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ソール ライター展を観に行ってきました(素人がプロなるための260週の記録)

(第32週)
週末に渋谷ヒカリエホールで開催されている「ソール ライター展」を観に行ってきました。
ソール ライターは,、50〜60年代にニューヨークを中心に活動した写真家であり、画家です。アメリカのフォトグラファーの中でも、ユージン・スミス、スティーブン・ショアと並んで大好きな写真家です。
彼がニューヨークで撮ったストリートスナップは、温かみがあって洗練されていて、自分が丸の内あたりでスナップを撮りにいく時、どうしても意識してしまいます。
今回は初期のモノクロから、商業写真家として成功したファッション誌、広告の写真、アーバンカラーのストリートスナップと年代に応じて整理された300点もの作品が展示されていました。(ちなみに会場は撮影OKでし
た。)

モノクロは、ストリートの人々を風景と共に切り取った作品が多く展示されていました。

よくありがちなストリートスナップですが、微妙に水平をブラしたり、タイルや柱の直線を生かしたり、なんとも言えない構図の妙味を感じました。

また彼が、フォトグラファーとして食べられるようになったのは、ファッション雑誌の写真を撮り始めた50年代でした。実際の雑誌も展示されていましたが、現在のファッション誌の原点のような作品でした。
当時はディレクションもフォトグラファーがある程度主導したということなので、そのセンスは素晴らしいという言葉しか出ませんでした。
この当時、彼の周りには画家のアンディ・ウオーホル、Jazzピアニストのセロニアス・モンク、写真家のユージン・スミスなど才能あふれる人々に囲まれて暮らしていたとのことなので、デザインとかアートセンスが培われた時期に思えます。


彼の絵画も展示されていました。
もともとは画家になりたくてニューヨークにやってきたのですが、抽象画の中にも写真の色構成など似ている作品が展示されていました。
彼曰く「写真だけをやっていたら、もっといい写真が撮れただろう、絵だけを描いていたら、もっとうまい絵が描けただろう」と晩年いっていますが、画家、写真家両方の目によってソール ライターの作品が生まれたいえると思います。

オフィスも再現されていて、彼の作品のように洗練されたミニマルな感じでした。

最後のコーナーでは60年代に撮った約250点のポジを、スクリーンにインストレーションしてスライド的に見せていたのが圧巻でした。

入場から全部見るのに2時間以上かかりました。
こんな写真作品の洪水に打たれたのは初めての体験でした。
学ぶより、真似ろ!
ストリートスナップへの創作意欲を掻き立てる1日でした。

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