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アルモンデごはん 桜吹雪の行方を追って

春をこんなにも待ち焦がれるようになったのは、この地に越して最初の春にみたあの風景が忘れられないから。土手沿いの桜が遊歩道に覆いかぶさるようにどこまでも続いていて、それはそれは美しかったのです。今年もその景色を楽しみにしていたのですが…。春の嵐に翻弄されてずぶ濡れのお花見に。桜吹雪を身体中に纏い帰宅するという、記憶に残る春となりました。



<4月8日>

お口でお花見

オリンピックの時だけ、ワールドカップの時だけ。世間が盛り上がる期間だけのにわかファンになりがち。そんな私は、桜の開花宣言が出る頃から、にわか桜ファンになります。もちろん台所にもその余波が。短く儚い桜の季節です。食卓でも花を愛でたい。五感を総動員して桜を愛でたいのです。
桜の塩漬けと菜の花のおむすびは、春の我が家の定番メニュー。この日は白菜の菜の花でした。冬の主役も、今はとう立ちして新たな命を芽吹き始めていいます。続く命のリレー。まだまだ幼い菜の花を口にするたびに、私たちもその中に生きて生かされていることに気づきます。なんだかとても心強い。



<4月9日> 

春の味

休日。近所に角上魚類ができたのが嬉しくて、本日もオープンと同時に入店。今月のレシピのない料理教室のテーマは「魚」ということもあって、休みのたびに買い物に来ています。この日は大きな生わかめを購入したので、帰宅後すぐに調理開始。海藻はなんでも好きですが、春に旬を迎えるわかめは格別に好き!冷蔵庫にお豆腐と半分残った新玉ねぎがあったので、さっと煮立てて春の湯豆腐にしました。柔らかくて香りの良いワカメ、甘ぁい新玉ねぎ、それらの味をたっぷり吸い込んだお豆腐。この組み合わせはこの時期だけのもの。期間限定って言葉にめっぽう弱い。


<4月10日> 

謎めいた麺

昨日のわかめと新玉ねぎの組み合わせが気に入ってしまい、飽きずに今日も。焼きそばを作ろうといざ台所に立ったら、炒めるより蒸したい気分になって予定変更!これがアルモンデごはんのいいところ。変更は自由自在なのです。
新玉ねぎ→蒸し中華麺→生わかめと蒸篭に入れて、蒸すこと10分。全てをコチュジャンと醤油で混ぜ合わせて出来上がり。見た目はちょっと…ですが、味は抜群です。蒸してホワホワになった麺と柔らか甘々な新玉ねぎ、フワッと磯の香りがするワカメも良いなー。久しぶりに蒸しそばを作りましたが、今の季節にぴったりな味わいでした。



<4月11日> 

茹で魚からの展開

今月のクラスに向けて試行錯誤の日々。レシピのない料理教室なのに、何の試作?と思われるかもしれません。レシピがないからこそ、みんながどんな冒険に挑もうと受け止められるように鍛錬が必要なんです。この日は今月のテーマである「茹で魚」が余った際の活用法がお題。定番はパスタだけど、どんな風に調理すると手軽に楽しめるのかなーと実験実験です。魚+野菜+パスタの組み合わせは、栄養バランスも良いし一皿で完結するから、お疲れの日のご飯にピッタリ。茹でた塩サバと水菜の組み合わせ。パスタを茹でる時間を除けば、調理時間はわずか3分。さっとできて満足度も高い一品となりました。茹で魚ってすごい。


<4月12日> 

先生であり生徒であり

VEGAN検定の講師をするようになって数年が経ち、関わってきた生徒さんも増えてきました。この日は印象深い生徒さんと再会の日。久しぶりに会った彼女は出会った頃とは印象がガラッと変わって、キリッとスマートな雰囲気に。ゆっくりと食事を楽しみながら(お酒も)、近況報告をしていくうちにその理由がわかりました。うーん、格好いい!私は先生、彼女は生徒として出会いましたが、人生経験も仕事の面でも彼女は大先輩。このタイミングで再会できたのは私にとって幸運でした。また近々会おうねと約束してバイバイできたのも嬉しい。彼女の大切にしているモノコトの中に、私がこれからやるべきこと、やりたいことがたくさん散りばめられていました。次に会うまでの宿題です。



<4月13日> 

キャベツだけサンド

パンを忘れがち。パンを食べる習慣がないからか、冷凍庫に入れた瞬間、その存在をすっかり忘れてしまいます。そんな忘れさられていた食パンで作った、キャベツだけサンド。こよなく愛する千切りキャベツをたっぷり食べるために作ったサンドイッチです。キャベツの味付けは味噌とレモンと蜂蜜。和風なのか洋風なのかわからない組み合わせが、想像以上に美味しいんです。キャベツと味噌って相性いいもんね。回鍋肉とか。一つの素材を中心にしてそれと相性の良い食材や調味料を考えるの、大好きです。


<4月14日>

外葉の良いところ

スーパーのキャベツ売り場で外葉が詰め込まれたゴミ箱を見るたびに、「いらないなら持ち帰っていいですかー!?」と心の中で叫んでいます。もちろんあの量を食べ切ることはできないから言わないけど。みんなが嫌がる外葉の硬さは長所だと思っています。しっかり火を入れてもシャキシャキ感が消えないって素晴らしい。
爽やかな春の夜明けに、細切りにしたキャベツの外葉を切干大根と合わせてスパイススープを作りました。この日使ったスパイスはマスタードシードとカレー粉。切干大根のもどし汁とキャベツの優しい旨味をスパイスが引き締めてくれるので、背筋がスッと伸びるような清々しい味になるんです。立ち上る湯気が部屋中に広がっていくのって、いいな。スープに朝焼けが反射してしまうことすら嬉しい、早起きした朝でした。


月イチ開催しているアルモンデ料理教室は、レシピのない料理教室です。
4月のテーマは茹で魚。魚は好きだけど魚料理は苦手。もっと気軽に魚を食べられたらいいのに。そんな風に思ったことはありませんか?「湯で魚」の名前の通り、魚は茹でるだけ。魚自体には基本的に味付けをしません。じゃあ味付けはどうするの?というと、付け合わせる野菜などにしっかり味をつけて一緒に食べるんです。付け合わせを変えるだけで、無限に味わいが変わるから同じ魚が続いても食べ飽きません。
気軽に手に入るお魚と、旬の野菜や美味しい調味料を用意してお待ちしています。その日その場にアルモンデ、茹で魚を楽しんでみませんか?
ご自宅でもすぐにつくれるものばかりですよ。





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