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依存から抜け出したい人へ

ここで対象にしているのは不幸な生い立ち(家庭内暴力、いじめ、事件に巻き込まれるなど)は特になかったものの何かに依存してしまう人です。書いていることが全ての人に当てはまるわけではないことに留意してください。

さて依存してしまう理由について結論から言いましょう。

あなたは何者でもない自分から逃げたがっています。これが結論。お酒やパチンコは、その逃げるための「手段」です。心は空白・空虚に耐えられず、常に出口を探しています。

想像ですがイチローはこの先もずっとお酒などに依存することはありません。それはイチローがお金を持っていて贅沢したり仲間と遊んだりすることができるからじゃない。きっとお金がなくてもイチローはお酒に依存しない。それは彼に野球があるからです。

ここからがポイントですがあなたはイチローにはなれない。それは能力の問題ではない。イチローがイチローなのは、生まれつきの嗜好、彼の両親の関わり、育んだ地域、たまたま周囲にいた友人や知人、そうしたものから徐々に「野球」が人生の命題になったからなのです。語弊を恐れず言えば、彼は野球人であることが運命付けられていました。だから絶対に他の人にはイチローは務まらない。それを他人は羨ましがっているのです。

話を戻すと、あなたは何者でもない。ちまたでは聞こえの良い無責任な言葉に溢れています。諦めなければ夢は叶う、運命は変えられる、君は才能に溢れた人だから自分を大切に。間違ってはいないが、それらの言葉は後段の部分を大きく端折っています。あなたは才能には溢れているが、きっと一生それに気付くことはなく死んでいく。何者にもなれない可能性が高い。前述したとおり人が何かを成し得ようと思えば生い立ちによる外部刺激が圧倒的に重要なのです。

依存症を助長する要因のひとつはそこにあります。メディアは成功した人をパッケージ化して綺麗に見せる。そうかと思えば、何かをきっかけに貶める。成功と失敗は際立って表現されあなたは「成功したい」「落ちぶれたくない」と不安ばかりかきたてられる。最近はSNSもそれを助長する。多くのフォロワーを持つ人は輝いて見える。有名YouTuberは人生のあらゆる面において成功しているように見える。友人がインスタにアップする写真は充実した日々を演出する。あなたは日々触れる情報に焦りを感じ、平穏に何事もなく過ぎていく自分の退屈な日常を正視できなくなる。あるいはお金を稼いでいる人も中にはいるが問題の本質は同じです。不安に現実的に立ち向かった結果、経済的に成功を手にした人でも、買い物中毒だったり女に走ったりする人を何人も見てきました。

ではどうすればよいか。あなたは(私も含め)無名なまま終わる凡人だということを自覚するんです。ここで「自分がクズなのは分かっているよ」とか「私はハナから凡人ですよ」などと言って逃げてはいけない。自尊心が一切なく享楽的な人間であれば事情は別ですが(そこまでいくと人生観の問題)こんなページを見に来ている時点であなたは憧れと現実のギャップの中でもがいていると思う。

どう行動すればよいかという内容に入りましょう。前項までの内容を読んで拍子抜けしているかもしれないけど恐らく真因はそういうことなのです。ここまで読んだあなたも、そろそろお酒やギャンブルの恐怖は薄れてきているころではないですか。激しい後悔は気づくと薄れ、これからご飯を食べて眠って起きたら頭はリセットされる。また忙しいかもしれないが空白・空虚な日常が始まり、1日が終わるころ、今度はそろそろとあの気持ちが頭をもたげてくる。「打ちたい」「飲みたい」という強くはないがねっとりまとわりついてぬぐえないあの気持ちが。断言するがあなたは明日かそうでなくても持って1週間で今日と同じ後悔をしているでしょう。あの気持ちは空白・空虚が形を変えたものだから実体がなく、心のカーテンをしても隙間から忍び込んで気付けば心を埋め尽くすのです。

そこであなたは今この瞬間から「酒を飲まない人」「ギャンブルをしない人」にならなければならなりません。そして明日、まずは1日、空白・空虚な日常を逃げずに生ききった自分を誇るんです。もっと言えば、空白・空虚のままで生きていられる修験者、出家者、修道士になるのです。あなたは確かにイチローにはなれないかもしれない。しかし、イチローにもできない空白・空虚に耐えられる人になるのです。これは他人から分かりやすく評価されるものではない。けれど我々が歩むのはそういう道なのです。

ただそれだけ、耐えた自分を誇るだけの自分だとこんなに辛いことはない。しかしこのやり方に救いがある(のではないかと予測している)のは、そうして空白・空虚に耐えたら耐えただけ、時間と十分な体力が戻ってくる。そうしたら、その身体と時間を使って、自分の才能や、興味に気づくチャンスが出てくると思う。

ここまできてやっと、あなたに伝えられる。「あなたは何者でなくてもいいんだよ。空白・空虚がなんだってんだ。お金や趣味がなくても、それでいいんだよ。誰が評価しなくても少なくとも私は、これを読んでいるあなたを応援している」いきなりこれを伝えても、真意がつらわらないと思いここまで引っ張りました。

さて最後です。これから不定期ですがツイッターに呟いていきます。空虚な日々を、何がなくとも生きていけるように、傷を舐めあいましょう。そしていつかあなたが、本当の自分の生きがいに気付くことがあるなら還俗して、そっとこのコミュニティを離れていきますよう。













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