グレタ たったひとりのストライキ

グレタ・トゥンベリの行動、発言にどう反応するか。彼女の親以上の世代の、気候変動やSDGsにいくらかでも関心を持つ人間にとっては悩みどころだ。右か左かでさえない。

「大人たちは彼女に世界の多様性と複雑さを学ばせなかった」と言ったプーチン大統領はとてもマジメだし、「明るくて素晴らしい未来を楽しみにしている、とても幸せな少女のようだ。彼女を見ることができてよかった」と言ったトランプ大統領は多分本気でそう思ったのだろうし、「ガキ」と呼んだボルソルナ大統領は、子どもを子どもと呼んだだけだ。

彼女のスピーチをテレビニュースで初めて見た印象は「こりゃまたロックだな」だった。同時に「アレでしょ。セックスピストルズでしょ」。

真相は知らないし、知りたいとも思わない。最初はピュアなロックだったけれど、いまはピストルズなのかも知れない。でも、どうでもいいことだ。

彼女の親以上の世代の人類は、グレタという踏み絵の前に立たされている。「自分の子どもに、放棄できない莫大な借金を相続するか?」全然平気な人もいるし、絶対いやだと思う人もいる。

この本を読むと、彼女がロックな理由がきっとわかる。アンディ・ウォーホール級かも知れないし、ノーザンダンサー級かも知れないと思い始める、たぶん。複製しただけじゃん。種付けしただけじゃん。でも世界を変えたね、と。

http://www.umitotsuki.co.jp/book/b482623.html

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