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接客常識のウソ1 「おもてなしの心」

黙されるな!ストレスだらけの接客常識 ”3つのウソ” その1

接客常識のウソ1 「おもてなしの心」

テーマパークや高級ホテルなどでまず大切なマインドとして教育されるのが、この「おもてなしの心」。
ホスピタリティ・マインドとも言います。
「おもてなしの心」でお客様に接すれば、お客様はそれを感じ取って頂き、笑顔や感動体験として返ってきますよ、というやつですね。

「それが接客をしていて、一番良かったなぁと感じる時です」
「これがあるから接客の仕事が好きです」

なんて話をよく耳にします。
最近、SNSでも“接客感動秘話”なんてものもよく見ます。
その裏で何倍ものストレスと戦い、去っていく人が後を絶たないという現実は完全無視です。


去っていく人はダメ人間?

接客の仕事に疲れて去っていく人、結果が出ない人を
仕事意識の低い人、心が弱い人と簡単に片付け、
やる気・モチベーションで解決しようという話は未だに後を絶ちません。

クレームが当たり前の接客の仕事の中で、感動体験なんてほんの一握りの話なのに、それは無視です。

結果、有名テーマパークや高級ホテルなどは、ストレスに打ち勝てる強い精神力と仕事意識を持った人が残ります。

ブランド力があるので、新しい人はいくらでも来ますから、そういう所はそれで良いでしょうが…。まだブランド力がないうちに、笑顔や感動体験をえさにしても、うまくいくはずがありません

水商売でも、高級クラブ・有名高級キャバクラなどは、ブランドとお給料が仕事意識と強い精神力の対価になります。
そこに行けない人は要らないという考え方でも成り立つ世界です。
それも一部の成功店のみの話。
それ以外には、通用しません。


「おもてなしの心」は成功する為に必要?

「おもてなしの心」ですべてのお客様に接客をする。当店が最も大切にしている接客の心構えです

よく耳にします。
特にネットや本で成功した店、ママさん、キャバ嬢の
「やはり最後は心があるかどうかです」
なんて言葉です。

後ほどお話しますが、人はだれでも、
心からの接客をすればする程、お客様からの心を求めてしまいます。
結果、心が得られない時、何倍ものストレスが自分を襲ってきます。

“成功した人は、心をフラットにして、頭で接客をした人か、ストレスに打ち勝つ強い精神力を持った人”

これが現実です。

つまり、「おもてなしの心」は、成功した人、ブランドを確立した店の次のストーリーとして、初めから大切にしていたかのように語る後付けストーリーという事です。

これを真に受けて、力の無いうちから「綺麗ごと接客」をしても、結果は出ず、ストレスに押しつぶされるのが関の山という事です。
遠回りせず、ストレスなく楽に結果を出す事だけ考えましょう。


それでも

それでも私はおもてなしの心で接客して、お客様と心で繋がる事で数少ない成功体験をやりがいにしていきたいわ
だって素晴らしいじゃない、最高の仕事よ

そうです。素晴らしいのです。
決して否定している訳ではありません。

問題は、この素晴らしい考え方には逃げ場がないという事です。

接客のお仕事は、接客というサービスの対価として料金を頂く仕事です。
もちろん、感動体験という対価を頂けることはありますが、その何倍もクレームを頂きます

「お客様を怒らせてしまいましたぁ」
→「それはあなたにおもてなしの心が足りなかったからですよ」

「お客様に無視されましたぁ」
→ 「それはあなたに気遣い・心遣いの心が足りなかったからですよ」

「お客様に嫌ごとを言われましたぁ」
→ 「それはあなたがお客様の立場にたって寄り添う心が足りなかったからですよ」


プロなのだから・・・

お金を頂いている以上、プロなのだから、クレームにきちんと対応するのも仕事よ!もっと自分磨きをしなさい

感動体験で夢をもたせて、精神論でねじ伏せる。
よくある光景です。

この先によくあるのは
 「私こんなに嫌な思いまでして、やりたくない」
 「お店は全然分かってくれない」

そして、お店は
 「まぁまぁ、そう深く考えないで」
 「そうね、そのお客様おかしいわね。もう接客しなくていいわ。他のお客様頑張りましょう」

“感動体験があるから接客は素晴らしい!!”
をベースにすると、心の話になる。
心の話になると、心が強いか弱いかになる。

良くも悪くも、その時の感情で
・指名が取れるかどうか?
・仕事が長続きするかどうか?
結果が変わります。

最悪、常にブレブレでストレスだらけになる。

心で接客、心で仕事の大きな代償です。


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