ゲームズワークショップ。ミニチュアシーンの過去と現在を語る時、この英国企業は必ず登場する。

ゲームズワークショップは、「ミニチュア」およびそれを用いた「ゲーム」を扱う業界において、世界最大の資本力と規模を誇るグローバルメーカーであり、小売業者だ。世界2500店以上の正規販売店網を誇り、ここ日本を含む各国で直営店舗を展開、直営店舗数は今年で世界500店舗を超えた。文字通り世界中で、ゲームズワークショップのミニチュアホビーが楽しまれているんだ。

「シタデル」ブランドを擁し、暗黒の遠未来を舞台とする「ウォーハンマー40,000」、エピック・ファンタジー世界を舞台とする「ウォーハンマー：エイジ・オヴ・シグマー」、そしてJ.R.R.トールキン原作の中つ国を舞台とする「ミドルアース・ストラテジー・バトルゲーム」をIPの３本柱とする。

ゲームズワークショップはここ日本にもしっかりと根を張り、その愛好家を日々増やしている。以前、メディアの知ったかライターどもが、「まあ私は知ってますけども」という軽いマウント欲を満たすためにむやみに使いたがった「日本ではまだマイナーで…」とかいうクソ卑屈な枕言葉は、最近の国内におけるゲームズワークショップの勢いを見れば、そぐわない。

国内メディアでの扱いも随分変わってきた。ゲームズワークショップ製品（特にシタデルカラー）を扱うと広告主に怒られ、それでも扱ってくれた意気のある編集者が冷や飯を食わされる時代ではなくなったようだ。これはとても良いことである。

ゲームズワークショップ製品の独自性ある世界観とミニチュアの高い造形力・技術力。あるいは、シタデルカラーとペイントシステムの優秀性。国内メディアでもこれらの切り口で取り上げられることが増えているから、カウンシルでは別の切り口でゲームズワークショップのことを書いてみよう。

今回の記事では、ゲームズワークショップが辿ってきた歴史について、時代の流れにそって話し、俺が見るところの「２つのスゴイこと」について語ろうと思う。海外では資料も豊富だし、たくさんの証言や回顧録があるが、今の所、GW自体の歴史やシーンへの功績が日本語で語られることがないからだ。

なお、ここで話す歴史の多くは、俺自身で目撃した訳ではない。俺は1977年3月に生まれたばかりの可愛いベイビーで、ママのおっぱいを飲むのに忙しかったからだ。初期の歴史については、俺自身の古巣であるゲームズワークショップにいたころから今までの間に、当時を知る人々から伝聞したものの集積なので、間違っている部分や、憶測が混ざっている可能性もある。スティーブやイアン、ブライアンから直接証言を取った訳じゃない（トムはかつて俺の上司だったので直接聞いている）。その辺は留意してくれ。

長い記事になる（そしてたくさんの人物が登場する）ので、３回に区切って発表するよ。そう、長い記事だ。俺がハーミット・カウンシルでゲームズワークショップを扱うとなれば自然とそうなる。

連載の最後には、タイトル通り２つのスゴイことをまとめるぜ。

それじゃあ、第１回を楽しんでくれ！

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黎明期：スモールビジネス〜D&Dとの邂逅