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超短編小説「高田の場合18」一話完結

・高田は靴を履く時 靴の外側はトイレでおしっこした時に跳ねた雫がついてたら嫌だなと思い靴底は床に着いた誰かのおしっこが付着してるような気がしてできるだけ触れないように履くことにしていた

・高田は駅のトイレでおしっこをするとき荷物が多くても便器の上の荷物置き場に荷物を置くのを躊躇して荷物を片手持ちにして無理な態勢でおしっこをしていた

・高田は泳ぐのが好きだったがプールは色んな人間の体液や汚れが蔓延しているような気がして深く考えると躊躇してしまうので泳ぐときは深く考えないようにしていた

・高田は少し遅咲きの芸人が自伝を出した時 天才と自分を比べて色々落ち込んでる様が書かれてるのを見ると才能あって売れてるのに理想高すぎるだけやろと思っていた

・高田はTVで芸能人が絶賛した商品が売り切れになるというニュースを見るとどんだけ世の中の連中って単純なんだろうと思い見下していた

・高田は土日にマックのドライブスルーが混んでるのとジャスコが混んでるのを見ると田舎あるあるにしてはちょっとベタ過ぎるなと思っていた

・高田は花火大会の駐車場で 自分の家の駐車場を有料で貸して小銭稼いでるのを見るとせこいなと思っていた

・高田良い夢を見た時その夢がどんな意味を持つかネットで調べていた

・高田は地図を読むとき地図を動かさないと読めないタイプだった

・高田は方向音痴のくせにお店を出る時 真っ先に出て反対方向に歩いて行くので友人に注意されることがあった

・高田は場所を教えてもらうとき国道何号線とか言われてもまったくよくわかってなかった

・高田は履歴書で性格や長所を書く時 嘘を書きたくなくていつも困っていたが ある時 几帳面が自分に当てはまるんじゃないかと分かってから苦労しなくなった

・高田はストツーで豪鬼を使う奴をズルいと思っていた

・高田は指笛を鳴らして盛り上げる奴に密かに憧れていた

・高田はネットニュースでユーチューバーの話題が出るとコメント欄に
若いうちはいいけど年とって出来る商売じゃないから早めに見切りをつけたほうがいいみたいなことを書かれてるのを見ると、いや若いうちに稼いで豪遊しまくりたいからやってんだろと思っていた

・高田はユーチューブを見ていて 手取り10何万の派遣社員の日常とか借金何百万のアラサー女の生活などという自虐的な動画を見ると別にそこまで不幸じゃないだろと思っていた


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