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造るぞ「石巻産ワイン」 石巻・千台ファーム 閉校施設に醸造所整備

 石巻産ワインの醸造を目指す㈱千台ファーム(吉田丈一社長)=石巻市渡波=は8―9日、同市鮎川浜黒崎の畑でワイン用ブドウの植樹を行った。農業関係者や市民ら約120人が集まり、1.8ヘクタールに計1200本の苗木を植えた。収穫は5年後で、同ファームは今春閉校した荻浜中学校か東浜小学校を使って醸造所を作る考え。早ければ7年後に「石巻産ワイン」のブランドが誕生するという。

 同ファームは「千人の夢の土台(千台)」をキャッチコピーに令和3年5月に設立。農業や水産業の新しい雇用を生む取り組みを進めている。鮎川浜の畑は新規就農などを進める一般社団法人石巻ファームが仲介。川崎町のワイナリー「ファットリア・アル・フィオーレ」(目黒浩敬代表)も協力し、千台ファームは山形県でブドウを栽培、川崎町で醸造を行ってきた。令和3年で約1200本、昨年は約8千本出荷され、主に関東圏で販売されている。

 昨年は鮎川浜の畑で試験栽培し、順調に成長するかを検証。今回の植樹は石巻産ワインの第一歩となり、植樹に先立って開いた式で吉田社長は「しっかり文化を根付かせ、次の世代につないでいける仕組みを作っていきたい」とあいさつ。来賓の齋藤正美市長も「皆さんの熱い思いが、新しい特産品を生む原動力になる。石巻産ワインの完成を楽しみにしたい」と激励した。

親子で参加し、植樹を楽しんだ

 テープカットが行われた後、参加者は約1.8ヘクタールの畑に「シャルドネ」「ピノ・ノワール」など4種類の苗木を植えた。昼には炊き込みご飯や豚汁が振る舞われたほか、作業終了後には、参加者全員にボトルワインがプレゼントされた。

 仙台市泉区の大谷志穂美さん(35)は「農地に入って植樹作業するのは初めてで、とてもいい経験。植えた木から作られるワインが楽しみ」、長男の櫂士君(7)も「土の中から虫が出てきたりして楽しかった」と笑顔で農作業にいそしんだ。

 千台ファームによると、牡鹿半島はワインの産地として世界的に知られる地中海のシチリア島とほぼ同緯度にある。海から吹く風で気温差が少なく、湿気もたまりにくいのでワイン用ブドウの栽培には向くという。【渡邊裕紀】





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