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歯科矯正プレゼンツ飲料選手権 秋豆 絹

歯科矯正を始めてかれこれ2年が過ぎた。

私が選択したのは1日約22時間透明な歯型をカポッと歯全体に取り付けるマウスピースでの矯正だ。

歯科矯正と聞いてまず思い浮かぶワイヤー矯正と違って、いつでも取り外し可能・目立たないので矯正中と気づかれにくい点がとても魅力的である。


しかし、何事も一長一短。

マウスピース装着中は食事全般と糖分のある飲料などを口に入れることができない。
普通の食事ではマウスピースを外せばいいし、幸い間食をする習慣もないのだが、飲み物だけはそうもいかなかった。



例えば、学生時代水筒代わりに毎日携帯していたペットボトルのミルクティーといちごミルク。


論外である。


健康的にも毎日飲むのは論外だが、彼らを口に含んだが最後、歯全体をピッタリと覆うマウスピースの内側に液体が注ぎ込まれ、歯の砂糖漬けが完成する。虫歯菌にとってこれ以上の天国があるだろうか。
ということで初戦敗退、お帰りください。


一方似ているように見えて実は対極にあるのが、糖類ゼロコーラである。
よく考えてみれば当たり前だが、あの甘みは人工甘味料由来なので理論上は飲むことができるのだ。(恐らく)
最初の頃は糖類飲料NG生活に慣れず、このひらめきにそれはもうウハウハした。ウハウハしたのだが、あまりにもちゃんと甘いせいか脳が全然信用してくれず、飲むのに疲れて地区大会決勝で敗退となった。

次にお茶類。甘くはないものの実はこれも怪しい。

担当医からは「色素沈着が気にならなければ飲んで大丈夫ですよ」とご助言いただいた。


気にならないわけがない。

しかしながら私はお茶を飲むのが大好きなので、なんとかギリギリのラインを見出せないか考えた。

「色が薄ければ耐えるのでは」

という全く論理的でない理由でジャスミン茶がギリギリOKということになった。支部大会くらいまでは活躍できただろう。


とはいえやはり安定なのは水である。
無色透明かつ無味。これほど盤石なものはない。
田舎育ちにも関わらず、都会の水道水もガバガバ飲める馬鹿舌で本当に良かったと思う。
こんなつまらない試合があっていいものか、水の圧勝である。

こんな生活を2年以上送っているのだが、つい先月の診察で、「経過が良ければ今年の4月にはマウスピース外せますよ」というありがたいお言葉を頂いた。

春が来る頃にはお紅茶を嗜みながらオフィスレディできることを祈って、今から水でイメトレをしておこうと思う。

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