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若き日本が挑んだプロジェクト・銀の馬車道をたどる【兵庫県】

Cycling 2023.10.26
初心者向けライド

関西エリアを中心に、大地の成り立ちから人々の歴史まで、紐解きながらロードバイクでライドをしています!

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朝来市生野町

兵庫県のほぼ中央に位置し、周囲を山々に囲まれた海抜約300mの盆地状の町。但馬地方の南の玄関口に当たり、東は丹波、南は播磨地方と隣り合う。歴史的には但馬の中心都市豊岡市より姫路市との結びつきが強い。戦国時代から近代にかけて開かれていた日本有数の鉱山・生野銀山がある。


銀の馬車道とは

兵庫県中央部の播但地域。
そこに姫路・飾磨港から生野銀山へと南北一直線に貫く道があります。
「銀の馬車道」です。

▼コースマップ 銀の馬車道往復データを参考にしました。

明治9年に、3年の歳月を経て「日本初の高速産業道路 銀の馬車道」は完成しました。それは明治の幕開けとともに若き日本が挑んだ前人未到のプロジェクトでした。

その馬車道は、鉱山の採掘・製錬に必要な機械などの物資と、産出された金・銀・銅の鉱石を輸送する物流手段の確立を果たすものでした。

当時は馬車が盛んに行き交っていたそうです。

日本で初めて舗装という概念を持って作られた道でした。

より速く、より安全に、生野鉱山から姫路・飾磨津の間、約49kmを結ぶ夢の道路でした。

播磨・飾磨津(現姫路港)は、「銀の馬車道」の発着点です。

レンガ建物のモニュメント

ここ飾磨津周辺には、明治期よりレンガ建物が建設され、馬車道のたたずまいが長く受け継がれてきました。発着点の象徴としてレンガ建物の一部をモニュメントとして保存しています。

北前船寄港地のひとつだった飾磨津

船が着いて、客や荷下ろししたのではないかという雰囲気が漂う飾磨津。

現存する銀の馬車道

ライドは福崎町、市川町、JR播但沿いの風情ある町並みや田園を経て、神河町を通過します。

神河町の新野の水車

神河町には、土道のままの「銀の馬車道」が現存しています。

ロードバイクで走ってみましたが、ガタガタでした。バランスをとるのが難しく、パンクするのではないかとヒヤヒヤ。

兵庫県神河町にある「現存する銀の馬車道」

若き日本が挑んだ前人未到のプロジェクト

かつてない大プロジェクトは、日本人だけで成し遂げるにはあまりにも大きすぎるプロジェクトでした!

そこでフランス人鉱山師と技師とともに馬車道の整備に入りました。工法は荒石、小石、玉砂利を順番に敷き詰めるヨーロッパの土木技術・マカダム式工法。当時は画期的な工法でした。

マカダム式工法とは、道路路盤を粒ぞろいのマカダム骨材をかみ合わせて築造。路盤の一層の仕上げ厚にやや等しい粒径の主骨材を一様に敷きならして転圧後、この上に目つぶし骨材を散布し、主骨材の間に圧入して路盤を仕上げる工法。

コトバンク

日本で最初の舗装路である銀の馬車道は、明治の幕開けとともに若き日本が挑んだ前人未到のプロジェクトでした。

生野銀山

生野銀山までの道のりには、緩やかな峠があります。

馬が一定の速度で無理なく走れるように設計され、極端な高低差を避けた緩勾配の道路となっているので、ロードバイク初心者におすすめのルートです。

史跡 生野銀山を見学
超スーパー地下アイドルにも会えます
かつて労働者が食べていたレシピを復刻

生野銀山敷地内にある生野ハヤシライスを食べて、走ってきた銀の馬車道を折り返します。

Activity

ロードバイク
走行距離 110.08km/獲得標高 627m 
姫路・飾磨津から生野銀山まで往復するライド

▼グーグルマップ


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