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これぞロジャーの対応力

今こそ多くの方に観てもらいたい。

ここに迷い込みこの文章に接して下さった方は、
即刻様々な手段をもって検索等して頂きたいほどに、
容赦の無い映画を本日観まして。


『TOMMY』1975年 

  監督:ケン・ラッセル

  イギリスのロックバンド『The WHO』の、
  同名アルバムを映像化した、
  全編楽曲で展開されるロック・オペラ。

  と言うより、

  目が見えず、
  耳が聴こえず、
  話す事が出来ない少年トミーの、
  精神世界とそれに伴う周囲の反応を表現した、
  ロック(音楽作品)って!


  ロックだなぁ!


  と言うわけでアルバムそのものはかなり前に所有して、
  ライナーノーツも熟読しながら聴いていたんですが、
  正直歌詞だけでは分からないところが
  ちょいちょいありまして、
  映像化されてようやく全容を理解できた。

  と言うより、

  トミーをロジャー(The WHOのボーカル)がやんのかい!
  ってかしっかりやれとるやないかい!

  キース・ムーンとピート・タウンゼントと、
  物静かに見えて実は怖いだろエントウィッスルを、
  ある程度はまとめ切れてる時点で分かってたけど、
  あんた対応力半端無いな!

  と言うマニアトークはこのくらいにして、



  家族と親と宗教の、
  決してよろしくないパターンが、
  1970年代のサイケデリックな色彩感覚で、
  容赦無く表現されている。
  
  観る者のトラウマによっては吐き気も感じるほど、
  トミーに加えられる虐待もえげつないし
  (楽曲に応じて進むので私は観られはした)、
  「目を覚まして」からのトミーが神格化される流れや、
  売り出されるグッズのおぞましい事!

  しかしトミーは悪くない。
  (だって5歳から感覚を閉ざして
   目を覚ますまでの間を何も知らない。)

  ここが伝わらなければこの話は意味が無いんだが、
  ロジャー出来てるし!
  お前だけは悪くないって感じすごくするし。

  そしてトミーが歌い上げるラスト。
  「トミー」が歌っている事が重要だ。
  「トミー」が歌う「あなた」とは誰だ。

  最後の一行が全てだが、
  最後の一行だけを聴いても分からない。
  二時間全てを見て聴いた最後の一行である事が重要だ。
  (念のため
   単純なキリスト教讚美ではないからそのつもりで。)

  あと知っている人は、
  エルトン・ジョンとティナ・ターナーと、
  エリック・クラプトンの出演箇所にもビビると思う。

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