エミール・クストリッツァ『アンダーグラウンド』を観ての少しの感想

エミール・クストリッツァ『アンダーグラウンド』の評価は分かれるそうだ。

確かに、深刻な内容なのに、本作のように毒をまき散らした場面の連続では、真面目な客は卒倒するかもしれない。

そして、実写に本作のキャラクターを合成させて、演説までさせるのは何事か!と怒る人もいるだろう。

キリスト像が逆さになった円柱を回る火がついた車いすに乗った人間がぐるぐるまわりを走る、というのは、逆さになったキリスト像を観ただけで気が狂うかも。しかし、戦場が舞台なので、逆さになったキリスト像がいてもおかしくない。

本作で、内戦中の国連維持軍の黒人兵士が妙につるんとしているのが、おかしかった。

とはいえ、実写のチトー葬送のシーンを比較的時間を割いているので、ユーゴスラヴィアへの愛が監督にあるのだろう、と思う。

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