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ベテルギウス ③

 ベテルギウスが超新星爆発を起こしたら一体どうなるのか…

私たちの太陽の8倍〜10倍以上の質量を持った恒星は、その一生の最終段階で超新星爆発という大爆発を起こすと言われています。その中でも30倍以上の大質量の恒星は、後にブラックホールになるそうですが、ベテルギウスは太陽質量の20倍。残念ながら(?)ブラックホールにはなれません。とはいえ太陽の20倍。とんでもないエネルギーを発します。

私の好きな本のひとつ…『オリオン座はすでに消えている?』縣 秀彦(あがた ひでひこ)著 の一部を引用します。

星(恒星)の中でも重たい星は、晩年になると「超新星爆発」という爆発を起こしてその一生を終えます。爆発すればその存在を肉眼で確認することができるようになることでしょう。月も昼間でも見ることができますが、ベテルギウスはもっとも明るく輝くときには、満月の表面輝度の100倍で見えるかもしれないと予想されています。
          〜中略〜
爆発が夏であれば昼間に見えます。どこにいても、肉眼でその存在をはっきりと確認できるような星が突然現れるのですから、2012年 5月21日に起こった金環日食以上の話題となることでしょう。しかもそれは数分の出来事ではなく、3〜4か月にもわたって続くのですから、これほど宇宙の神秘を感じさせてくれる現象はありません。

ベテルギウスまでは640光年。こんなに近所の恒星の超新星爆発は、とてつもなく壮大な天体ショーとなるでしょう。きっとその光景は生涯忘れられないものとなるはず。

多くの天文学者は「少なくとも1万年以内に爆発することはない」と予想していますが、それは誰にもわからない…と私は思っています。今夜突然起こるかもしれないし、1万年以上起こらないかもしれない。

だから私は空を見続けようと思います。できれば私の人生が終わるまでに、ベテルギウスの超新星爆発を体験できれば(欲を言えば第一発見者になれれば…)文句はないのですが。

でももしそれが1万年後だとしても、1万年後の人々がその壮大な天体ショーを見ることができるなら、それはそれで良しとしよう。

1万年後…我々人間同士の野蛮な争いの末に、人類が絶滅していないことを心から願うばかりです。


※毎週土曜日の21時ごろ更新予定です。

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