貸付と借入
手許現金が多い会社は、社長による「生活費の使い込み」が起こっている可能性が高い。
それと同じようなことが言えるのが「社長貸付」という科目です。
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先に、貸付と借入について考えてみます。
普通に考えれば、会社にとって「借入」はマイナスなもので「貸付」はプラスなもの、という感覚が一般的ではないかと思います。
借入は会社に支出をもたらしますが、貸付はいつか返還されるわけですから、収入をもたらすもののはずです。
しかし、資金繰りという観点からした場合、この評価は色々と変わってきます。
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他者からお金を借りている、ということは「現時点で外からお金が中に入ってきている」と考えられます。
一方で外部にお金を貸している、ということは「本来であれば手元にあるはずのお金が外部に出てしまっている」と考えることもできます。
意図的に、かつ計画的に外部への貸し出しが起こっており、かつ、利息なりがしっかりと計上できているのであればそれほど悪いことではないかもしれません。
しかし、貸金業をやっているのでもない限り、そんな余裕があるなら「本業にお金を使え」という考え方も成立します。
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つまり「借入が悪」「貸付が善」とは、一概には決めつけられないのです。
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