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人生初のトレジャーファクトリーでYAMAHAの電子キーボードを購入した話

続き

ピアノを弾こうとかんがえたとき、実家にあるピアノで練習をするのは難しい、ということが頭の中でよぎっていた。

というのも、実家はピアノを弾く環境には適していないからだ。

子供の頃に買ってもらったアップライトピアノを改造したのは4年前。
近所からクレームが来てしまい、ヘッドフォンの装着を余儀なくされたのだ。

小さいころから自室に冷暖房はなく、
夏は体調が崩れるまで、冬は手や足が動かせなくなるまで、という時間制限があった。
もちろん今も変わらないその環境下にプラスして、コロナ禍から、自室が父の在宅部屋へと変わった。
物置…とまではいかないものの、
高音を奏でようとするならば、自分の洋服棚に手が当たるというカオスな環境になってしまい、実家で練習をするにはいささか難しい環境であることが重なっていった。

そもそも定時が遅い会社で働く自分にとって、実家に帰り実家から一人暮らしの家に帰る、という平日のワークは体に悪い。

仕方がない、買うか。

と、心に決めてオンラインショップで一人暮らしでも大丈夫な、持ち運びできるキーボードを探す。

88鍵盤のピアノで、しっかりと鍵盤が下りるタイプのもの、そしてペダルがついているもの、などと条件を絞っていくと、とてもじゃないが、自分の条件に見合うものなんてほとんどない。

改めて思う、「音楽はお金がかかる」

いとこのお姉ちゃんの影響で、始めたいと駄々をこねたピアノがこんなにも高いものだったなんて知ったのは大人になってからだ。

一時通っていた社会人ピアノ教室のレッスン料に引いた。
この金額を払ってくれていた両親にはやっぱり一生頭が上がらないだろう。

絶対音感もなければ、音痴でもある自分。
音楽と無縁の家庭で生まれた自分が小さいながら、音楽にまつわる仕事をしているのだから、やっぱり幸せなことなのだろう。

…と、とんだ話を戻すと、
とりあえず音楽は高い、ということに気が付いた。

そして、ネット通販をしても、定時が一般人と違う一人暮らしにはどう考えても宅配ロッカーに入れられない大きな荷物は受け取りが厳しいと考えた。

どうしよう。。。

家の近くで「電子ピアノ」が売っている場所をかたっぱしから検索する。
家電量販店、楽器屋、候補の店をかたっぱしから見ていく。
と、その中に一つ、不思議な文字面を見つけた。

トレジャーファクトリー

と、トレファク?
名前は知っていた。でもそれは家電量販店でも楽器屋でもない、リサイクルショップだ。

全く自分の中にない発想が突如としてスマホよりお知らせされた。
本当のところを言うと、リサイクル商品はあまり得意ではない。
できれば新品を所望していたところはあるけれど、
物は試し、何か掘り出し物があるかもしれないし!とポジティブな気持ちを抱えて、お店に入る。

・・・全然見つからない。

店の表には確かに「楽器もある」と書かれていた。でも画像はギターだった。
電子ピアノは、ないのだろうか…でも、Google先生はこの店に電子ピアノがあるって言ってんだ、信じないわけにはいかないだろうが。
と、幾分葛藤しながら店の中をずんずん進んでいく。進んで進んで、突き当り・・・

いたああああああああああ

思わず喜びを隠せなかった。真っ白なキミがそこにいたのだ。
文字盤には「YAMAHA」自分が長年弾いてきたアップライトと同じメーカー。
鍵盤数をパッと見てわかる才能なんてないので、鍵盤一つ一つを手で数え始める。
いち、に、さん、、、、はちじゅうはち!!!!

おおいにバカである。
でも、仕方ない、嬉しかったんだから。

そこから急いで、もう!これ!買います!!と店員さんに食い気味にレジカウンターまで運ぶ。
当たり前だが売り場は広い店内の奥の奥の奥。
途中で子供に遭遇する度に、「ごめんね~~」を繰り返しながら、やっとの思いでレジにたどり着く。

音の確認ですべての音を鳴らし、音が出ることに安堵する。
付属品のペダルがピアノと同じ性質のもので感動し、きちんとペダルが効くことを確認する。探し回ってよかった。

さあ、会計だ!!!とクレジットカードを出す。

ん??????もともと探していたピアノより高いのでは?????

本当は心のどこかでずっと気づいていた、値札は見えていた、見ていなかったんじゃない、あえて見ないふりしてたんだ。

ってかっこつけている場合じゃない。
一瞬カードを渡す手が震えたが、もうそんなことを言っている場合ではない。
いけっ!芸術は高いんだ!!とカードを突っ込み購入。

そうだ、YAMAHAのキーボードをネットで観ていたキーボードと同じくらいの値段で買えるなんて、トレファク最高じゃねーか!!!と自分を慰めながら。

マイカーまでの道のり。88鍵盤を抱えた両腕が妙に重く感じた。これがお金の重みよ、、
と心に誓い、一人暮らしの家に戻り改めてピアノを鳴らす。

そうだ、この感覚、感触だ…!!!!

喜びに満ち溢れながら、今まで弾いてこなかった分の指の重みに、
「おっおう…」とビビり散らかす。何せ3年ぶり?とかなのだ。そらそうだ。

でも久しぶりに音楽ができる喜びに変えられるものはない。
自分のために投資は気持ちいもんだ。よし頑張って弾く!そして待ってろよ!ベートーヴェン!と心に決めて今日も練習に励むことにする。


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