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マカオ地図の誤差を読む --- 海峡に浮かび上がる予測大橋


マカオと珠海の間には海峡が横たわり、マカオ半島の内港埠頭から越境航路として海を渡ることができる。マカオのコタイ島と中国の珠海の間には一本の橋が架かる。だが地図を見ると、既に何本もの橋が架かっている。

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珠海を臨む

マカオは南北11キロメートルほどの特別行政区である。北側のマカオ半島は大陸と地続きであり、南側の島部(タイパ・コタイ・コロアナ)との間は、南北に架かる3本の橋で結ばれる。

南側の島部は、タイパ島・コタイ埋立地・コロアナ島の3地区から成る。コタイ地区の埋め立てによってタイパ島とコロアナ島が地面でつながり、全体として一つの島となった。

タイパーコタイーコロアナ島の西側は、海峡をはさんで中国の珠海地方に面する。タイパ地区の南端付近には、対岸の珠海とをつなぐ蓮花大橋が架かっていて、タイパ地区のカジノに本土からの観光客を運ぶ。

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ポルトの街

コロアナ島の西海岸には、ポルトガル統治時代の町並みが残る。海沿いの街にはパステルカラーの建物が並ぶ。その景観はリスボンやポルトにも近い。

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国境の埠頭

ここには、Ponte Cais De Coloane(路環碼頭)があって、対岸の珠海を臨む。かつては渡し船があったと聞くが、現在は、海関の船が行き来するばかりである。埠頭のほとりには、海関の建物が佇む。

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地図のずれ

埠頭の位置を確認しようと、米国系の検索エンジンで「Ponte Cais De Coloane」の地図を開くと様子がおかしい。海峡の真ん中に陸地が浮かんでいて、大小さまざまな道路が海上で入り組んでいる。

道路は珠海からコロアナ島へと滑らかにつながっていて、至るところにバス停のマークもある。海上に浮かんだ陸地には飲食店や聖廟などのマークもあって、路地が入り組んで海を走る。

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地図が動く

半日ほど間をおいて地図を開き直してみると、がらりと地形が変わっていることもある。

これに似たような現象は、日本でも確認されている。


平行に移動

飲食店の住所を開けてみると、西側の半分はおよそ珠海の地図が右にずれたらしく、東側の半分はコロアナ島の地図が左にずれたようである。海上の陸地をそれぞれ左に右に平行移動すれば、元の地形に収まりそうである。

だが、それでは復元できない。珠海とコロアナ島をつなぐ道路が何本も引かれていて、実に滑らかなラインで両岸を結んでいる。地図上では両岸は不可分一体であって、引き離すことができない。

現実の地図を平行移動したというよりは、与えられた任意の点を滑らかにつなぐように、機械が考えて道路を引いたかのような完成度である。試しに、航空写真に切り替えると、海峡には陸地がないことが確認できる。

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百度の地図

これでは位置がわからないので、試しに百度の地図を開いてみる。すると、コロアナ島の見慣れた地形が表示され、西側に突き出した岬の突端に、路環碼頭(路环码头)のマークがある。

路环码头

地図上で「路环码头」を示す碇のマークを右クリックすると、全景視聴というコマンドが現れる。埠頭前の広場から見た360度の風景が、全方位カメラの画像で示される。

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ムツゴロウの海

このあたりの海は干潟であって、ムツゴロウがピョンピョン跳ねている。長靴を履いて泥の中へ降りていき、貝をとっている人の姿も見られる。

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対岸の珠海は夜になると眩いばかりのネオンが輝くが、マカオ側の海辺には自然が残る。海鳥は海峡の両岸を自由に飛び交う。

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未来の地図

珠海とコロアナ島がいくつもの橋で結ばれる地図は、近い将来の姿を言い当てるものかもしれない。そうなれば、海峡は建設ラッシュとなる。

だが、現実の海は穏やかである。干潟は夕陽を映し、泥を掘っていた人もバケツを持って陸に上がる。

何年か経った時に、機械の描いた未来の地図は、どれほど現実になっているのだろうか。

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