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映画鑑賞記です。
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理由なき反抗

“永遠に生きるつもりで夢を抱け。今日死ぬつもりで生きろ。” これはジェームズ・ディーンさんのお言葉です。 ジェームズ・ディーンさんと言えば、Leeのジーンズと赤いジャケットに白いシャツ…そう思い描く方も多いのではないでしょうか。 それまで作業着としか見做されていなかったジーンズが『理由なき反抗』によって、若者のファッションとして流行し、その後定着するキッカケになりました。 他にもマーロン・ブランドさん主演の1953年の映画『乱暴者(あばれもの)』や1956年のテレビ番

オッペンハイマー

私にとっては、昨年の『君たちはどう生きるか』以来の映画館体験となりました。 2020年以降になって、この2作品しか劇場で観ていません。 今でも悔しいのですが、クリストファー・ノーラン監督の前作『テネット』も劇場で観ていません。 その他にも観たい映画はたくさんあったのですが…、コロナの影響は凄いなと改めて思います。 今回は劇場公開中の作品なので、あまり映画の内容には触れずに簡単にです。 とにかく、圧倒的な作品でした。 ノーラン監督の作品だといつものことですが、想定以

ダークナイト

第96回アカデミー賞の授賞式まで1週間と少しになりました。 クリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』が幾つの賞で受賞するかが注目されています。 この作品が制作開始された頃から私はこれまでの記録である11部門を超えられるのはノーラン監督の実話に基づいた作品しかないと言い続けてきました。 それが叶わなくても、おそらく久々の大量受賞で独占状態になるのではないか…と思っています。 長編デビュー作の『フォロウィング』から『オッペンハイマー』まで発表した全ての作品が超が

街の灯

“人生はクローズアップで見れば悲劇ですが、ロングショットで見れば喜劇です。” 今年の第96回アカデミー賞では、ロバート・ダウニーJr.さんが『オッペンハイマー』の演技でいよいよ助演男優賞を受賞しそうな予感がしますが、元々、演技派の人ですから…かなり遅過ぎではないかと感じています。 そもそも、1992年に『チャーリー』でチャールズ・チャップリンさんを演じた時に主演男優賞を受賞していてもおかしくなかったわけです。 当時27歳で才能豊かな若手の演技派として注目されていました。

或る夜の出来事

ジェリコの壁…、ジェリコはエリコとも呼ばれ、新しいところだと冷戦時代にベルリンにあった東西を分断していた壁のような両者を仕切る壁のことを言います。 聖書の記述(『ヨシュア記』の6章) によると、モーセさんの後継者であるヨシュアさんはエリコの街を占領しようとしましたが、エリコの人々は城門を堅く閉ざし、誰も出入りすることができませんでした。 しかし、主の言葉に従って、イスラエルの民が契約の箱を担いで7日間城壁の周りを廻り角笛を吹くと、その巨大なエリコの城壁が崩れました。 フ

ゴジラ

“原爆の恐怖がよく出ており、着想も素晴らしく、文明批判の力を持った映画だ。” これは三島由紀夫さんの『ゴジラ』評で、ドラマ部分も含めて本作品を絶賛したという話は有名です。 1954年の公開当時は国民のほぼ10人に1人がこの映画を見たと言われる程の大ヒット作品です。 しかし、公開当時の日本の評論家の評価はかなり低いものが多く、ゲテモノ映画と酷評されることが多かったようです。 特撮面では絶賛される場合が多かったようですが(そりゃそうです。誰もこんなの見たことがなかったわけ

イコライザー

アントワン・フークア監督、デンゼル・ワシントンさん主演の映画シリーズです。 弱い人を助けて、間違った強さで弱い人を虐める人を徹底的にやっつける元CIAのロバート・マッコールさんの物語の最終章が公開されています。 なめてかかった相手が実は滅茶苦茶強かった…というタイプの映画は、これまでにもたくさんありましたが、マッコールさんは本当に強い…そして知的です。 普段とお仕置き中の落差が凄いです。 1作目ではホームセンターの従業員、2作目ではタクシー運転手をやりながら、その陰で

ゴッドファーザー

The Godfather 1972年に1作目が公開されて以降、2本の続編が製作された『ゴッドファーザー』3部作です。 マリオ・プーゾさんの小説を元にフランシス・フォード・コッポラさんが監督したマイケル・コルレオーネの波瀾万丈の人生を描いた計10時間を超える大作です。 映画を観たことがなくても、ニーノ・ロータさんの音楽は知っている…みたいな若い人も多いかもしれません。 映画の歴史上の最高傑作としてよく挙げられる作品として、『街の灯』や『市民ケーン』、『カサブランカ』、

ウィンストン・チャーチル~ヒトラーから世界を救った男

“夢を捨てる時、この世は存在しなくなる。” ウィンストン・チャーチルさんの名言の1つです。 Darkest Hour ジョー・ライト監督の2017年の作品です。 脚本は『博士と彼女のセオリー』で有名なアンソニー・マッカーテンさん、クラシカルな印象的な音楽はダリオ・マリアネッリさんです。 主演はゲイリー・オールドマンさんで、ウィンストン・チャーチルさんを演じて、アカデミー主演男優賞を受賞しました。 共演はクリスティン・スコット・トーマスさん、リリー・ジェームズさん、

第三の男

The Third Man キャロル・リード監督の1949年の名作です。 脚本はイギリスの小説家であるグレアム・グリーンさんです。 音楽はアントン・カラスさんがオーストリアの民族楽器のチターで奏でます。 主演はオーソン・ウェルズ監督の『市民ケーン』やジョージ・キューカー監督の『ガス燈』などで知られるジョゼフ・コットンさんで、共演はオーソン・ウェルズさんやアリダ・ヴァリさん、トレヴァー・ハワードさん、バーナード・リーさんなどです。 『第三の男』は、サスペンス映画の不朽

インセプション

INCEPTION クリストファー・ノーラン監督の新作『オッペンハイマー』は、現時点で日本での公開日は決まっていません。 日本語字幕の付いた予告編すらもありません。 公開されてないし目途も立ってないものですから、私は2010年の名作『インセプション』を観て自分を慰めています。 『オッペンハイマー』は、第2次世界大戦中に原爆の開発を主導した米物理学者のロバート・オッペンハイマーさんの伝記映画です。 上映時間は約3時間で、広島と長崎への原爆投下やその後の惨禍は描写されて

キング・コング

KING KONG 来年はゴジラが誕生して70周年のメモリアルな年です。 それに先駆けて今年の11月3日には、新作『ゴジラ -1.0』が公開します。 11月3日と言えば、1954年にゴジラの第1作目が公開された日です。 もう今から楽しみ過ぎて仕方がないのですが、今年はそのゴジラにも多大な影響を与えたキングコングが誕生して90周年のメモリアルイヤーになっています。 90年前に円谷英二さんが、この映画に心底どハマりしていなかったら、ゴジラは誕生していなかったのかもしれま

月世界旅行

Le Voyage dans la Lune 1902年に公開されたジョルジュ・メリエス監督が脚本兼主演で制作したサイレント映画です。 121年前の作品です。 私の場合は体調不良の時に、この作品が丸ごと頭の中でループします。 2011年のマーティン・スコセッシ監督の『ヒューゴの不思議な発明』でこの時代が描かれていて、とても興奮したのは記憶に新しいところです。 ストーリーは…。 天文学者たちが大砲で撃ち出されるカプセル型宇宙船で月に向かい、月面探索中に出会った月の住

君たちは どう 生きるか

私にとっては、2019年の秋にトッド・フィリップス監督の作品『ジョーカー』を観て以来、3年9か月ぶりの映画館です。 宮崎駿監督の10年ぶりの新作『君たちはどう生きるか』については、事前情報がほとんどなかったことやパンフレットもないことから、純粋な真っさらな状態で作品を感じてほしい…という作者の気持ちが感じられ、それを尊重して何も書けません。 でも、これぐらいは書いても良いでしょうか…。 集大成…いや、それを超越した作品でした。 さて、私はどう生きようか…。 そんなこ