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はじめての文学フリマでのろわれる!?

 いつもは自転車で行くスーパーに徒歩でいった帰りに、まったく知らないお稲荷さんに出会いました。せっかくなのでおみくじを引いたら、大吉が出ました。この偶然にうれしくなって、小走りで帰った日曜日。

 その前日、土曜日初めて文学フリマに行きました。普段から「文学の可能性」とかをこのNOTEで書いているので、ぜひ実態を知りたいと思いました。

 結果、予想以上の盛況。約1万人くらいの来場があったようです。お昼から開始なので大変な人数だと思います。そして、出店者のブースの数がとても多くて、流通センターの広い会場の向こうの方までびっしり。私は半分も回れなかったです・・・。

 このイベントの最大の意味は、作者との会話を楽しめるということでしょう。私は事前に下調べもせずにフラっと行ったので、偶然の出会いを楽しんだのですが、多くの人は前もってSNSなどで下調べをして、お目当ての作家さんんのブースを訪問していたようです(確かに時間的な制約があるので)。

 多くの作家さんは作品を小冊子にして販売するという形でしたが、私は完璧なものよりも、個性的で創造的な作品が好きです。

 第一会場に入って、右回りに見るか、それとも左回りで見るか。これによって出会いの偶然性が変わってきます。私は身体が自然と左に揺れたので、左から回りました。

 いきなり、不思議な物体。

どこかに出かけたものの・・・(松本人玄さん作品)

 新聞紙を切り抜いて作った、ホルダーらしいです。このウラには。

どうやら整骨院かな。

 わざわざ整骨院に行ったけど、家の鍵を閉めたか不安になって急いで帰るおばさんの姿が目に浮かびます。とてもユニーク。新聞紙なので水に濡れたら…。実に楽しい。

 次も創造的な作品です。


単語帳?混じりっけなしの白、じつは…。(來瀬うかさん作品)

 ただの単語帳ではありません。何と「呪いのことば」の提案!
降りかかる理不尽に耐える毎日、「ささやかな呪い」を唱えてはどうですか、というもの。あくまでも「ささやか」にです。
 

よくあるかも。これって誰かの呪い?


地味にくやしい!プチ呪いだったのか…

 ちょこっと嫌なこと。「呪い」というと、藁人形に釘で打ちつけるという怖いイメージしかないです。以前、香港に居た時、「打小人」というのを見たことがあります。夫の愛人など呪いたい相手の顔を書いた紙を霊能力のあるおばさんがスリッパでバシバシと叩くというものです。「小人」とは禍をもたらす悪人のこと。繁華街の片隅(橋の下とか)に露店の雑誌売りのとなりで人が並んでいる景色が思い出されます。これは何やら本気で怖いです。

 でも「ささやかな」呪いは、どこまで本気なのかわからない程度です。しかも本人のストレス発散が目的であるかのようです。友だちと別れる際に、「じゃ、元気で」と言う代わりに、「また会えるように呪っておきますね」ということばを掛けた方が何となく、かわいらしい。コミュニケーションが枯渇している現代の潤滑油としての「呪い」かも知れません。

 これも「文学」なんだと思います。
日々の暮らしで、感じたこと、もやもやするものを自由なかたちで作り、それが読者の心に響き、発想をやさしく広げてくれます。

 作家さんとの楽しい会話に感謝です。できたら、次回はブースの向こう側で会話を楽しみたいです。

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