映画「リリーのすべて」を観た話。

映画「リリーのすべて」を観た。(原題:The Danish Girl)
叶姉妹がポッドキャストの「ファビュラスワールド」でぽろっと「いいわよね」、とお話されていたのを、Amazon primeで見かけて思い出したのである。

舞台は性同一性障害(今は性別不合というそうですね)という言葉すら、精神科医にも広く知られていなかった1920年代のデンマーク。画家夫妻が主人公なのだが、夫役はハリーポッター・ファンタビのニュートを演じられているEddie Redmayneさん、妻役はこれまたとっても綺麗なAlicia Vikanderさんで、とにかくお二人が美しいのである。眼福だわ…と見入っているうちに、夫氏が妻の描く絵のモデルになるため女装をする。このお姿もまた綺麗で眼福なのだけど、これをキッカケに、お話の風向きが変わってくるのだ。

あまりネタバレになるとイヤなので、観てみたい人はここで戻って、気が向いた時に観てみてね。

ファンタビは好きではなくて、ニュートの演技もわざとらしくないかと思っていたのだが、この映画のEddieさん、とにかく凄くて(もちろん妻役のAliciaさんも!)、久しぶりに映画に没入してしまった。
(最近、家で映画を見るときは、途中でスマホを触りたくなってしまうことが多いのだけれど、久しぶりにそういった気持ちにならない映画だった。)

実話を元にしているとはいえ、フィクションなので、作り話の部分もあるとは思う。が、当時の時代にトランスジェンダーを「病気とは違う」と理解し、相手の理解者であろうとし続ける妻氏…女神様。夫が悪い訳ではないから、余計にやるせなくて切ない。二人が望む関係が一致しなくなって尚、お互いの存在がお互いの支えになっている様が、一層尊く感じる。
どちらにも感情移入できる構成になっているから、「LGBTQの人の話」ではなくて、「自分と自分の大切な人の話」に置き換えて映画のお話を体験している自分がいた。LGBTQであることの混乱がどんな感じであるのか、少しでも新しい視点で考えるきっかけにもなった。

映画は、綺麗すぎるんじゃないかというぐらい「美しい愛」感がでているので、ちょっとズルいのではないかとも思うけれども、
夫婦のときの二人の愛も、そうでなくなってからの二人の愛も、とても美しいので、心が浄化される。

そもそもLGBTQなんて言葉を、わざわざ使わなくてもいい社会になればいいのだけれど。それはそれとして、夫のことをもっと理解して、大切にしたいなぁと、思った映画でした。

※見出しの画像は映画『リリーのすべて』公式Twitter(https://twitter.com/lili_movie/status/701708030560186368)より

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