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地獄から這い上がり二度売れた唯一の芸人

まず始めに有吉さん結婚おめでとうございます。

この年になって芸能人の結婚発表を聞いて親友のことのように嬉しい人と、どーでもいい人がいるなという気づいた。

その中でも有吉さんの結婚は北川景子DAIGOペアの結婚に匹敵するほど嬉しかった。

有吉さんを苦労人と表現すべきなのか、若くして売れた天才と表現すべきか迷うところではあるが、苦労してきたのは事実としてあると思う。

芸人が売れるというのは、一般的に何かの賞レースでチャンピオンになるとか、ネタ番組で人気者になるとかが多い。

有吉さんがまず人気者になったのは、進め電波少年という番組で拉致されて、ヒッチハイクの旅という企画を強制的にやることになったことに起因すると思う。

私は幼かったので、記憶があるのか無いのか微妙なところだが、普通に猿岩石の2人が外国で牢屋に閉じ込められたり、タクシーに乗ったら強盗にあったり、当たり前のように放送されていた。

後に怒り新党やかりそめ天国で本人も語っているが、はやく日本に帰りたくてたまらなかったと言っていたし、本人たちは毎日生きてゴールのロンドンにたどり着くために必死だったので、無名のまま自分たちが日本を出たので、自分たちがどれほど日本で人気になっているか全く知らなかったらしい。

可愛い子には旅をさせよと言うものの、この旅は過酷過ぎて今のテレビのリアクション芸とか、イジりじゃなくてイジメだとか言っている人達が本当に腑抜けに見えるほど、生と死を彷徨っているような極限状態の旅立ったと思う。

その後、CDデビューして白い雲のようにがめちゃくちゃ売れて大スターになる。しかし、その後は地獄と言うほどテレビで見る機会が減った。

この時に本人も相当苦労してダチョウ倶楽部の上島竜兵さんに助けられたと語っている。かりそめ天国では一発逆転を狙って漫画家になろうとして、貧乏ながら貯金をはたいて画材道具を一式買ったが、全く何も書かなかったとも話していた。

結局その後、テレビで見るようになり始めたのは内村プロデュース(通称;内P)でやり始めた『猫男爵』というキャラかもしれない。

お笑い番組が好きな人は、そこで有吉さんの覚醒を見たと思う。やはり何というか、人間の怖い所は、死を恐れずに刺し違える覚悟で向かってくるときに爆発的な力を発揮するところであると思う。

その後は深夜番組やロンハーなどに少しずつ登場するようになり、アメトーークのおしゃべりクソ野郎を皮切りに、その時代にいる芸能界の人達にあだ名を付ける作業を極限の緊張状態の中で進めていくことになる。

ちなみにマツコ・デラックスのあだ名は何?という質問がよく散見されるが、番組中に有吉さんがあだ名を付ける前に、共演していた極楽とんぼの加藤さんが先にマツコさんに対して『土砂みたい』という発言をして笑いになったため、有吉さんはマツコさんに直接あだ名を付けていない。

深夜番組でよく出るようになっていた頃は、「俺はもう一回地獄に落ちるから」的な発言もよくしていた。

あだ名や毒舌として再び実力が認められてブームに乗っていた頃にテレ朝で怒り新党がマツコ・デラックスとのペアで始まり、そこに夏目アナもいた。

マツコさんがいなかったら、なんとなく二人は結婚していなかったような気もするが、結局の所そういうのは縁であるし、そういう縁を勝ち取れる実力があったり、本当に有吉さんしか経験できないような人生なんだと思う。

今となってはもう超売れっ子であるし、賞レースやネタ番組で売れたわけでもない芸人がトップに上り詰めるという新しい売れ方を示してくれて、お笑い好きの人達は尊敬している人が多いに違いない。

アスリートばりに散歩して東京中を異常に練り歩くことでも知られており、散歩好きの私としても、さすがに1日20km以上歩くことは無いので、そういう意味でも尊敬している。

私は怒り新党が好きで、おそらく今までのエピソードをすべて見てきたと思う。いろいろあって、途中例外的にカンニングの竹山さんが出たときもあったが、基本的に2人とアナウンサーひとりという形式がかりそめ天国になった今も続いている。

水曜深夜11:15~を楽しみにしていた自分は世間との認識のズレを埋めるためによく怒り新党を利用していた。マツコ有吉の2人と意見が合うことが、世間と合っているのかは疑問だったが、なんか自分の安心材料になった。

ゴールデンになったかりそめ天国とは違って、当時は二人ともアナウンサーや視聴者のメールにキレていた。夏目アナや二代目の青山アナがボコボコにされていたが、青山アナも噂によるとテレ朝を退職して国連の職員になって人道支援に当たっているらしい。

なんというか、やはりそういうエネルギーが渦巻いている人の周りには、エネルギーのある人達が集まるということがあるかもしれない。

自分もそれなりの年齢を重ねてきて、自分の記憶の中で楽しい思い出を作ってくれた恩人でもある。

その恩を返したいというか、実力不足なのは重々承知だが、なんか自分もそのエネルギーの渦の中に入りたいとも思ったりする。

自分のような人間が売れてもないし、この先どうなるかもわからない。何のリスクも負ってないし、勝負から逃げるような人間性の持ち主が社会になんか貢献したり、影響を与えるようなことが出来るのかも疑問ではある。

最近では錦鯉のような49歳でやっと売れるような人達もいる。むしろ49歳までバイトでも何でも生きてこられれば、それはそれで凄いんじゃないかと思ったりもするが、人生いつどういう形で認められるかわからない。

自分の人生を振り返ってみても、果たしてこれからの自分にそんな人にありがたいと思ってもらえるような出来事が起こるのか考えてみると怖いこともある。

多分違うだろうが、周りの友達が結婚して遊び友達がいなくなった女子のような感情に似たものかもしれない。

今でこそ芸人という職業がある程度認められて、仕事ができるステージがあって、こうしたら売れる可能性があるという見通しが立てられるが、自分の仕事や自分の将来を考えると、一体何が正解で何をしたらどうなるのかも謎ではある。

起業したいとか、こういう社会システムを作りたいとか、こういうサービスを作りたいとか、貧困や自殺を無くしたいという漠然とした夢や野望はある。だが、それには有吉さんと同じように実力をつけなければいけない。

どこかで世間に実力を認めてもらえるようになり、実力を披露するステージがあり、そこで継続的にパフォーマンスができるようになれば、きっとそれなりの成果が出るとは思う。

有吉さんを見るたびに、有吉さんでさえ評価されなかった時代があるんだと考えて、自分も頑張ろうと思えることもあるし、勝手に天才と自分は違うと考えて、努力を放棄させるように向かわせる自分もいる。

自分が何者なのか迷って社会から必要とされているのか、ありきたりな問いが頭の中を駆け巡っては掻き消すように、プログラミングに打ち込んだり、英語に打ち込んだり、留学ができるか何か面白い仕事があるか、起業のアイデアを買ってくれるような人がいるか模索したりする。

会社に就職するとか、募集している仕事をもらうとか、こうすればこうなるという未来もある。それが一般的であるし、何もおかしなことはない。でもそれは自分にとって、有吉さんが画材道具を買ったときの心情と近いものかもしれない。

人は結婚をするだろうし、子供を産んで育てて、老後の人生をゆったり過ごしたりする。別にそれは何歳でも良いのだが、周りと比べると人生の優先順位がブレることもある。

雑な言い方にはなるが、一生懸命自分なりに努力して生き抜いて、一緒に暮らしたい人を見つけて、ゆったり過ごす。という人生は素晴らしいものだと思う。大きな目で見れば、人生とはそういうものだとおもう。

長い目で見たら現状としては苦しくても、幸せに過ごせる何かしらヒントがあるかもしれない。

10年くらい一緒に付き合ってきたマツコさんは有吉さんと夏目アナの結婚をどういう思いで見守っているのか気になる。きっとマツコさんは結構前から付き合っている事を知っていただろうし、結婚するのを楽しみにしていたと思う。

芸人なら何となく売れるルートというのが見える所はあるが、マツコさんのような自称オカマは、どういった形で売れるという形になったり、社会に認められて経済活動が回るのか見通しが立ちにくいと思う。

どういう感覚で頑張れば良いのか不安なところもあるだろうし、マツコさんも物書きとして活動して、しばらくそれで生計を立てられてすごく感謝している。と前に話していた。

何でも一直線に自分の理想が手に入るというものでもないと思う。有吉さんも現状を別に理想形だとは思ってない旨の発言をよくしているし、スパッと仕事を辞められるなら辞めて田舎に引っ越したい的なことも言っている。

確かに大金は稼いでいるだろうし、餓死する不安は昔に比べれば限りなく0%だろうが、本当の自分の理想を実現するのは、金を稼ぐということだけでは実現し得ないのかもしれない。

結婚をして子供ができたら、有吉さんのそういう意識も変わるかもしれないし、お金があって生きているだけで幸せと思えるようになるかもしれない。

自分にはあんな美人と出会うことも話すことも結婚することも人生に起こり得ないと思ったりすると、自分の人生がなんて空虚なんだと絶望するが、きっとこの絶望に耐え抜かないと、有吉さんのように美人とは結婚できないんだと思う。

有吉さんの結婚を素直に祝福している一方で、サンデーナイトドリーマーにいるラジオのメール職人が、キャプテンを失った船員のように路頭に迷っていないか心配になったりもする。







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