見出し画像

マーガレットを買った話

学校帰り、どうしても花が欲しくなった.

ガーデニングや植物には疎かった.
きちんと世話をできる気もしなくって.
そんなわたしが、その日はどうしてか、
花が欲しくなったのだ.

家の近くのお花屋さんに立ち寄り、
マーガレットを選んだ.

先のふりふりした白い花びらに、
おひさまを垂らしたみたい.

走りたくなる気持ちを堪えつつ、
大切に抱きかかえて帰った.

それからは、わたしの毎日が、いっそう楽しくなった.

朝起きるとまず、水を換える.
外出後もまず、
マーガレットにあいさつをする.

顔を合わせるたび、
「かわいいね〜!」なんて声をかける.

「"かわいい"と言われたら女の子は可愛くなる」
なんて聴くけれど、わたしのマーガレットはもう、
すっかり綺麗に咲いている.


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?