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まちづくり、コミュニティづくり。文化の濃さを薄めずに持ち続けられるか。【山極壽一×伊藤穰一】人類学とテクノロジーから見るこれからの「まち」の可能性。

居心地のいいまち。
私が住んでいたいと思える場所。
もう一度、それぞれが、それぞれの場所で作っていかないといけないのでしょうね。

そんな「まち」とは。
お二人の会話から、「私は、こういう方向に歩いていきたい」と思いました。

これからの「まちづくり」。
コミュニティは、こんな風になるといいなと思いながら読みました。

山極:
これからは、バーチャルの世界でもリアルの世界でも、「社交の時代」が改めて見直されると思うんです。
人間が本来持つ「移動する自由」「集まる自由」「対話する自由」を駆使しながら、いろんな人たちが会って、一緒に何かをつくり出していく。小さなコミュニティが立ち上がって、集まることが楽しくなる。まちはこれから、それを支える場になっていくでしょう。

そのときに必要なのが“ほんまもん”で、その場に合った道具や、時には料理や芸術などを介して社交の場が演出されることでコミュニティはより強固になっていきます。そこに伝統や歴史があればなおいい。

伊藤:
昨今のオンラインのコミュニティで見えてきた課題は、コンテクストがない中で情報がすべて外に出てしまうと、すぐ炎上してしまうということでした。そこで出てきたのは、少しだけ情報を見せて、入りたい人が来れば入れるというクローズされたコミュニティです。


YNKエリア(八重洲・日本橋・京橋)には、外からちゃんと見えているけれど、実際に来なければ体験できない、老舗と新規の融合があります。「わかる人にはわかる」という濃いカルチャーでありながら、ちゃんと外の世界と接続されている。そのバランスがとられたまちだなと思います。

山極先生がおっしゃる“ほんまもん”を残しながら、いかに多くの人たちの純粋経験を増やし、かつ文化の濃さを薄めずに持ち続けられるか。そんな難しい挑戦を、これからも期待して見ていきたいです。


「認知革命の前に起きた「共感革命」とは? 共感が世界を作り、そして今、世界を破壊しようとしている。人類史の知られざる革命。

「共感革命: 社交する人類の進化と未来」より


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