見出し画像

特定口座と源泉徴収(インフレとの関係)

上場株式等の取引のために証券会社等で特定口座を開設する場合、「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」を選ぶことができます。
口座を開設した後も、毎年変更することができます。ただし、その年の最初の譲渡の時までに届出をする必要があります。つまり、今なら変更できるわけです。
この記事は、2024年の大発会前の現時点(2024年1月2日)で、特定口座を持っている人に新たな観点を示すために書いています。

特定口座における源泉徴収の選択について短く言うと「通常は源泉徴収ありにしているほうが有利、ただし源泉徴収なしにすることも考えられる」ということと思います。
なお申告の手間とか、譲渡益が20万円以下の場合といったことついてはこの記事では説明しません。それらよりも重要な点があるのです。それは、譲渡益にかかる税金の納税時期です。

源泉徴収なしの場合、年間の譲渡益に係る所得税を、確定申告の期限までに納税する必要があります。
逆に言えば、申告期限までは納税しなくてよい。当たり前ですが、そう簡単ではありません。

怖いのは、株式投資がうまくいって譲渡益が積み上がり、従って納税額も増加しているのに、いざ納税しようと思ったら資金がないという事態です。納税資金の確保のために予定外の売却をするようなことは避けたいです。もっと怖いのは、いったん値上がりしてその後値下がりした場合です。相場の上昇局面で譲渡益と納税額を積み上げるまではよいのですが、その後の下降局面で資金を失ってしまい、納税資金がなくなるというのが最悪でしょう。数年前に仮想通貨関連で問題となったことがあります。

特定口座において源泉徴収ありとすれば、納税資金が足りなくなることだけはありません。譲渡益の発生の都度源泉徴収されているので、確実です。
それに対し、「源泉徴収されると、その資金の運用の機会損失が発生する、翌年3月15日までに納税すればよいのだから、それまで税金相当額も運用すればよい」と考えたら源泉徴収なしを選ぶことになります。

記事冒頭で「新たな観点」と書いたのは、上記とは別に、今後の日本のインフレがどうなるか、という観点です。
「賃金と物価の好循環」が実現するにせよ、過度の円安等による悪い物価上昇にせよ、インフレを見込むのであれば支払いは後のほうがよいです。金利負担なしで支払いを遅らせられるのならそのほうがよい。納税資金を運用に回すまではしなくとも、今月に譲渡益を計上したら、14か月支払いを遅らせることができることになるのです。

自分でも結論を出せていないのですが、参考になればと思い投稿します。保有する証券口座ごとに、これから考えます。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?