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「知られざるヴィジュアル系バンドの世界」、V系を聴かない人にもわかりやすく説明しよう【レビュー】

もしも君がヴィジュアル系を好きだというのであれば
この本は是非読んでほしい一冊だ。

君の好きなバンドの名前は出てこないかもしれない。
なぜならこの本で取り上げられているのは
著者が青春時代だったアーティストが中心なため
40代半ばでないとそこは被らないだろうから。

だが、そこで読む気力を失わないでほしい。
君が好きなメンバーが憧れた人たちの築いた軌跡がここには記されている。
君が好きなメンバーへ託された奇跡が、ここには示されているのだ

このご時世、アイドルよろしく
数秒でもアーティストに直接話しかけられる機会があるだろう。
チェキのときとか配信のチャット欄、SNSのツイートとか!

そのときに、「貴方が好きだった音楽ってBUCK-TICKですかね?」
なんて声をかけられたら、君はそのメンバーにとって理解ある人に変わる

まっとうなバンドマンは、例えモテたいから始めたバンド活動であろうと
自分の音楽のルーツに理解ある人のことが大好きだ。間違いない。
元芸能マネージャーだった私が保証する

声援を上げるより、最前を管理するより遥かに
君はアピールできることになるのだ。

そのための指南書を、みすみす見過ごす手はない。
さぁ、この漆黒の偽典をいま、開くのだ――


この本で得られるもの

とはいえ、だいぶ著者の独断が強いので、だいぶ偏りはありますけどね。笑
本人も仰ってますが、あくまで私感的なものにしたいとのことで
ここに書かれているものが正解なわけでも、
それを主張したいわけでもないようです。

一応、帯には名前が出てきたバンド名が書かれているのですが

1995年以降のバンドに関しては
最後ディスクレビュー的なものが数ページあるだけで
9割90年代中盤までの出来事しか書かれておりません。
この辺は若干プロモーション詐欺です。
2000年以降ともなるとバンド名がちらっと出てくるかどうか。

私の好きなバンド名はほとんど出てきませんでしたし、
その見解はむっちゃ強引やんけ、と思ってしまう書き方もありましたが
それでも私はこの本を読むのが楽しくてしょうがありませんでした

そしてなんなら、私のような
"別にヴィジュアル系だけが好きなわけじゃない"ひとにも届けたいなと
思ってます。

その理由を大きく5つの題目に分けて述べてみましょう。

①結局ヴィジュアル系ってなんなのさ

手始めに「なんとこの本にはビーイングのことも書かれてるんですよ」
なんて言ったら、
きっと興味を持ってくれそうな人が最低7人は思いつきます。笑
え、ヴィジュアル系とビーイングになんの関係が!?!?
うふふ、なんだろうねー?


繰り返し書かれていたのは、
"ヴィジュアル系は音楽のジャンルではない"ということ。

まぁ基本バンドなのでロックテイストなのは共通してるんですが
ラウドにメタル、ポップスにラップと
ほんとに様々な音楽性を持ったバンドが居るわけで
これは現在に至るほど多様になっています。
Versaillesとゴールデンボンバーが同じ曲だとは思わないでしょ?
(↑似てる曲はあるけどね)

ただ、黎明期に関しては別

確かにLUNA SEAとXを比べてもぜんぜん違う音楽性ではあるのですが
彼らを知らない人が聴いたらどうでしょう。
結構同じに聴こえないですか?
なんならGLAYさえも。

ここの見解が冬将軍さんとは相違しています。
機材がどうとか、ギターがどうとか
多分あんまりV系とそれ以外とでは差別化できないと思ってます。


ギターシンセとか、V系よりもむしろ
日本に早くから根付いていたジャズのほうが多分早く普及してますし。
あとここを語るなら小室哲哉以降としたいし。
そして小室哲哉をヴィジュアル系って呼ぶ人はいないでしょ?

まぁ全てはグラデーションなんで、ここからバシッとこの人!てのは
誰かが独断で断定しないと語れないので割愛します。

X、LUNA SEA等と同時期に活動していたバンド名が有象無象出てきますが
その辺りのサウンドの違いなんて素人には分かりません
それはここに詳しい冬将軍さんだから語れるのです!
(※だからこの本はV系に詳しい人ほど読む価値あるわけですが)

よって、サウンド的な意味でV系を分けているのは音ではないのです。
だって、ユニコーンやブルーハーツをV系だという人はいないでしょう?
でも彼らに憧れたV系バンドが多いというのは、どういうことでしょう。


化粧だけなら、沢田研二や美輪明宏の名前が出てこないのはなぜでしょう。
見た目がだじゃんとか言われると、
むしろあの頃のビジュアルは00年代以降になるとほぼ絶滅危惧種です。
あんなに髪立ててる人は今はいません。


V系といえばダークな曲調、と思う方もいるかとは思いますが
でもXの曲って暗いですかね。鋭くはあると思いますが。
中森明菜のほうがだいぶ暗い気もするけど。


その明確な差異は、私は歌詞にあると思っています。

歌謡曲やJ-POP(←当時はその言葉はありませんが)では
普通恋愛や夢のことを歌ってるわけです。

T.M.Revolutionが歌ってますよ。

最近ロックなんかもウカツに聴けない
愛や夢がうるさくてバカになりそう

『IMITAION CRIME』

多分、YOSHIKI辺りが薔薇とかをロックに舞わしたのがヴィジュアル系。
痛みを麗しく変幻させてBPM高めで走り出すのがヴィジュアル系

そんなイメージです。

アーティストは表現者。
歌詞にその思いは現れるもの。

その精神を表現するための声の出し方や音の作り方が
"ヴィジュアル系"たりえる現在の音楽へ発展したのだと私は考えます。


②きっと冬将軍のヒーローはBUCK-TICKなんだろう

そこで特筆したいのがBUCK-TICK(以下BT)です。
とにかくこの著書。途中からBTの名前が事あるごとに登場します。

最初こそBOOWYが確立したロックバンドのスタイル、と提唱してますが
もうBTのファンブックなんじゃないかと思うくらい頻繁に出てきます。

さっきから問題定義していた、
ダークな曲調、化粧、悲しい歌詞の美麗な言葉選び、
それらをすべてを兼ね備えているので
私の中ではヴィジュアル系の中のヴィジュアル系
冬将軍さんがこの本で何度も名前を出すのに非常に納得の行くバンドです。

本書では「BTは唯一、世間からヴィジュアル系と囚われなかった」
と書いてはありましたが、いえいえ彼らこそど真ん中でしょ。

ん?BTファンから
「BTはアルバムごとに世界観がぜんぜん違うぜ?」
なんて聴こえてきますね。

だからヴィジュアル系は音楽性じゃねぇって言ってるだろ!!

いろんな音楽をやってるなら殊更、現行に至るV系っぽいじゃないか
と私は言い切りたいです。

それこそむしろ今聴くと、デビュー作にして最大のヒット曲
彼らにしては珍しい曲調だとすら思いませんか?むっちゃポップ

GLAYとラルクがセールス的に大成功した要因でもあるのですが
やっぱり一般層まで浸透するのはそういう曲調なんですよね。
X,LUNA SEAは世界観がカッチリしていたのでそこまで行かなかったのかも。

もうちょっと若い人にわかりやすく言うなら
ガゼットやナイトメアよりも
シドのほうが"セールス的には"成功してるでしょ?
そういうこと。圧倒的にシドの音楽は聴きやすいもの。

これをわかりやすくやっていたのが黒夢。
売れる曲とそうじゃない曲を明確に意識して放っていましたね。
(そんでついでに自身の曲でそれを皮肉ってましたね)

BT以外でよく名前が挙がっていたのが、布袋寅泰とhide
さすが冬将軍さんだなぁと思ったのが
ボーカリストではなくギタリストに着目しているところ。
つまりヴィジュアル系の本質は声質や歌い方ではないということ。

ボーカルってソロ活動するとき、だいたい邦楽カバーするじゃないですか。
なんでV系の曲カバーしないねん!?と思ったことないですか?

Acid Black Cherry(JanneDaArc)にはLOOKとかAKBとかじゃなくて
ラルクとかT.M.Revolutionの曲歌えよって思った人は少なくないはず。
(↑歌ってるじゃん、持ってるよ。って思った人は
それはテレコの複製という犯罪行為なので自粛するように)

でもボーカルが影響受けてるのって、
だいたい歌謡曲やJ-pop
だったりするんですよね。

DAIGO(BREAKERZ)に至っては全部ビーイング。
もしかして彼が一番影響受けたのって
GLAYでもラルクでもBOOWYでもなくZYYGじゃねぇの?って思うくらい。

むしろGLAYとかラルクをカバーしてるのって
華原朋美(HOWEVER)とか玉置成実(winter fall)とかV系以外の人達。
INZARGI(メガマソ)みたいにV系カバーアルバム出す人って本当に珍しい。
(逆に彼こそ歌謡曲好きそうなのにね)

その点ギタリストは洋楽から影響受けてる人が多い

だから、ギタリストがカバーアルバムを出すとだいたい洋楽メドレー。
大村孝佳(C4・BABYMETAL)なんて、
ボーカル引き連れてまで洋楽演ってるしね。
逆にマーティ・フリードマンみたく日本の曲しかやらない変わり種もいるけど。

あと、世間的に言えば
Dir en grey的な人に特にヴィジュアル系のイメージを抱いていませんか?
だから未だにギャーギャーうるせぇバンドって思ってる人が多い印象。

でも実は彼らはそう言われることを否定しています。
実際彼らのサウンドはV系ってより海外のサウンドに影響を受けています
あの歌い方も黒夢基準と思われてそうですが
むしろ清春のソレはほんの一部分。
いわゆる"デスヴォ"と呼ばれるアレをするバンドって
そんなに多くないんですよ。


結論。

ヴィジュアル系をヴィジュアル系たらしめているもの
それってやっぱり
洋楽コンプレックスから抜け出せないとこ(中二感)なのかもしれませんね。

逆にボーカルはJ-Rockに洋楽クラスターが多い印象。英語詩の人とか特に。
ELLEGARDEN、ONE OK ROCKとか顕著。好きだけど。
別にハイスタとかB-DASHでもいいけど。でもこっちはパンク寄りだ。

ボーカルと楽器陣、その影響の反転現象がJ-RockとV-Rockの境目かな。
日本っぽいサウンドに洋楽ライクな歌声が乗るのがJ-rockで、
海外っぽいサウンドに邦楽ライクな歌声が乗るのがヴィジュアル系。

J-rock出身のボーカルがソロで邦楽カバーしてるのあまり見かけないもの。
ヴィジュアル系で全英語詞のほうが多いバンドってあまり見ないもの。

ディルとかVAMPSとかあるだろって?
だからどっちもV系って呼ばれるの良しとしてないやん。
NOCTURNAL BLOODLUSTとかDEXCOREとかいるだろって?
あれはむしろヴィジュアル系の皮を被ったハードコアだ。

影響は多分にあるんでしょうけど、
BTに洋楽のなにかっぽさって感じないですよね。(素養は感じますが)
なんか、全部っぽいですよね。多国籍。
アメリカンよりむしろヨーロピアンとかアジアンとかそっちのイメージ。

日本人は無尽蔵に取り入れるのがお上手。そのお手本です。
自分の好みだけに限れば、Janne da Arcとか摩天楼オペラとか、
洋楽よりも欧楽っぽさのほうを感じますよ。
J-rockも、ラスアラとか9mmとかオーラルとかユニゾンとか
全然洋楽っぽくないバンドのほうが好きですし。

よって、ヴィジュアル系は日本独自の文化
それを思わせてくれるのが、BTのスタイルです。

hideの次にトリビュートアルバムが多いのがBTであるというところに
彼らがV系の元祖であるという証明としたいと思います。


この本で得られないもの

③実は発展期のことまでしか書かれていない

上記は勝手に私がバンド名を書き足しているだけで
先述の通り9割が90年代前半のシーンについてのお話です。

ゴールデンボンバーに次いで今現在有名なBREAKERZなんて
一言も出てきてません。笑

なので30代、ひいては20代のV系ファンにとっては
馴染みのないバンド名が羅列されている
わけです。


あと割と意外だったのは、D≒SIREの名前が出てこなかったこと。
V系を深掘ると大抵は行き着く場所なのに。
結構な影響力があったと思うんだけどな。贔屓目かな。

あとたぶん冬将軍さん自身が
「触れなきゃいけないようなバンドは他にもいる」と語っていて
あんまり取り扱われなかったバンドの代表格がDEAD END

だってあんなにMAD CAPSULE MARKETSに触れているのに
creature creatureを拡げないわけがないですもん。
室姫深的な意味で。MORRIE的な意味で。

影響力で言えばD'ERANGERくらいはありそうなのにね。
あと好きじゃないわけがない確信もありますし。

90年代前半に9割使っている、というところに原因はありそう。
だって、ジャンヌラルク黒夢シャムシェイドラピュータラクリマと
90年代後半に多大な影響を与えたバンドですもの。

きっと続編というか2冊目を執筆した暁には
メイン級で扱うために取って置いてるんじゃないかなと推測します。

影響されたバンドが多すぎて
あの超変則的な編成でのトリビュートアルバムになったくらいですから。


④でも私が好きなV系は氷河期以降なんだ

2冊目以降を期待したい理由はここにあります。
冬将軍さん、ここまでV系好きを煽っておいて
まさか近代V系を聴いてないってことはないですよね?

90年代後半を全盛期とし、00年代中盤以降は成熟期
……ではなく、氷河期。
つまり成熟する前に衰退してしまった時期と捉えられています。

私はこれまで
V系好きだけど"昔の"LUNA SEAまでしか認めねぇ
なんて人と数多会ってきました。

その度に、それでV系好きとか言ってんじゃねぇと息巻いてきました。
それを言ってる人に、ぶっちゃけ嫌悪感すら抱いているフシがあります。

まさか、冬将軍さんがそんな人ではないはずです。
だって、アイドルにまで耳を傾ける器量がある方ですもの。
KAWAIIより近代V系のほうが絶対耳に馴染むでしょ。

私の同年代は、さすがに90年代後半を好きな人が多いです。
ただ、少し年齢を下がれば
そこにはガゼメアシドカフェが好きな人がたくさんいます。

事実私も現在一番聴く頻度が高いのは摩天楼オペラです
近代V系といってもいいでしょう。(もう10年選手ですが)

他にも新譜を楽しみにしているバンドと言えば
DaizyStripperやDuelJewel、FEST VAINQUEURにRayflower、
ex-D'espairsRay(NUL.とTHE MICRO HEAD 4N's)にdefspiral、
wyse、Waiveその他諸々と00年代以降のバンドに心ときめいています

彼らが影響されているのが、おそらく90年代後半のV系。

SOPHIA、FANATIC◇CRISISは復活していますし
ex-Laputa(aki、C4)も全然現役なので、
是非インタビューとかしてみてほしい。

キズやDEZERT、アルルカンあたりなんて今元気なV系ではないでしょうか。
実際、来夢がコラボしているのはその辺りのボーカリストですよね。
是非、この辺りを好きな人の溜飲を下げてほしい。
そしてファンには是非、遡って黎明期まで食指を動かしてほしい。

そうなったら演るほうも聴くほうもwin-winなんじゃないかなぁ。

この本で気付いたもの

実は、ここまで語っておいて、
この著書に書かれているバンドのほとんどが、私には刺さっていません

大好きなラルクのyukihiroが在籍していたDIE IN CRIESとかZi:KILLとか、
なんならJanneDaArcが一番影響を受けたであろうDEAD ENDすら
深掘って聴いてはみたけどハマらなかった。
もっといえばLUNA SEAやXもそんなに熱心には聴いてなかったりします。

まぁ、だからこそ安心してほしい。
私の所持している音源でヴィジュアル系は3割程度だ。

こんな自分でも、この本はめちゃくちゃ面白かった!!


⑤だからといって好きにならなくてもいい

ハマらなかった理由が今までは上手く説明できなかったんですが
この本には納得できそうな理由が示されていました。

それは"精神性"です。
(先述した歌詞、つまり"表現したいもの"とも言う。)

ヴィジュアル系の発祥は、一回否定はしましたが
紛れもなくあのド派手な衣装と化粧であり
人と違うことをして目立とうとした経緯があります。

それに付随していたのが"ヤンキー姓"。
黎明期のV系と90年後半に生まれたバンドには
そこには大きな隔たりがあるように感じました。

よく古参のV系ファンがネオヴィジュアル系を嫌うという傾向がありますが
それはやっていたことを勝手にヴィジュアル系と呼ばれてしまったバンドと
ヴィジュアル系をやりたくてヴィジュアル系になったバンド

という明確な心理がありまして。

でも、実は90年代中盤辺りからすでにその兆しはあって、
私が深く知るバンドはJanneDaArcしかないのですが
彼らがすでに"自らヴィジュアル系を名乗る"バンドだったんですよね。

一部で「ジャンヌは00年代のバンドだろ」と揶揄されているのは知っていて
まぁ売れたのが『月光花』('05)だからしょうがないとも思いますが

実際は96年結成99年メジャーデビュー、
もっと言えば93年くらいから活動してたはずなんで
紛れもなく90年代のバンド。

なのにV系好きからもそう思われる要因は昔のV系っぽくないってとこにあるんじゃないかなぁ、なんて思うわけです。

90年代前半は、それはもう逸話で何回も聴いたことのある超縦社会。
まぁavex松浦会長が言うには音楽業界、ひいては芸能界全体がそうだといいますし、私も前職でS.Nさんから実体験を聴いたので事実です。

そりゃあもう暴力や権力が猛威を奮っていた時代を
生き抜いてきた方たちです。そんな気合の入った人たちと、
ジャンヌの面々が同じ人種だとは思えないのですよ。

5人の個性が衝突してできたのがLUNA SEAの音楽だとしたら
5人の個性が融合してできたのがJanneDaArcだと思います

そんな空気感を、この著書で肯定してもらった感じです。
へぇ、あの頃のバンドってそんな激しくしのぎを削ってたんだぁ、って。

ヤンキー姓とはかっこつけの美学
強いものが勝つという弱肉強食。
ジャンヌがやっていたのは、スタイルとしてのヴィジュアル系。
自分のやりたい音楽、つまり音楽そのものとしての方向性。

歌詞を読めばわかると思います。

たしかにヴィジュアル系っぽい言葉選びをしていますが
明らかに90年代前半を席巻したバンドとは言っていることが違うので。
極端にエロい歌詞も、どちらかといえば歌謡曲っぽいでしょ?
そういうこと。

私が90年代前半のバンドにハマらなかった理由
それは、納得のできない歌詞だったから。それに他なりません。
当時のバンドが表現したかったことが私には刺さらなかったのです。
(もし歌詞に意味なんてないなんて言うバンドなら、そもそも嫌いです。)


実際私の周りは二次元ヲタクが多くて、
アニソンやボカロを好む方がほとんどなのですが
そいつらにも受けのいいバンドがジャンヌやシドなのです。
GLAYやラルクほどの市民権を得ていないのに、です。

どこかで感じるんでしょうね。
他のV系が醸し出している攻撃性に。
サウンド的には遠くないはずなのに、ジャンヌは受ける。

それをこの章の証明として、締めたいと思います。


総評(普通の感想文)

冬将軍さんが機材に注目して音楽を紐解いているのと同様に
私にとってはその比重が歌詞にあるのでこういう解釈となりました。

ごちゃごちゃいう人がいますけど、あれです、
ぶっちゃけサウンド自体は完全に地続きで
ちゃんと現在のバンドにも引き継がれていると感じますし、

もし懐古主義の老害が今のV系なんてクソだなんて言っていたら
それはV系じゃなくてそのバンドが好きだっただけだろって話です。
(もちろんそれでぜんぜんいいんですけどね。それ以外を否定しないなら)

この著書、仕事の合間に「おすすめです」って同僚に渡したら
食い入るように読んでて全然返してもらえませんでした。

その同僚も私と同じくアイドル運営且つV系にも知人がいる方だったんで
つまりは業界関係者にはバカウケな内容だったわけです。

私感的とはいいながらもほんとに多面的にヴィジュアル系を俯瞰しており
漫画やファッション、時代背景や技術進化にまで言及していて
それを誰でも読みやすい文体に変換して書き上げています。

ほんとに色んな要素を吸収して昇華している世界で
実に日本的だなぁ、そりゃクールジャパンとして持て囃されるわけだ
なんて思いました。

同様に扱われている"アニメ"だってそう。
「アニソン」だって、音楽性を指す言葉じゃないでしょ?
色んな音楽姓の楽曲をひっくるめて「アニソン」なんて呼んでる。
なんならヴィジュアル系にもアニソンに含まれる曲が存在する。

(厳密に言えばアニソンに求められる要素ってかなり凝縮されていて
アニソンとして海外で受けているのはその規定を満たしているものなので
なんでもかんでも受け入れられているわけではないんですけどね。
これ説明しだすと同じくらいの分量になるので今は割愛)

そんな多様性と可能性を孕んでいるヴィジュアル系。
この著書を読めば、きっとあなたの"好き"が厚みを増すと思いますよ


あと、アニメ好きとヴィジュアル系好きの人よ。
いいかげんいがみ合うのはヤメテよね。
発展してきた背景が似てるんだから、共通点のほうが多いんだから。

本書でもちょっとだけ触れられてましたが
お互いに影響しあってここまで来た部分もあるんだし。

べ、別に今まで通りでもいいんだけどね。
でも、もうちょっと寄り添えたら、いいな……なんて
そ、そんなこと、思ってないんだからね、勘違いしないでよね!


冬将軍が1stシングルからインタビューしたアイドルがいるらしい

そんな冬将軍さんをインタビュアーとして招いたのが
私の担当したボーカルユニット、8bitBRAINです。

全部で3回かな?取り上げてもらいました。
今でも非常に光栄に思っております。

インタビュー中の様子。
二個目の記事は同居中のやつで、オンラインインタビューでした。
確かもっと長文バージョンがmusic UP'sだったかに載ったやつかな?

文字媒体なのにアクションするサリ嬢

この一週間後くらいにラジオ番組「60TRY部」収録でした。

スタジオ前の水槽に導かれるモモ嬢とアンズ嬢
マシンガンズさんと

もしかしたらこの時期が
一番彼女らが芸能人していた時期かもしれませんね。
私が辞めてしまったので二度と見られない貴重画像でした。
バレたら消します。

Afterword

というわけで、9,500文字に及ぶ感想文を綴ってみました。

めんどくさかったら太文字だけ読んでください。
意味が通じるように書いてます。

長いね!ごめんね。でもかつてこれがデフォだったのよ。笑

そのくらい本書が面白かったのです。
読みようによっては本書を否定しているように見えるかもですが
まったくそんなことはなくて、
自分なりに噛み砕いた上で
私だったらこう思うなぁということを書きました。

明日もnote更新予定だったのですが
急遽予定ができたので上がるかどうかは未確定。

余裕があったら
今回の記事にちょっとだけ関連した記事を上げると思います。

なんでヤンキー性が嫌いなになったの?って感じのこと。
気が変わるかもしれませんが。

よしなに。



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読書感想文

最後まで長文お読みいただき誠にありがとうございました。 つっこみどころを残してあるはずなので 些細なことでもコメント残してくれると嬉しいです!