クラシカルな様式美を重厚に重ね轟音の中を泳ぐ絶唱。
ヴィジュアル系。

耳当たりが良く幻想を軽やかに編み言葉が粒として聴き取れる歌唱。
アニソンアーティスト。

日常に溢れる事象を切り取り紡がれる情景が落とし込まれた斉唱。
J-pop。

地下であることもいとわず信者を集い演出するSHOW。
活動フィールドはアイドル。

そんなハイブリッドが、今の私の一番の推しである。

シンフォニックメタル×アニソンボイス

矢島舞依、って知ってますでしょうか？
今誰を推していますか？と訊かれれば、彼女の名前を挙げています。

というのも、かなり雑多な音楽の聴き方をしているので
それぞれのジャンルで気に入る要素が乱立しているんですよ。

V系なら見た目の装飾と幻想的な激しいサウンドだったり、
アニソンだったらキメが多くてシンフォニックな編曲だったり、
声優ソングだったらかわいいorかっこいい声質だったり、
J-POPだったら共感できる身近な歌詞だったり、
アイドルだったら単純にその見た目だったり。

矢島舞依は、そのすべてが私の嗜好の論理和なのです。

シンフォニックメタルと瑞々しい声。

題字に示している「摩天楼オペラを歌う水樹奈々」、
これが私の彼女の印象です。
ちなみに超褒め言葉ですよ！

どっちも知ってないと意味のない敬称ですが。

そんでこんなパワフルに歌い上げているのに
本人は至って内気というギャップ。

今でこそ普通っぽい喋りですが
初期DVDオフショットでの所在の無さがかわいいです。

うん、どういう経緯でメタルに傾倒する機会があったのさ。
むしろV系から入って
メタルっぽいサウンドが好きになった可能性すらあります。

矢島舞依のヴィジュアル系的魅力

まぁメタルディーヴァと他称されているので、基本的にはメタルです。
あとヴァンパイアと自称しているので中二病です。
血とかよく垂れてます。

が、メタルにありがちな
剣を持ってモンスターを倒しに行くぜ！的な歌詞はまったくなく
比喩が多いので読み解く必要がありますが、
せいぜい嫌なことがあったら十字架に祈るくらいです。

そこにあるのは魔法に頼る幻想ではなく
幻想に憧れる少女の現実なのです。

かといって嬢メタルのような生易しい表現でもない。
彼女の出自にも関わってくるのでそんなに深くは語りません。

まぁけっこう心臓を贄に捧げがちですが、
死ぬほど愛してるーなんて表現は邦楽でも使われるんで
許容範囲内でしょう。うん、許容して？

表現が違うだけで歌ってる内容はB'zと大差ないですよ。
『Love Phantom』が好きだったら是非聴いてみて。

あと、女性が描く詩にしてはそんなにラブくない。
捉えようによっては恋愛にも見えるんですが
割と身の周りの人に抱く感情を表していると、
インタビューを読んでみれば解ります。

つまり、ダークなサウンドに反して
半分くらいは必ずしも暗い歌詞というわけではないのです。

歌詞がやたらと現実的。
この辺りが、摩天楼オペラとの親和性を強く感じるんですよね。

そして盤石な演奏陣。
彼女を嬢メタルのカテゴリに入れる人が少ないのは
こういうところが所以だと思います。

ゴッリゴリのシンフォニックメタル。
これがまた往年のジャパメタではなかなか見られない、
それこそV系のほうに訴求する要素なのです。

摩天楼オペラとは実際彼らからの招待で対バンもしています。
もう俺得でしかない。

サウンド的には一番Moi dix Moiに近いのかな。Versaillesよりも。

矢島舞依のアニソン的魅力

アニソンなら、例えばバトルアニメなら
身近な歌詞をファンタジーに変換する歌詞も自然というものです。

ALI PROJECTや妖精帝國、等
それ自体をコンセプトとして長く活躍するユニットも存在しています。

矢島舞依にアニソンタイアップは今の所存在しませんが
例えばアニソンDJの中にしれっと混ぜても違和感ないはず。

いっそM@Dとか作ってみたら一気にバズりそうな気もしています。
ほら、かつて静止画マッドが流行った時期に
その界隈の人はNightWishにハマった、みたいな現象。起きないかなぁ。

そして歌声。
昨今のメタル女王は、嬢メタルも併せて
アニソンっぽい歌い方する人が多いです。

ロックシンガーとして相川七瀬も引き合いに出したいんですが
ツヤがある声+激しいサウンド　ってのがトレンドだと思うのですよ。
（※艶、ではなく、ツヤ。張りのある声と言いたい）

彼女もそれに当てはまっていて、
中でも特に声優っぽい歌い方だと感じています。

そして水樹奈々からの影響を隠してません。
アニメ大好きらしいですよ。
なんならメイクも似せてると思うくらい。濃いけど。

実際水樹奈々を好きなメタラーも多く散見されます。
彼女にメタルサウンドを求めるくらいなら矢島舞依を聴いた方が早いですよ
と強くおすすめしたい。

だって水樹奈々は多分、メタル好きじゃないですし。笑
それを求めるのは酷ってものでしょう。

逆に喜多村英梨の音楽が好きというのであれば
世界観と価値観を共有してるので是非。

矢島舞依はアイドル？

否。メタル女王です。

……なんですが

実は、その、つい3年前まで、恥ずかしながら
矢島舞美と間違えていたんですよねぇ……

すげぇ、アイドルしながらメタル歌うんだ！？と感心していたのですよ。
だって初期はちょっとアイドルっぽい曲も歌ってたんですもの。

そしてこの辺り、シングル3枚とミニアルバム一枚を
South To North Recordsからリリースしています。

つまり、彼女ビーイングなんですよ。

びっくりでしょ。

地下アイドルの現場でも、規模こそ大きめではありますが
結構出演しているのです。

圧倒的存在感でしたけどね。

そんな活動範囲なせいで矢島舞美と間違えて聴いて
気がつけばメタルに傾倒してしまう。
そんな人が出てもおかしくはない

……いや、ないか。

なんで日本人ってメタル聴かないのん？

作曲者は有名人？

では、そんな琴線ぶち抜く楽曲を誰が作っているかと言うと、
なんと弱冠9歳にして1.5万人フォロワーを擁する天才小学生

……のお父さんの、三宅英明です。

今調べてみたらこんなツイート見つけてびっくりしてましたよ。
若いってレベルじゃねぇ！

他にはParty Rocketsの曲を担当していたりします。
……結局アイドルじゃないか。不思議な経歴です。

完全に余談でした。

Afterword

というわけで、
昨日自分で「好きなアーティストを語ると1万字使っちゃう」
と呟いたので、逆に使わないように挑戦してみました。

いやぁ……削った削った。
特に彼女に関しては身の上話にも関わる要素があるので
その部分は極力カットしました。
そのうちニゼロで明かします。

そんな彼女は2年に渡るミニアルバム3部作の集大成であるワンマンライブを
昨日終えたばかり。

次に発表する音源はどのようなモチーフで来るのか、
めちゃくちゃ楽しみです！