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コロナ禍における人材マネジメントを振り返ってみた

 コロナ禍が終わりを迎えつつあります。コロナ禍における人材マネジメントは、従来の慣習とは異なる課題やアプローチを要求する状況になりました。ここで改めて、私が感じた、コロナ禍における人材マネジメントの変化とその対応について振り返ってみたいと思います


1.人材に関して何が変化したのか

 コロナ禍においては、従来の職場環境や業務スタイルが大きく変化しました。これに伴い、個々の人材の仕事力の差がより明確になったのではないでしょうか。リモートワークの導入や柔軟な働き方の増加により、従来の組織内でのスキルや能力だけでなく、自己管理や自己モチベーションの重要性が高まったことが変化の一つです。

2. 変化によって問われるポイント

 コロナ禍による変化によって、従来のマネジメント手法に加え、以下のようなポイントが問われるようになりました。

  • 内発的動機づけで行動 か外発的動機づけに依存か:リモートワーク環境では、従来のような物理的な監視が難しくなりました。そのため、従業員自身が仕事に対する内発的な動機づけを持つことが重要となりました。

  • コンテンツ・コミュニケーション か コンテクスト・コミュニケーションか:コロナ禍において、業務内容やコンテキストが変わったことから、コミュニケーションの方法も適切に変える必要があります。

  • 具体的な成果の創出か頑張りか:成果重視のマネジメントが求められますが、一方で頑張ることだけでなく、柔軟な創造性も大切にされます。

  • 柔軟な創造性 か固定的な正解依存か:コロナ禍の変化に対応するためには、固定的な枠組みにとらわれず、柔軟な発想やアプローチが求められます。

3.マネジメント手法

 コロナ禍におけるマネジメントの方法について、以下の点が挙げられるように思います。

  • 内発的動機づけの促進:従業員の自己管理能力やモチベーション向上のため、仕事の意義や価値を明確に伝え、自発的な取り組みをサポートします。

  • コミュニケーションの最適化:リモートワークや異なる業務スタイルに対応するため、適切なコミュニケーションツールや方法を選択し、情報共有と連絡を確保します。対面によるコミュニケーションに限らなくなりました。

  • 成果重視と柔軟性の両立:具体的な成果目標を設定しつつも、従業員の柔軟な発想やアプローチを尊重し、新たな価値を創出できる環境を提供します。

4.エンゲージメントとジョブ・クラフティング

 エンゲージメントの促進とジョブ・クラフティングを通じて、従業員のモチベーション向上と業務遂行の改善を図ります。目標の設定や業務内容の調整を通じて、個々のスキルや適性を最大限に活かせる環境を提供します。

5.ソーシャル・キャピタルと対人関係

 リモートワークが増加したことで、物理的なオフィスでの交流が制限されました。そのため、ソーシャル・キャピタルの維持や、オンラインでも強固な対人関係を築く方法が重要になります。

6.評価制度と給与制度の見直し

 具体的な成果だけでなく、プロセスや取り組みに対する評価を導入することで、変化に対応する柔軟性や創造性を促進します。給与制度も、単なる時間ではなく、成果や貢献に応じた柔軟な報酬体系への転換が検討されます。

7.「ガクチカ」なき採用と人材育成

 学生生活も様変わりし、学生時代に力を入れたこと(いわゆる「ガクチカ」)がなくなってしまうことになりました。学生のスキルや適性の特定が難しい場合でも、エンゲージメントやポテンシャルを重視した採用や、個別のニーズに合わせた育成が重要です。

8.心身の健康のサポート

 特にシニア世代のストレス対応が重要です。正確な情報や知識に基づく自己管理や、健康への配慮が求められます。

9.ダイバーシティと個人確立

 組織内の階層を超えて個々人に権限と責任を付与し、個人の特性や能力を尊重しつつ、効果的なセルフマネジメントとコミュニケーションを図るなどのアプローチが求められます。

10.まとめ

 コロナ禍における人材マネジメントは、従来の慣習を超えて柔軟性や創造性を重視し、従業員のモチベーションや健康をサポートする環境を整えることが求められます。これによって、変化に適応し、組織の持続的な成長を実現することが可能となりました。
 コロナ禍は終焉を迎え、戻るものは戻ってきているものもありますが、二度と戻らないものも多くあると考えられます。状況に合わせて対応していくことが重要でしょう。


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