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嘘日記を始めてみよう

34歳、日記を始めてみる

SNSの流行に伴い、短文や写真を用いた「短時間で表現できる」ツールが常識となっている令和の時代に、あえてブログをはじめてみることにした。

大学生のころはHTMLで自分の拙いイラストを乗せたホームページをFC2で開設してみたり(もちろんに忍者ツールのカウンターも設置した。自分が見た数しか増えなかったが)、mixi全盛期に恥ずかしいポエムを全体公開したりと、不特定多数に向けて自分の何かを表現したい気持ちはあった。

自分はエッセイを読むのが好きで、いろんな方のエッセイから感じるのは「世界の切り取り方の素敵さ」だった。自分も、味気ない日常をちょっと素敵に切り取ってみたい。そんな思いであえて文章を書いてみたくなった。

とはいってもブログネタがない

今まで読んできたエッセイは、芸能人の方々の生きざまを赤裸々に描いたものがほとんどで、単なる社会人の自分にそんな密度が濃い日常があるわけでもないと思い至った。でも何かを書いてみたい。自分の中にある創作意欲を満たしたい。そうだ、どうせ日記の真偽なんか自分しかわからないじゃないか。なら嘘を混ぜてもいいだろう。

ということで、嘘を混ぜた日記を書くことにした

とはいっても、目が覚めたら異世界に転生していた、というような内容ではそれは日記ではなく小説になってしまう。だから、ちょっとしたことを変えるぐらいに抑えておこうと思う。今日食べたアイスはガリガリ君だけどハーゲンダッツにしておこう。いつも履いているスニーカーはアディダスだけどナイキのエアマックスにしておこう。牛丼はすき屋で食べたけど吉野家にしておこう。
現実が味気ないから嘘をつくのではなく、こうだったらいいな、という想像をブログの中だけでも叶えたい。

始めるタイミングなんていつでもよかった。ただ、今日が今までと異なるのは飼っている犬に初めて手を嚙まれたからだ。何となく情けなくなって、今までやってこなかったことをやってみたくなった。新しいことを始めるのはいつだってワクワクする。その高ぶりに呼応するように、かまれた傷口が勇者の紋章に代わっていたことに、僕はまだ気付かなかった。

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