スイスのツークでテスラタクシーの経営を考える人の話
クリプトバレー
スイスのツークという街はブロックチェーン企業が集まるクリプトバレーとして知られる。だが今日は、この街の主要産業ではなく、周辺産業のお話。
大阪に知り合いがいるという、あるドイツ人のドライバーから聞いたお話をご紹介しよう。
ツークへの道
スイス国外からツークを目指すルートには、近隣国から国際列車を乗り継ぐ方法と、いずれかの国際空港から陸路で移動する方法等がある。ツークに至近の国際空港としてよく利用されるのはチューリッヒである。
チューリッヒは北部スイス地方の中心都市であって、ルツェルン湖地方の北に位置する。チューリッヒ空港からツークの市街地までは、距離にしておよそ45kmないし50km程の道のりである。
ツークタクシー
チューリッヒからツークまでタクシーで移動する。
配車アプリに表示された車両を地図を見ながら探していると、大柄のドライバーが日本車の窓越しに声をかけてきた。ナンバープレートがアプリの表示と一致する。
配車サービスで選べる車両は都市や時期によって異なる。この時期チューリッヒでは、一般車両、エコカー、ハイヤーの3種別から選べた。注文した車両はエコカーの分類であり、価格はハイヤーの半額程度である。
そのエコカーに乗り込む。
しゃべるタクシー
このタクシーは、よくしゃべるタクシーだった。
―――そう言って、すぐに走り出す。
―――そうだと答えると、うれしそうに話し出す。
―――と、愛車自慢が始まる。ここまではよくある。
―――だんだん具体的な事業計画の話になる。
―――それって、事業にして利益あるの?
―――低税率というのは本当らしい。
―――それで、ツークに土地はみつかった?
―――夕暮れの中を走っているうちに、車はツーク市内へ。
やがて目的地に着く。
―――そう言い残して、エコカーは去って行った。
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Photos by H.Okada in Zug