粕汁

ぼっち夕飯の今日、自分のためだけに粕汁を炊いた。

20代前半のころは考えもしなかった。

一人で自由に何を食べても良いときに、わざわざ粕汁を炊くなんて。

気持ちは確実に粕汁、でも若い頃を引きずっている私の脳が「本当に粕汁?こんなときぐらいからあげとかハンバーグとか食べんでええんか?」と問いかけてくる。

少し迷って、自分の気持ちに正直に粕汁を選んだ。

作っているときから鼻歌が止まらないくらい嬉しくて、出来上がった粕汁を食べているときはそれはそれは幸せだった。

幸せすぎて何杯もおかわりをして、お酒に弱い私は顔を真っ赤にしながら平らげた。

私もようやく大人と子供の真ん中あたりまで来たのかなと思った。

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