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外資系で必要な唯一の力、”勘違い力”について

外資系から現職+30%のオファーをぶんどり、社内で高評価を得てぶち上がったボーナスとRSUで高級車とリゾートでの最高級のVacationを手に入れるために必要な唯一の力は何か。それは”勘違い力”である。

勘違い力とは何か

外資系企業における行動指針とも言えるマインドだが、英語だとかスキルだとかについて書かれた記事は多いのに、この力について書かれた記事はあまり見ない。理由は簡単で、中で闘っている人間にとっては当たり前すぎで言語化するまでもないし、外から見ている人間にはその特異さが分からないからだ。

このマインドを持てる人間はストレスレスにスルスル出世し、持てないものは無限とも思える時間残業したり悩んだりしながらも望まれる結果を出すことができずに苦しむ。たまに半年でPIP(Performance Improvement Program:業績改善プログラム)に送り込まれてしまう人がいるが、上司と折り合いが悪いかこの”勘違い力”を身に付けられなかったかのどちらかだ。

今日本で、最も効率的に稼ぐには同じ仕事を外資で見つけることである。そして、その外資系からオファーをもらい活躍し続けるために必要なこの力について今日は書く。勘違い力は大きく5つに分解される。

①周りの”YES, YOU CAN!"をそのまま受け取る力

まずこれだ。前提として、自分自身は自分の能力を正しく把握することがほぼ無理であると悟ることだ。これはマイナスに働くと、自信過剰で仕事のできない人間になるリスクもあるが、99%の日本人にとっては逆だ。できるはずなのにできないと思い込み、全力で当たれば解決できたはずの問題を見逃してしまうのだ。

昔会社に、Elaineという中華系の同僚がいた。

はっきりいって仕事に関しては質もスピードも常にぎりぎり及第点。しかし、常に前向きで自信に満ち満ちており、彼女のキャラクター自体が一目置かれていた。ある時、難度Sとも言える問題が起きた。その課題は、利益の大きさゆえに会社が長らく見て見ぬふりをしてきた問題のダークサイドとも言えるものであり、社内で敵を作らずに進めることは不可能で、誰にとっての気の進まないプロジェクトであった。

当時マネージャーだったElaineの二階級上のVPから、彼女をプロジェクトリーダーとしてこの問題に対応していくというメールが社内に送られたのは、問題が発覚してから3日後のことだった。

正直周りの評価としては、彼女にはその問題に対処する力はないし、途中で頓挫するだろうというものだった。しかし彼女は9ヶ月でやりぬき、プロジェクトの途中でシニア・マネージャーに昇進し、やり終えて産休から復職した時にはちょうど席が空いたディレクターのポジションに収まった。

多様性枠での昇進?とんでもない!これは彼女の実力だったのだ。

彼女は常に自分のポジティブな面だけを見ていた。それが故に、同僚から見るとマイナスとも言える点(例えば資料の作りが雑だとか、予算のサブミッションが遅いとか)は意図的に放置していた。そしてこのプロジェクトにアサインしたVPが彼女に伝えたのはただ一つ、”YES, YOU CAN!(君ならできる!)”というメッセージだった。

人間は追い込まれると強みをフルに活用して生き抜くしかなくなる。その時VPが二階級特進まで読んでアサインメントを決めたのかは分からないが、彼女の強みは1考える間に5くらい動いてしまう行動量と、失敗してもへこたれずにチームを正しい方向に鼓舞する力だった。それとこのプロジェクトの文脈がガッチリフィットした結果、スピード昇進となったのだ。

もし彼女が「君ならできる!」を信じなかったら?チャンスは与えられず、類なまれなる能力が日の目を見ることもなかっただろう。周りは君のことを見ているし、理解している。君が考えているよりも、ずっとだ

②「できる」前提で必要な要件を整理する力

据わった目で、「絶対にできる」はずなのだから、あとは「どうやってやるか」だけだ、と、10回唱えよう。そして思いついたことを全て書き出そう。その後は、書き出したことを全てやろう。

イカれてる?その通り。具体的な行動だけが、具体的な学びをもたらす。

③「できなかった」時に「こうすればできる」を整理する力

それでもできないことはある。そんな時どうするか。「前提・仮説が間違っていたから、今度はこうすればできる」と言いながら、据わった目でやるべきことを全て書き出すのだ。そして上から順に全てやりぬけ。

④向かい風で滑空する力

全てのことが向い風のように襲いかかってきている時、このことを思い出しなさい。飛行機は追い風では離陸できない。向い風だからこそ離陸できる。

When everything seems to be going against you, remember that the airplane takes off against the wind, not with it.

Henry Ford

これは自動車王ヘンリー・フォードの言葉だが、勘違い力とはまさにこれである。いや、正しい現実認識能力とも言える。

中途採用で入ってきたにも関わらず、7人抜きでAPACのヘッドにスピード出世をしたインド人Kaurは、上司のディレクターに呼ばれると喜んで個室に向かっていた。呼び出されるのは大抵シェアの落ちた週明けで、調子の良い時ではなかった。ある日なぜかと聞いたら彼は答えた。

「問題に直面している時こそ、上司とたくさん話すべきだ。彼らの知恵がもらえるし、問題を解くトレーニングに付き合ってもらえる。そして仮にうまくいったなら、それは僕の能力になり、そして評価になるからね。調子のいい時はこうはいかない。」

Kaur(仮名)

彼こそがビジネスにおける向かい風と離陸の意味を知っていた。

⑤真空を行動で埋める力

①、④のマインドを持ちながら、②、③でやっていることはつまり”目標と現実の間に真空を作り出し、そこを行動で埋める”という行為だ。これを高速で回転させる力、これこそが真空を行動で埋める力だ。

勘違い力とは生きる力のことである

ここまで書くと気づいたかもしれないが、これは少し前に言われていた「鈍感力」や「嫌われる技術」といった本で触れられていた概念に近い。もっと極端な表現をすると、躁病に近いマインドだ。しかし、このイカれた資本主義の世界とそういった極端なマインドは非常に相性がいい

一つ大事なことを書く。仕事での人格は、役割だということを決して忘れないでほしい。嘘の仮面を貼り付けたまま取れなくなってしまうという比喩で、自分自身であることの大切さを説く寓話があるが、弱みを360度出せなくなってしまった人間はとても弱い。なぜ分かるか?俺にもそういう時期があったからだ。

自分の弱さを吐き出す相手は別に人間でなくともいい。本、音楽、映画、あらゆる創作活動、料理でも構わない。できれば消費でなく作り出す行動が良い。消費だとしても想像力を大量に必要とするようなものがいいだろう。周りから求められる役割と自分の”勘違い力”が噛み合ってしまった時、それとは異なるパワーソースを自分の中に持ち、精神のバランスを保つためだ。

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