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creative notes #1

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2015年7月の記事一覧

不鮮明な輪郭を

不鮮明な輪郭を

なにかを言語化することはたのしい。

よのなかの流れ、ひとびとの動き、局地的に起こりはじめたたしかな波。これらおのおのにピシッとあてはまることばが発明されると、その「なにものか」は一気に市民権を獲得していく。

たとえば、日焼けした10代の女の子がけばけばしい化粧をして、髪を明るく染めて、短いスカートで闊歩している。この段階では「なんだあの子たちは」「最近ああいう子が増えたね」だったりするのだけど

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レジェンドたちのことば

レジェンドたちのことば

去年、読売新聞に掲載されたプロレスラー・藤波辰爾さんのインタビューで、おもしろい話がありました。日本では「プロレスの神様」と呼ばれ、藤波さんの師匠筋でもあるカール・ゴッチさんのことばです。

ゴッチから繰り返し言われたことは、レスラーはとにかく「コンディションが第一」だということです。どんなに実力があっても、コンディションが悪ければ勝てない。コンディションの次が、「相手の動きを読み、次に出すだろう

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乗るなら書くな、書くなら乗るな

乗るなら書くな、書くなら乗るな

原稿を書いているとき、「ノリに乗る」という感覚に襲われることがあります。なんちゃらホルモンみたいなのドバドバーッとが分泌され、時間が経つのも忘れて、ぐいぐい筆が進んでいく時間。

人それぞれではあるのでしょうが、ぼくはこの状態におちいった自分をとても危険だと思っていて、できるだけブレーキをかけながら書くことが多いです。というのも、ノリに支配されてるときの自分って、身体が、心が、ひたすら先に行きたが

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