父に進路相談をしようかと

父「ふぅ。今日も疲れたな。確かタカシのやつ、おれに重要な話しがあるって言ってたな。あいつも難しい年頃だからな~。変な相談じゃなければ良いけど…。」
父「ただいま~。」
タカシ「あっ、お父さん。おかえりー。で、さっそく聞いてほしい事があるんだけど?」
父「おぉ、なんだなんだ?お父さんならいつでも相談に乗らざるをエナリだぞ。」
タカシ「(エナリっ!?誰だよ…。)うん、まあ自分の進路のことなんだけど…。」
父「あ~、進路相談か。一昨日きやがれ。」
タカシ「一昨日!?相談なら乗らざるをエナリじゃなかったの!?」
父「タカシ。…エナリって…誰だ?」
タカシ「知らねーよ!」
父「お前、エナリって…カズキのことかっ!?」
タカシ「違うって。」
父「なーにとりあえず否定してんだコノヤロウ。お父さんはな。お前の相談以外は、絶対否定しないんだぞ!!」
タカシ「そこを否定すんなよ!!」
父「何をぉ~」
タカシ「あ~、はいはい。エナリ君をお父さんに紹介するから、相談にのってくれる?(嘘)」
父「そっか~。それならなら乗らざるをエナリだな♪」
タカシ「…(ぬっころすぞ)うん。で、進路のことなんだけど。」
父「うんうん。」
タカシ「おれ、俳優になりたいんだ。」
父「俳優~!?どーしても俳優なのか?」
タカシ「うん。」
父「…。男優じゃ、ダメか?男優の加藤さんは凄いらしいぞ?」
タカシ「ダメだよ!!全力でダメだよ!!」
父「そうか~。お父さんはな、タカシが本気で俳優目指すって言うなら否定はしない。むしろ協力するよ。」
タカシ「本当?」
父「うん。本当だ。実はな~。お父さんも俳優になりたかったんだ。」
タカシ「へっ?そうだったの?」
父「でもな、お父さんはその夢諦めたんだよ。」
タカシ「えっ、なんで?」
父「初対面の占い師に『あなた俳優になりたいでしょ』と言われてな。」
タカシ「うん」
父「父さんにも意地がある。」
タカシ「で?」
父「なりたくありませんがー!!何か!?と、つっぱねてやったんだ♪」
タカシ「クソ無駄な意地じゃん!」
父「人の夢と書いて儚い。そういうもんだ。ということで、お父さんの分まで頑張れよ。」
タカシ「まぁ…分かった。いや~。こんなにお父さんが協力的だとは思わなかったな。実はもう劇団を作っていて、演劇することになったんだ。で、おれはパトリオットを演じるよ。」
父「そうか。いい夫になれよ。」
タカシ「パトリオットは夫じゃねーよ。パトリ夫ってどんな夫だよ。」
父「で、タカシ。」
タカシ「えっ、何?」
父「おれは何の役だ?」
タカシ「あんた出ねぇよ。」

#かなえたい夢

マガジンでまとめています。
https://note.com/herohisa/m/m5c261a316

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