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アルモンデごはん 春に芽吹く

4月。新たなスタートの月。元旦よりも節目って強く感じるのは、私だけじゃないはず。学生から会社員になり、フリーランスになった今でもその感覚は変わりません。植物も人も芽吹き始める4月が大好き。理由なくワクワクして新しいことを始めたくなっちゃう。「ピンときたらひとまずやってみる」が信条だと思っていたけれど、「気付いたらやってた」が的確なのかも。好奇心と瞬発力が取り柄ですから。どんどん芽吹いてこう。


4月始まりのごはん


<4月1日>

芽キャベツは焦がしてこそ

旧友が遊びにきたので、お昼ご飯の用意。好き嫌いはないのに、すこぶる偏った食生活をしている彼女。何を作ろうか…と考える時間が好きです。この日褒められたのは、焼き芽キャベツとモッツァレラのマリネでした。芽キャベツを初めて食べたらしい。美味しい初対面になってよかった!初対面はこの先の好き嫌いを決める大事な瞬間だからね。
先月父親を天に見送った彼女から、お父さんの話をたくさん聞きました。時に笑いながら、時に泣きながら。昨年お会いした時は元気だったのにな。年齢に関係なく、人の命の終わりがいつかなんて誰にもわからない。星も数ほどいる人たちの中で、知り合えたこと、共に笑い合えたことは大切なご縁ですね。会いたい人には会いにいこう。好きだよってどんどん伝えよう。



<4月2日> 

冬の名残を味わう

先日友人の畑で収穫した、野菜たち。スティックブロッコリー、芽キャベツ、白菜の菜の花、のらぼう菜。手でもぎとったときの、あの柔らかさをそのまま味わいたくて、さっと茹でていただきました。青々とした緑の野菜こその風味が、身体中に広がります。冬の名残と春の走り、季節が交差するこの瞬間だけに感じられる味。刹那的なのにどっしりとした存在感。季節に争わず、季節の波に乗って生きる植物の逞しさと柔軟さは、私も憧れです。こうありたい。


<4月3日> 

給食アゲイン

ポークビーンズ。職場で大量に余ってしまったので、いただいてきました。保育園の給食室は、この春から栄養士さんが変わり、メニューの雰囲気も変わり、生徒も先生も増えて、まだまだてんやわんや。必要な栄養素は同じなはずだけど、栄養士さんによって選ぶ食材や味付けがこんなに変わるなんてびっくりです。なんだか人間味があっていいな。今回の方は、ブロッコリーと大豆が好きみたい。味は出汁で旨味をしっかりつけたいみたい。料理は人そのもの。メニュー表をとして対話しているようで楽しいんです。
我が家でも定番の大豆のトマト煮込みですが、いつもはポークがいないのでで、家で食べるポークビーンズはなんだか新鮮でした。大豆と豚肉はとっても相性がいいんだな。豚汁の組み合わせだもんね。



<4月4日> 

黄色くたっていいじゃん

いつも野菜をお願いしている農家さんも、端境期真っ只中。先日の野菜セットには大量のブロッコリーが入っていました。畑の整理をしたのかな?小ぶりとはいえ、ブロッコリー8個はなかなかの量。ちょっとサボっていたら蕾が黄色く色づき始めてしまいました。ごめんねと謝りながらよくみると…、あれ?黄色いブロッコリーって可愛いね。この瞬間を留めたくて、花が咲く寸前のブロッコリーをぜーんぶ茹でました。茹でたてをサムジャンで和えたらすごく美味しくて、手のひらサイズの1株をまるっと完食!茹で豚と合わせてみたけれど、このお皿の主役はブロッコリーなのです。


<4月5日> 

クタクタブロッコリー

昨日茹でておいた、黄色い蕾のブロッコリー。緑を生かす必要はないのだからと、クタクタに煮込んだスパイススープをつくりました。組み合わせたのはチャナダルというひよこ豆の半割です。私の大好物。皮を剥いて半割りにしてあるから、下茹で要らずですぐに使える優れもの。豆だから満足感もたっぷりです。
かなり昔にイタリア料理の師匠から、イタリア人は色より味を優先するんだよと聞いたことがあります。その例にあげられたのがブロッコリーでした。緑色に仕上げるために固く茹でるより、色が飛んでもしっかり火を入れ旨味を引き出す方が重要なのだそう。それを聞いて以来、ブロッコリーや葉物野菜をクタクタに仕上げて味わうことが多くなりました。料理にも日常生活にも、どれだけの思い込みが潜んでいるんだろう。思い込みが私という人を形成するからこそ、壊すたびに新たな自分と出会えるのが楽しい。破壊と想像。いつだって破壊が先なんだよね。ガネーシャみたいに生きよう。



<4月6日> 

ゆるゆるな朝ごはん

久しぶりにパンから始まる朝でした。小麦耐性が弱くて、食べると身体が重く眠くなってしまう体質。仕事の前に食べることは滅多にありません。でもこの日は無性に食べた口なってしまったんです。平飼い卵とミニトマトのスクランブルエッグをたっぷりのせたトースト。そうそう、これが食べたかった!私にとってトマトは春の味。この赤を食べるとなんだか元気になる。口で感じる味だけじゃなく、目に見える色も丸ごと食べてるんだなぁって感じる瞬間です。。色はエネルギーそのもの。赤も黄色も元気そのもの。眠気に負けるな!(移動の電車でウトウトしたことは内緒)


<4月7日>

自分のお弁当が好き

自分でつくるお弁当の良さは、好きなものだけが詰まってるところ。ちょっとずつ残っていたものを使い切るチャンスでもあります。お弁当作る前日は、冷蔵庫や台所のストックを確認しながら「これとあれを組み合わせて〇〇を作ろう」とシュミレーションするのが楽しみ。こういう時にアルモンデ筋が育ってるのかも。当日の朝に準備するから、作るのはささっとできるものばかりです。
朝。ご飯を火にかけたら(我が家は土鍋炊き)、顔を洗って歯を磨いて、菜の花を茹でます。残ったお湯で卵を茹で始めたら、しめじとキムチを炒めて、菜の花とザーサイを和えて、おかずはOK。ご飯が炊けたら蒸らしている間に化粧をして、お弁当箱に詰めて完成です。粗熱をとっている間に髪もセット完了。蓋を閉めて行ってきます。
ほんの30分ほどの出来事。それでも朝から自分に手をかけた満足感は、その日1日の活力になります。お弁当があるから頑張れちゃう。ごはんを作るって自分を生かすってことと同義なのかもしれません。自分の手で自分を生かす。当たり前ですごいこと。今の私が明日の私を生かしているなんて…、私すごいぞ。



月イチ開催しているアルモンデ料理教室は、レシピのない料理教室です。
4月のテーマは茹で魚。魚は好きだけど魚料理は難しそう。健康のために魚をもっと食べたいけれど手間がかかることはできない。そんな方におすすめのクラスです。その名の通り、いろんな魚を茹でます!魚の調理は茹でるだけ。美味しい茹で方のコツや、臭み消しの方法をお伝えします。私がお勧めする食べ方は、魚自体に味付けするのではなく、付け合わせで味を添えること。同じ魚でも付け合わせを変えると、無限に違う味わいを楽しむことができるんです。
気軽に手に入るお魚と、旬の野菜や美味しい調味料を用意してお待ちしています。その日その場にアルモンデ、茹で魚を楽しんでみませんか?
ご自宅でもすぐにつくれるものばかりですよ。



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