見出し画像

聖書通読完了

 注:読書感想ではありません。
   一度通読したくらいで、
   感想が書ける類の書物ではありませんので。

(文字数:約2300文字)



信仰は個々人のものだ侮るな

  何を隠そう私は、

  筋金入りの宗教マニアを自負しており、
  日本語話者である以上は、
  仏教徒の皮を被った神道徒と認識しているが、

  キリスト教の事は、
  ユダヤ教イスラム教ヒンドゥー教と、
  同等に大好きであるばかりか、

  異端とされた諸教義や、
  世界宗教に属さない各地の土着信仰にすら、
  心が踊る人間なので、

  どこにも所属していない。



  婚家が一家揃って入信しているPL教にも、
  婚家の墓所がある高野山真言宗にも、
  所属はしていない。

  ひと度所属してしまえば、
  どうあってもその内側から、
  物事を眺めざるを得なくなるからだ。

  私の関心は、
  諸宗教に対して、
  またその諸宗教が醸し出した諸文化に対して、
  可能な限り並列でありたい。

  まずはその意志を表明しておいた上で、


  キリスト教の一派を標榜する、
  某新興宗教団体に、
  親の意向で加入させられた際の、
  相容れなさについて語りたい。

  とは言え私個人の、
  この強固な意志との相容れなさであり、
  某団体全体を批判する意図は無い事を、
  あらかじめ明記しておく。


出会い時の相性が悪過ぎた

  よそからお姉さんがおうちに来て、
  おはなしを教えてくれるんだって、

  おはなし、を、教える、って何だろう。
  読んでくれる、のとはちがうっぽい。

  という事で、
  小学校2年生の私は頂いた絵本を、
  お姉さんが来る日までに読み込んだ。

  そして私の第一声がこれだ。
  「このお話だれが書いたのー?」

  お姉さんの返答もさるものだった。
  「これは本当に起きた事が、
   書かれたものなんですよ」

  「ウソだー」
  くらいにしか当時小2の私は口に出来なかったが、
  それでは質問の答えになっていないんだ。
  誰が記録して今現在まで残っているかに、
  私は大変興味がある。

  「まず、はじめの絵を見てください。
   すばらしい楽園が描かれていますね。

   こちらでは、
   ライオンとウサギが仲良く身を寄せ合って、

   こちらでは、
   人間の赤ちゃんとヘビが一緒に遊んでいます。

   あなたもこの楽園に、
   行ってみたいと思いませんか?」

  私の返答がこれだ。
  「いいえ。ちっとも」

  初手からお姉さんを唖然とさせたようだが、
  私は当時小2なりに説明した。

  「だってこの絵のヘビ、
   遊んでるって言うより、
   しっぽつかまれて振り回されてる。
   かわいそう。

   あとライオンは、
   ウサギを食べるからライオンだよね。

   ウサギと仲良く暮らせるんだったら、
   ライオンじゃなくていい。
   生き物ぜんぶがウサギになっちゃうよね。

   ウサギ食べなきゃ生きられないのに、
   悪い生き物みたいに決めちゃうのも、
   おかしいしよくないって私思う」

  お姉さんはにっこり笑顔で答えて下さった。
  「それは悲しいけれどあなたが今、
   まちがった世界にいるからです。
   神様がお創りになったままの本当の世界には、
   生き物が別の生き物に食べられる、なんて、
   悲しい事も恐ろしい事も起こらないんですよ」

  私はそのお姉さんは嫌いじゃなかったし、
  わざわざよそのおうちまで、
  おはなし教えてくれるの大変だなって思ってたから、
  それ以上困らせる事は言わないようにしたけれど。


それを悪魔と呼ぶ側が

  つまり私は小学2年生当時から、
  何よりも個々人(あるいは動物個々体)に、
  重きを置く価値観を強固に有していた。


  もう少し噛み砕いた表現で言うと、

  イエス本人は実際に、
  お会いして話してみたら好きになるかも分からんが、
  使徒たちまで知らん!

  空海もムハンマドもゴウダマも同様!

  ましてや実際にお会いした事も無く、
  生前の言行録が載せられた書籍を、
  読み込んですらいないと察せられる人間どもに、
  イエスはもちろん神様についても、
  語り伝え切れるとは思えない。


  そんな生意気なクソガキ、
  嫌われてしばかれてもしょうがないだろ、
  みたいにちょっとでも思われた方は、

  生まれ育った土地の価値観や常識に、
  どっぷり骨の髄まで浸かっていると思われるので、
  くれぐれも用心しな。

  実際のところ私は周囲を観察しながら、
  大人しく振る舞っていたんだが、

  悲しいかな家系的な事情により、
  私は生まれた時点で既に「呪われた子」だと、
  一族から決め付けられていたので、

  その土地の教会で母親が、
  「この子にお友達ができないんです
   (本当はいたんだが、
    母親が友達と認めなかった)」
  と相談した際に、

  「お子さんが悪魔に魅入られているからです」
  とかほざかれても、
  「ああそうですかぁ」
  と驚きもせず父親も同様に受け入れやがって、

  「他所の方にもそう見えるなら仕方ないですねぇ」
  「どうぞまともな子に鍛え直して下さい」
  と自分たちの責任と教育を放棄してくれやがった結果、
  私は文字通りの地獄を味わったわけだ。


  聖書をひと通り読み終えた今断言する。



  某宗教団体の全体までは知らないが、
  少なくとも私が通わされていたあの教会に、
  神様はいなかったし、

  今現在も同様の布教活動を続けているとしたなら、
  今後も来ない。

何かしら心に残りましたらお願いします。頂いたサポートは切実に、私と配偶者の生活費の足しになります!