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とても暗くて憂鬱になる超短編小説⑥

頭がおかしくなって

頭がおかしくなって1日が経ちました
僕は変わらず学校へ通学しています。
まるでゾンビのように青白い顔で
日々のルーティンを繰り返している
自分自身が何か起こしそうで
少し恐いです

頭がおかしくなって
僕は僕を見下ろしている感覚です
下駄箱で上履きに履き替えている自分は
まるで自分じゃないかのよう
何も知らない隣にいた女子たちが
昨日のドラマの話で盛り上がっています

頭がおかしくなったのに
僕を心配してくれる人はいません
冷や汗をかきながら
自分を保とうと必死になっていますが
そろそろ限界のようです
母親に助けを求めましたが
恥ずかしいから
精神科に行くのはやめてと言われました
先生も僕なんかに眼中はなく
クラスで騒いでる不良が好きなようです

頭がおかしくなって
分かったことがあります。
誰も他人の苦しみなんて
わからないということです。
あの地獄は体験したものしか
わからないんだろうと分かりました

頭がおかしくなった日々を
ふと思い出すことがあります。
どんな辛いことがあっても
あの時に比べたら大したことないと
月並みの言葉ですが本当だなと
思うぐらいの余裕ができました

頭がおかしくなっていた自分に
言いたいことがあります。
少しの勇気を振り絞って
親や学校から逃げましょう
親はきっとあなたが思うほど
あなたのことをわかっていません
学校もきっと
あなたが1人いなくなっても
そこまで気にかけないでしょう。

頭がおかしくなった日々を
僕はきっと忘れないでしょう
今でもたまに悪夢で目が覚めて
しまい
怒りの炎がめらめらと燃えて
消えずにいるんです

だから浅はかな孤独や苦しみを描く作品を
見るととてもイライラ
してしまうんです。

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