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少女漂泊~Monologue by HARUKA  δ

おじいちゃんが「冷たくなっていた」

死んだって事はこういうことなのか
びっくりするくらい

冷たかった

あたしの両親もずっと昔
こうだったんだな。
そう思うと、

かなしいというより、
何が何だかわからなくなっていた。

人は必ず死ぬ

こんなあたりまえのことなのに

認めたくない
知りたくない

できれば生き返ってほしい

あたしの心は、
たぶんそういうものに支配されているんだ

また、あのメッセージが来たよ
わかりきっている。

前に聞いた「キサーゴーダミー」のお話
は、こういう事をいうんだ。

そう、死なないものはない。
人でも、ものでも、必ず滅びる

ただひとつ不変だとするなら
「こういう事実があり続ける」
という事だ。

人は、それを認めたくはない
あたしも、今はそんな気分だ

いや、もっと前から

あたしは両親はどこかにいるんだ
そう思っていた。

だって、死んだ姿は見たことがないから

でも、
目の前で、大好きなおじいちゃんが
冷たい骸になり

そして、今日、白い骨灰になって
四角い小さな箱に変わってしまった。

あたしはそれを受け入れられず
部屋から出る気もおきなかった。

かなしい

むなしい

自分の心がわからない

やっぱり人は死ぬし、いつかあたしも死ぬのだ

そういうとりとめのない自問自答をしながら
あたしは部屋の壁と向き合った

ひとつだけわかったことがあった

それは、
生きていることは、日々、死に向かっているのだ
ということ。

ならば、あたしの生きる時間は有限だということだ

そうか、ならば、時間がもったいないかも知れない

でも、どう使えばいいのか
それが、まだわからないんだ・・・

どうすればいいかな
おじいちゃん・・。


TO BE CONTINUE

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