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「気づき」は「反省」ではありません

今日は、コーチングで大切な「気づき」についてお話をしたいと思います。コーチングの要諦は「教える」ことではなく、相手が考え「気づく」機会や状況をつくることだと言われていますが・・・。

~ コーチング・セッションが辛くなるケース ~


コーチはコーチング技術(傾聴、承認、質問)を発揮しながら、
同時にクライアントの中に起こっている気持ちを観察する必要があります。
ひとつの例として、クライアントにとってコーチングが辛くなっている、あるいは精神的に負担を感じているというケースが起こり得ます。
どういうことか?というと・・・
クライアントの自己効力感や自己肯定感が低いと、セッションで生まれた「気づき」に対し、クライアント自身が全く無用な「反省」をしてしまうのです。
「確かに・・・。今、質問に答えてみて気づいた・・・」
ここまではOK!
問題はその後です。
「何故、そんなことに気づかなかったのだろう?」
「何故、そんなことも出来ていなかったのだろう?」
と・・・・
謙虚な姿勢、とも言えるかもしれませんが、この発想からは何も得られません。

~ コーチングは反省会ではありません ~

確かに、「反省」は大切です。
自らの判断や行動を振り返り将来に活かす、学びと成長の機会となります。
しかし、これが自己卑下、自己否定を生むようであれば無益なものとなります。
出来ていなかった自分、ダメだった自分に「気づく」ことに焦点を当てても何も生まれません。
コーチは、このような感情がクライアントに生まれていないか?
プロとしての注意の払いどころになります。

そして、「反省」の話を持ち出すなら、同時に、
「次はどうしたら良い結果になると思いますか?」
という質問で、前進するモチベーションやエネルギーを生み出すセッションに仕立てていく必要があります。
それがコーチングにおける「気づき」に繋がります。
「反省」という言葉は、ネガティブな響きが強いので、私はコーチングでは一切使いません。
おそらくこの言葉をセッションで持ち出している他のプロコーチは少ないと思います。セッションで過去を振返る時にも、「反省」のトーンを抑えて、
例えば質問は、

  • 過去うまくいったのは、どんな時だったか?

  • 判断の岐路に立った時、どの様な考えでその選択をしたか?

  • その時、誰が助けてくれましたか?

  • その時、自分の強みの何が発揮されましたか?

  • 今の自分から、過去の自分に声をかけるとしたら何と言いますか?

などなど・・・、
気づかなかった、自分の能力やリソース(人脈、資質など)、
自分の価値観を思い出させるために過去への振り返りを促します。
反省 ⇒ 失敗やネガティブなイベントを局所的に振返り、将来への学びに繋げる。 リカバリーの端緒。
気づき ⇒ そもそも自分は何をしたいのか?どうありたいのか?を目指し、何かをプラスしていく。
両者とも大切なことですが、コーチングでは、「気づき」に重点を置いて
クライアントの支援を進めてまいります。

安藤秀樹
株式会社ドリームパイプライン代表

公式ホームページ: https://dreampipeline.com
お問い合わせ先: hideki.ando@dreampl.com

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