小説 園 あとがき

こちらのあとがきは創作大賞2024へ応募するために書いた小説園のあとがきとして書かれたものです。

私はちょうどこの創作大賞2024の募集が公式から発表された時期に、鬱状態にありました。多くの人間との別れが重なる中で、孤独を感じるとともに、変わることのない自分と生活。何をしていても、楽しくない日々を過ごしていました。その日々の中で、小さなひまわりの種を植えました。きっかけは自分でも分かりません。何かが変わればいいなと希望を込めて種を植えました。
そのタイミングで創作大賞の募集を目にしました。もともと小説を書くつもりは有り、文芸誌に送るのが夢でしたが、テーマがnoteっぽくなかったので、創作大賞に寄せた小説を新たに書き下ろしました。
この園という本作はエッセイの延長線上のようなものでもあり、私小説的なものでもあり、フィクションでもあります。主人公の大野は私そのものに近いです。そして、植物と向き合う中で、大野はどうなっていくのかという物語は私そのものの現在進行形の物語でした。不安や恐怖を前にして希望というものにかけたのは、私が希望を捨てきれないからです。
物語の終わりとして、真辺さんの死を選ぶことも考えましたが、私は真辺さんを生かすことで、大野の恐怖と希望を描きました。そして真辺さんが言うように死や別れは自然の摂理です。受け入れる他ありません。それが人間の強さであり、その悲しみに自ら意味を持たすことができるのが人間の美しさです。

向日葵が咲くのを楽しみにしています。
本作を読んで頂きありがとうございました。

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