってくれる。静かにお互いを感じ合うこともできる。私のお世話をするのが好きで、私が安心してると喜びをおぼえる。必ずそこにいる。なにかにとても詳しくて、私は全然敵わない。私が一人で頑張ろうとしてるときは見守ってくれてて、落ち込んでると、んなダメじゃねーよ。って根拠もなく元気づけてくれる。男らしいって言われると嬉しくて、繊細だって言われると嬉しい、けど、褒められたときはあまり、嬉しみは顔に出さない。旅行の手配がお手のもの。車も運転できるうえ、私が助手席で寝てても、それはそれで楽しめる。私が生きてることへの感謝について、真剣に考える時がある。私が可愛いとテンションが上がり、私が綺麗だと大事にしなきゃって思う。意外に計算高い。魚が捌ける。優しいのも激しいのも上手。私以外の女性の話をしない。幸せな恋人みたいに笑う。調べ物が得意。本当は人間はひとりぼっちだって知っていて、二人でいる時間の大切さをちゃんと伝えてくれる。私のこと好き。ていうか、私のこと大好き。

なにより、私がこの人のこと、大好き。


本篇は、こちら:

ラブラブ系を番宣:

マガジン「愛を犯す人々」は本篇、付録が降順で並んでいます。一話完結なのでどこからでも。好きになれるキャラクターに出会えたら、人気投票企画で拾いますので、どうぞ熱心に応援してあげてください♡

こちらのノートのおまけ、「私の好きな人(という、妄想)」を気に入っていただけたかた、どうぞ各付録の後ろだけでも読みに、遊びに来てみてください。幸せが、溢れますように(愛)。


以上です!




今日は明日、昨日になります。 パンではなく薔薇をたべます。 血ではなく、蜜をささげます。