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地図から消えた島 ウサギの島として知られる『大久野島』

広島県竹原市の沖合には、大久野島という周囲約4kmの小さな島があります。この島は、かつて毒ガス工場があったことから”地図から消された島”と呼ばれていました。現在は、多くのウサギが棲息する”ウサギの島”として知られていて、国内外を問わず多くの観光客が癒しを求めて訪れています。

この島が”地図から消された島”になった理由は、前述の陸軍の毒ガス工場の存在を隠すためと言われていますが、実際にはそれより古い明治・大正時代から要塞秘匿のために、この島付近一帯が空白になっていました。

そんな、無かったことにされていた島内には、現在では温泉やご当地グルメなどが満喫できる休暇村大久野島があります。ここでは、キャンプやサイクリング、テニス、釣りなども楽しむことができ、夏には海水浴場や屋外プールもオープンするそうです。また、負の歴史を記録にとどめた毒ガス資料館などの施設もあります。

約20年くらい前、福岡県苅田かんだ町の苅田港で化学弾の探査・回収・無害化のプロジェクトが行なわれていた時、不発弾探査の技術開発のお手伝いをしたことがあります。この時には、磁気探査のデータ解析を実施しました。また、新しい不発弾探査技術として、電磁探査の研究も行ないました。この時のプロジェクトの繋がりで、この大久野島での化学弾(毒ガス弾)の探査の打診を受けたことがありました。結局は、その話は流れてしまいましたが・・・。

ウサギで癒される瀬戸内海の美しい島が、かつては毒ガス工場だったことは驚きです。二度とそんなことが起きないようにしたいものです。

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