学生時代に作っていた雑誌が、社会人になった今でも一番好きな雑誌。
『BACKPACKER』
学生時代に両足どっぷり浸かって授業もそっちのけで、ひたすら思考と書くことに時間を費やしていた。執念に近い。おかげで毎年必修授業を落として、引退後の卒業間際に単位回収に勤しむ学生生活だった。
先日、後輩が開催していた『celca』というイベントに顔を出してきた。
スペイン語で「近い」を意味する“cerca”と、「自撮り」を意味する“セルカ”を掛け合わせ、色んな国の子供たちが子供たちの目線で自分自身に向き合ったり、その目線から見える世界を捉えたりしたものの記録を公開した内容だった。
内容はとても素晴らしかったし、コンテンツの練られ方もレイアウトもコンセプトに沿ったもので世界観が統一されていて、とても見応えがあった。
可愛らしい世界観の中で確かにすぐそこまで迫っている世の中の黒い部分も見え隠れしたし、その事実にどうかこの子供たちが気付きませんようにと、よく分からない何かに向ってつい祈ってしまった。
本題に戻ろう。
そのイベント会場で、以前書いていたフリーペーパー(という名の売れるんちゃうか?というクオリティの旅雑誌)『BACKPACKER』最新号を手に入れた。
なんというか、旅雑誌だからこそ迫力のある海外の自然を写したぶち抜き写真に加え、旅先でのエピソードではなくそこに佇む空気観や旅先で感じるなんとも言い難い孤独感がとてもリアルに、そして繊細に表現されていた。
シンプルに好きだった。
引退してからもちょくちょく読んではいたが、正直ここまでのものはなかった気がする。
最後のページの隅まで読んで、それでも物足りず、まだ読んでいないところはないかとページを今度は後ろから辿っていく。
好きな雑誌に出会えた時の感動と名残惜しさを、同じ雑誌で感じられる幸せに浸りまた両足でどっぷりだ。
旅先好き、雑誌好き、フリーペーパー好きな民には是非ともオススメしたい一冊。
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