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育児の寄り添いパートナー「育児経験で子育てしながら働く」/産後ドゥーラ 佐藤ゆう


「今日は、予定通りに過ごせた」産後、計画通りに進んだ1日ってありますか?子どもを産む前は自分一人。結婚しても自分と相手の生活。「スケジュール」という概念は通用しましたが、産後はどうでしょう?

予定が読めない毎日が付き物の子育て。今日紹介するのは、そんな中「子育てをしながら働く」を体現しているもめんちゃんです。今回は産後ドゥーラの仕事をインタビューしました。子育て経験を活かせる喜びのほか、子育てしながら働く上で大変なことにも迫ってみました。

◆もめんちゃんとの出会い

もめんちゃんとは「ダンス保育園」の企画で出会いました。もめんちゃんの印象は、優しい雰囲気の中にも個性が光る、魅力的な存在。その後もお付き合いいただき、もめんちゃんの澄んだ心と、活動に惹かれインタビューをお願いしました。

◆もめんちゃんプロフィール

佐藤ゆう_料理2

佐藤木綿(サトウ ユウ…1979年4月20日生まれ/東京都出身)
ニックネーム:「もめんちゃん」
大学で精神保健福祉士の資格をとる
大学卒業後、精神保健福祉士として相談・生活支援
2015年 長男出産
2018年 産後ドゥーラとしての活動をスタート
精神保健福祉士の仕事から産後ドゥーラのお仕事へ切り替え
現在は20代後半から始めたダンス分野の仕事「ダンス保育園」と産後ドゥーラの2軸で活動中

自分のできることで「お母さん」を助けたい

佐藤ゆう_おかず

ーー産後ドゥーラとはどういった仕事ですか?

出産はしたものの、産後どうしていいかわからない。退院していざ家でどうやって過ごそう。近隣に頼れる人がいない。ママの産後をサポートをする仕事が産後ドゥーラです。

私は一般社団法人ドゥーラ協会に所属しています。協会には「おっぱい以外の子育てはみんなに手伝ってもらおう」といったスローガンがあって、お掃除や洗濯を始め、ゴミ出しから上のお子さんの送り迎えまで。家族全員のご飯を作ることもあります。


▶︎産後ドゥーラ



ーーもめんちゃんにはどんなことを頼む人が多いですか?

私の場合は、料理を頼まれることが多いです。おうちに伺い冷蔵庫を開けて、あるものでできるだけ多くの作り置きを作ります。2時間で、多いときは10品作っています。
各家庭のリクエストに答えながら、産後のお母さんの体に負担の少ない料理を心がけています。

▶︎「佐藤ゆう」(もめんちゃん)のインスタ



ーーもめんちゃんみたいな子育て経験のある人の目線でサポートしてもらえるのは本当にありがたいと思います。産後ドゥーラになろうと思ったきっかけは何ですか?

私自身は病院で出産しています。産後ケアで中野区の松が丘助産院に併設された鍼灸院に通っていました。松が丘助産院の院長が『一般社団法人ドゥーラ協会』の産後ドゥーラの理事長・宗祥子さんでした。そこで産後ドゥーラの存在を知ったことと、知り合ったお母さんから一緒に産後ドゥーラの資格を取らない?と声をかけられたことがきっかけです。

私の産後は、ワンオペではあったのですが、両実家がともに都内だったこともあり、楽しい時間を子どもと過ごせていました。当時、産後うつや虐待のニュースを耳にすると、こんなに苦しい思いをしている人がいるのか!と思い「私が何かできないか」と正義感に燃えていましたね。


一緒に成長を共有できる「寄り添いパートナー」

佐藤ゆう_試食

ーー産後ドゥーラのお仕事のやりがいは何ですか?

赤ちゃんの成長を一緒に共有できるところですかね。赤ちゃんの成長は著しいです。寝返りをしたことや一歩歩いたことを一緒に喜べるのは本当に嬉しいことです。

また、一つひとつのことに一生懸命に向き合い、一喜一憂するお母さんの様子に寄り添えるのも魅力です。お母さんの存在はみんな愛らしいなと思っています。子育ては毎日がドキドキ、ハラハラ。子育ては、会社勤めでは経験できない感情の起伏の中で成り立っている気がします。フレッシュな感情に包まれたお母さんたちの様子を垣間見ることができ、私だけがこんなお母さんの一面を見られたのかも?「うふふ」と心の中で喜んでいます(笑)


ーー産後ドゥーラのお仕事では、様々な家庭にお邪魔すると思います。各家庭に足を運ぶ上で意識していることはありますか?

何か教えたり上からアドバイスするのではなく、相手に寄り添うことを意識しています。一人ひとりの価値観や各家庭の価値観は大事にしたいので確認しながら作業を行います。どういうことをやって欲しいのか細かく聞いてサポートする内容を考えています。何も考えられない人はこちらから提案して動くこともありますが、基本的にはお母さんの気持ちに寄り添いたいなと思っています。

自分の育児もアップデート「反省します」

佐藤ゆう_てあそび

ーー産後ドゥーラの仕事は、伺った家庭でも家事をして、帰って来てからまた自分の家庭でも家事をすると思います。「ダブル家事」は大変ではないのでしょうか?

料理に関していうと、実は産後ドゥーラのような常備菜は家では作りません。私や夫は同じものを繰り返して食べるのは得意ではないです。6歳の子どもも食べるものが限られてるから、産後のママが食べるようなものは食べないです。家で作らないものを産後ドゥーラで伺った家庭で作ることができるから楽しいです。

自分の家では、子供が保育園から帰ってきてから作るので、ご飯を炊いて、その間に肉や野菜を炒めたものと味噌汁を作ります。基本的には味噌汁になんでも入れて食べればいいと思っています。

サポート先で沢山お料理をして家の献立を考えるのが面倒なときは、その日各家庭で作ったものから今日の献立を選ぶこともあります。


ーーもめんちゃん自身も6歳のお子さんを育てていると思います。いろんなお母さんや子どもたちに触れると自分の子育てに何か影響はありますか?

いろいろと反省します……(笑)子どもが大きくなるにつれて自分の子育てってどうなんだろう…と振り返る機会は増えました。イヤイヤ期や反抗期を経て子どもへの扱いが雑になっているなと感じます。赤ちゃんを世話するお母さんたちの一生懸命な様子や優しい関わり方を見ると、家に帰って自分も優しくしようと初心にかえる事ができます。

また、お母さんたちの子どもに対する接し方をみて勉強になることも多いです。いろいろな価値観に触れられるので、こういう価値観もあるんだと視野が広がります。

コロナ禍で在宅勤務のパパさんがいるご家庭に足を運ぶことも増えました。時間共有アプリを取り入れ、順番にお世話をするご家庭もあり、私自身の育児についても見直すきっかけになっています。



育児のハードルを下げる「お母さんだけの負担にしたくない」

佐藤ゆう_料理

ーーさまざまな家庭をみて、育児に関して思うことはありますか?

「誰も正解を教えてくれない」とぽつりと話してくれたお母さんがいました。「育児には正解ない」「お母さんの感覚を信じていい」そう言われるものの、最終的なジャッジはお母さんに委ねられがちです。


社会が変わりパートナーの育児参加も進みましたが、まだ女性の負担は大きいと思います。私自身も当初は自分で全部やらなくてはいけないと思っていました。今のご時世、親戚が少なく、そもそも赤ちゃんを身近にみることもないまま、親になる人も多いと思います。人に家のことを手伝ってもらうことは贅沢と思う人もいるかもしれません。ただ私は、使えるサービスは使った方がいいと思っています。


育児以外の活躍の道がある女性は育児しながらその道でも活躍できればいいと思います。少しでも産後ドゥーラの仕事を通してお母さんをサポートすることで、多くのお母さんが自分の力を活かせる社会になっていけばいいなと思っています。


ーー今後どういうふうにお母さんや育児をする人に関わっていきたいですか?

自分の子供が大きくなるとどうしても育児の現役感は薄れてきます。0〜1歳半の乳幼児を育てていた頃と小中学生の子どもを育てるお母さんの関心は変わってくるのは当然だと思っています。共感だけでなくしっかり一人一人に寄り添えるサポートができるようになりたいです。

日本の育児もこれからはお母さんだけのものでなく、パートナーや家族がより育児に参加していく時代になると思います。
女性だけでなく、あらゆる人が育児に携わるハードルが下げられるような応援ができればと考えています。

ーー子育てしながら働くのはバランスが難しいと思います。子育てをしながら働く上で大変変なことはありますか?また、働き方を考えるお母さんへメッセージがあればお願いします。

息子も6歳で、突然体調を崩すこともあります。個人で仕事をしていると、自分で仕事を受けたり、スケジュール調整をするのは大変です。

ただ、産後ドゥーラは、お客さんの家庭と働く時間を直接決められるので、小さいお子さんを育てているお母さんにとっても働きやすい部分はとても魅力的です。また、自分の「育児」の経験が活かせるのも嬉しいです。

どんなお母さんでも、子育てと働く時間のバランスについて悩む時期は必ずくると思います。自分自身が納得のいく折り合いのつくところを探しながら仕事を始めたり、続けられたらいいと思います。

編集後記

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私自身も専業主婦歴が6年あり、働かない自分にどこか劣等感を感じていたこともあります。この生産性が見えない毎日は何かの役に立つのか?育児経験も履歴書にかけたらいいのに……。モヤモヤする日もありました。子育ての経験が活きる。「育児」「家事」でほか家庭を助けられるのは本当に素敵なことだと思います。

育児以外の活躍の道がある女性は育児しながらその道でも活躍できればいいと思います。


もめんちゃんのこの言葉にはとても共感しました。女性はみんな育児や家事が得意かというとそうとも限らないと思います。育児や家事の中でも洗濯は得意。料理は苦手。得意不得意分野があって当然ではないでしょうか?

得意なこと、自分のできることを人の役に立つことに繋げているもめんちゃん。まずは、自分の家庭とのバランスのつくものからスタートしてみるのもいいですね。

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産後持病悪化の経験から専業主婦7年。現在未経験からのライターをはじめ、在宅×複業フリーランスとして活動中💨ママだからって諦めない!をモットーにママの可能性を広げていきたい思いで発信&奮闘しています✍️ママを応援したい方一緒に、エイエイオー💪💕