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40年後の自分も楽しく生きられますように




見学主旨

私はどういう歳の取り方をしていきたいのか?
諦めたくない、年齢関係なく、泥臭く、
その時やりたいことをやり続けたい!

近頃、仕事、というより自分の在り方、を考えているひばりです。
店云々は置いといて、今回は社会見学のお話。


サービス付き高齢者向け住宅を覗きたい!

歳とるのって早いよね。
40年後、わたしゃ82歳よ!

あれよあれよで、もう更年期?!な、お年頃。
両親はまだ元気だけれど、ばあちゃんはリアルに介護が必要になってきた。

ひばり珈琲に来る重鎮ばあちゃん達も、然り。

聞きたくない話、出てくる出てくる・・・

独居の人は、
一人でも家で最後を迎えたい、と、筋力の衰えを心配し
取り憑かれたように散歩しまくり

同居の人は、
若いもんの辛辣な言葉に傷つく、と。
台所入っただけで怒られる、
まぁ、自分も姑さんに言うてきた言葉なんやけどね、とぼそり。

一人減り、
二人減り、
残ったばあちゃんズで、明日は我が身とぼやいている。
デイサービスに通うようになった爺様は、折り紙なんて折りたくない、とぼやく。

ホームに入れられる、というのが現代の姥捨山的なワードになっているようだ。
もっとも、入れるお金があるだけマシ、と言う人もいるが。

今のとこ、私は娘と二人、
まだ、介護される側、する側、どちらの当事者の苦労も
体験として知らない。

だけど、そういう話を聞くと心が曇る。

ばあちゃんを思い浮かべる。

おむつを変えてもらい、
学校の送り迎えをしてもらい、
お年玉をもらい、
おやつやご飯を作ってもらい、
誕生日にはぼた餅作ってもらい、
泣いたら抱っこしてもらい、
弟妹の手前、甘えたくなるとばあちゃんちに寝泊まりさせてもらい。

20歳になるまで、貰ってばかり。

うちのばあちゃんだけじゃない、
今生きているじいちゃんばあちゃん、
もれなく必死に生きてきた。

きっと誰かに何かし続けてきたのに。

合言葉みたいに、
トイレに行けなくなったら、老人ホームへ。
ひどくない?!って思うんよ。

その一方、
介護で追い詰められる家族の話も聞く。

「ここにくるの(ひばり珈琲)2年ぶりです。
 ずっと、来たかった」

ああ、懐かしい顔の方がいらっしゃった。
「どうしてはったんですか?お久しぶりですね〜」

声をかけると、
「母を看取ったので、ようやく自分の時間が持てました。」
「こうやって喫茶店に入って珈琲を飲むことができるなんて」

そう話してくれた方は65歳超えていた。。
少し疲れ、少しホッとした表情で。

そんなふうに、高齢者を抱えた家族が、家族の誰かが疲弊していくのも
違うと思う。

どうしたらええんや。
もどかしくってもどかしくって
年明けから一人、ハムスターがコロコロの輪っかで走ってるみたいに
ずっと心が進まない輪っかを走りまくってる。

40年後、
いや、何が起きるかわからんから、
事故で病気で半身不随とかなった時、

「身体動かんから仕方ない」
なんて思いたくない。

迷惑かけるから仕方ない
生きていたって仕方ない
それぞれの生活があるから仕方ない
自分の思い通りの死に方をできなくても仕方ない

そんなんちっとも!仕方なくない!

高齢者だけじゃなく何か不自由さを抱えた人を
あるいは自分を、

街から、家から、家族から、世間から
見えんようにしたらあかんって。

むしろみんなが見えるとこに混じって
暮らすことはできないか?



そう信じたくて、
ヒントが欲しくて、
選択肢を増やしたくて、
希望を見出したくて、

チビと二人で初めてのガチで真面目な社会見学。


見学場所ははっぴーの家

最寄駅から、電車で30分。

新長田駅から徒歩10分。
『はっぴーの家ろっけん』。
意外とつけられないよ、この名前。
はっぴーって。


はっぴーの家ろっけんってどんなとこ?


あえてカテゴライズすると
サービス付き高齢者向け住宅 になるらしい。

が、代表の方はあえて、シェアハウスという言葉を好むという。
今回はその呼び方で。
『他世代型介護付きシェアハウス』

ちなみにのっけからなんやけど、
この文章読んでも、はっぴーの家のこと理解はできない。
一度尋ねただけでは、説明できません。
まだまだわからんことだらけやし3年くらいどっぷり暮らしてみたら
少しわかるかなぁ、いや、無理か、、、という奥の深さと複雑さ。

でも、ここの凄さ、尊さを少しでも伝えたくって
まだまだ書きますよ。


めっさ下町、商店街の角っこに佇むブルーベースの緑色の建物。
ここがはっぴーの家。

伸びをするように、むっさラフに出迎えてくれたのは、
ハッピーの家、PR担当の前田彰さん。

自販機に観葉植物にソファになんやらどこかわからんエントランス

遅れてすみません!(私)(思いっきり遅刻・・・)
挨拶もそこそこに、
なんかフランクな接し方の前田さんに、和む。

この日のために、小学校を母の独断で休まされたちび。
そら学校の勉強より現実の社会、見る機会が大事やで。

ビビリのちび、初めての環境は苦手。
若干緊張気味やったが、前田さん見て、この人は大丈夫、と
すぐにセンサー解除した様子。
そう、ずっと店の子でいるから備わった『セコム』力がすごい。

早速中に入らせていただく。

『老人ホーム』という場所は、河内音頭の慰問公演で、何箇所か行ったことがある。
どこも似ている、
トイレの匂いや消毒剤の匂い、調理室から漂うごはんの匂い、
それがなんとも言えん入り混じって、停滞した空気の重さを感じる雰囲気。
病院の待合室のような、どんよりした感じ。

ここはもちろん、老人ホーム、ではないけど、どうなんやろ?

少し警戒して足を踏み入れる。



あれ?

あの、施設特有の匂い、しない。
マスク率、低い。(かけてる方もかけてない方ももちろんいた)
どうやら自由意志のようだ。

一眼見て、リビングの広さに驚いた。
そして全てに突っ込みたくなる色々な、もの。

まずは、トイレ。
取手に五円玉がかけてあるんよ。
なんだこれ?!願掛けか?

凝視していると
通りかかったおばさまが(しゃべりはせんが)
身振りで教えてくれた。

五円玉をロックの淵に入れ回してロック解除。
中に入ったら五円玉を中に移動(使用中の合図?)

ジェスチャー全開でチビに説明している。
チビも納得。

なんか不思議なトイレやな、おもろいなこれ、
漏れそうな時は頑張らなあかんな。
トイレ一つでテンションが上がる。

便座に座る。
タイルに貼ってある、紙に釘付け。
施設立ち上げ前のヒアリングシート。
トイレに貼るには情報量多くないか。貴重やがな。
読み込んでまうがな。

この一枚に落とし込んだとこがすごい。結構色々な希望入ってるで〜達成率今んとこ98%だって!

出てくると先程のおばさまがまだ気にかけてくれていて
また五円玉で鍵するんだよ、と丁寧なレクチャー。
そして頷くチビ。
二人の間、もう、連携取れとる。

いきなり気にかけてもろて、なんか新鮮。助けてもろた。

奥のソファで朝寝するばーちゃん、かわいい
介護士さん、という感じの人、いない。ちなみに左奥は事務室。すごい環境で事務してはる
派手に飾られた花より壁の写真が派手!

印象的なのはお昼寝するばあちゃんズ。
個室がお一人お一人に与えられているのに、わざわざこの広間で
みんなにみられながらお昼寝・・・気持ちよさそう。
こんにちは〜っていうたら、全く違和感なく、こんにちは、って
挨拶を返してくださる。
ほんま、ここの人たちは、人が来るのに慣れてるんやなぁ。

一階のリビング、特等席やろ。電動ベッドやし。見渡せるし。
ここで一日寝てても飽きんが目がチカチカするぜ。ハイカラな折り紙。


建物の上から順番に各フロアを見学させてもらう。

昭和、アメリカ、ヨーロッパ、各フロアのテーマも壁紙もツッコミどころ満載すぎてあえて省略。

ほぼ各階にティールームよろしく集えるスペースが設けてある。
そのティールームは、畳んだ卓球台があったり、
葬儀会場になったり、スタッフの休憩の場になったり大活躍しているようだ。
この日は、ミーティングしているおせっかい不動産の方が三名。
真剣そうなんだけど、どこかおかしみが。

入居している爺様の写真展開催中。写真のクオリティ高すぎてゆっくり見たかった。
この人の過去の写真全て見てみたい、そしてうちでも個展してくれへんかなぁ・・・


一階に戻って、その場にいたおばあちゃん達と世間話。
コロナの予防接種有料やで、たっかいなぁ。
高すぎてもうええわ、私。
高くても怖いやん、そんなもん受けるやろ!

バチバチ意見の食い違うばーちゃんズ。
見守るちび。
おもろ。

普通にうちの喫茶店で交わされる会話と同じやん。

なんなんだこの活気は。
ここ、どこやねん。
そういや、正月に帰ったばかりの実家に似ている。

みんな集まる台所兼リビングと一緒。
子供がゲームしたり、母が料理作ってたり、待ちきれん孫がご飯食べてたり、宿題してたり、寝てたり。
色々バラバラに自由に過ごす。

ただ、決定的に違うのは、
ここにいる人たち、家族、ではない。血は繋がっていない。
せやけど、他人であることが、全く、問題ではない。

他人やから追い詰めすぎずお互いにやれることがある。

理解されて当然、世話されて当然、世話して当然、そういうんがない。
多少お金で成り立つ部分はあるんやろうけど、
うまいこと(もちろん中で働けば色々あるやろうが)空間が、
コミュニティが成立している。

現代、もう家族単位で考えて動いて、完結できることなんて少ない。
各家族ばっかやん、そういう私もシングルマザーやし。

そうなりゃ、みんな、寄り集まって、心地よい距離感模索しながら
子育ても、自分探しも、思春期も、介護も、看取りも、
一緒になって
波を乗り越えていくしかないんちゃう?

そんなふうに思えた。

コインランドリーでもなかなか置いてないハイクラス高性能洗濯機

はっぴーの家は
高齢者の人が暮らす施設、以外の顔が多い。
むしろそれは、この場所の多数の顔の一部であるよう。

学校へ行けなくなった子のフリースクールであり、
不動産業の事務所であり、
地元の人の憩いの場であり、
子育て世帯の駆け込み寺的な存在。

現に、入り口にある全自動洗濯乾燥機、これ、本気のやつやん!
次はコインランドリーかいな?!
(ほんまに街の人に向けてあえて、外向きに置かれている。近所の人が使える洗濯機)

って、圧倒されてたらあっと言う間に1時間半。貴重な時間をずっとアテンドくださった前田さんありがとう!

そろそろご飯タイムっぽいからお邪魔しよか、と
お暇すると、外に出た途端、ちびが怒った。

「もっと居たかった!一緒にご飯食べてもうちょっと遊びたかった!」

まじか。
私も居心地良かったけれど、意外と人見知りで繊細なちびが
まさかそんなに気に入っていたとは。

すまんかった。今度はもっと時間作って、なんかおやつも持参して
お邪魔させてもらおうや。クライミングジムも近くにあるらしいで。
そっちも伺ってみよや。

なんか知らんけどちびに謝り、新長田を後にする。

母は情報過多で、正直整理したかった。頭を。

選択肢がたくさん提示され、
私たちが選んで行動すれば、
こんなふうに、いや、もちろん一例ではあるけれど、
どんなふうにでも未来のじーちゃんばーちゃんは明るく生きていけるんちゃうか。

その思いを忘れないうちに文字にしたかった。

見学を終えて(いや、何回でもお邪魔するつもりやけど)

明るく歳とってくぜ。
歳とることに挑んでいこう、そう思った。
アンチエイジング、ちゃうで。
楽しいばーちゃんになってやろうって。
この先歩けなくなったり病気になったりしても
その状況でいかに楽しく生きられるか
足掻き続けられるばーちゃんになろう。
そのために今、どうしていったらええんか。

今は、喫茶店やけど、
ひばりなりに考えて、
周り巻き込みまくってやっていきたい。

ひばりの野望はまた、今度。


読んでくださって、ありがとうございます。
はっぴーの家、推し活は(勝手に)続けます。


頂いたサポートは、ひばり珈琲のお客様やこのページを読んで下さるみなさんの幸せが、増強できるように使います。たまにうちのちびと温泉にいく費用にも使います。(行った際はこのページで紹介します)