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現地観戦初心者大学生の奈良クラブ観戦日記~その1~

このマガジンはサッカー現地観戦ほぼ初心者の僕がなぜか奈良クラブに惹かれてスタジアムを訪れる観戦日記です。

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「あをによし」という枕詞は何にかかるか。



「青丹よし」という枕詞は奈良にかかり、

奈良が青丹という顔料の原産地で、顔料として使うために馴熟す(『なら』す)ことから来ているそうです。

丹は朱色という意味で、つまり青丹は青と朱ということになる。

そんな青と赤を基調としたのが奈良クラブのエンブレムである。


3月17日、2019シーズン日本フットボールリーグが開幕した。


奈良クラブの開幕カードはホームでヴィアティン三重

新体制最初の公式戦なので是非現地で見たかったのですが、

不運にも部活の合宿と被り断念し、やむなくTwitter観戦。

結果は0-1、出鼻を挫かれた形となってしまいました。

続くアウェイ東京武蔵野シティFC戦も同じく0-1負け。それよりも得点が入らないのが厳しい。

そしてついに3月31日、第3節ホンダロックSC戦

念願の初観戦がかないました。

会場は奈良県橿原市の橿原公苑陸上競技場(通称橿陸)収容人数たった3000人の小さなスタジアムですが、高校選手権の決勝にも使われています。

早朝からACミランの試合を見ていたこともあり、うとうとしながら橿原に向かっていたら…

乗換駅を思いっきり寝過ごしていた!


大急ぎで折り返し、競技場に着いたのはキックオフ1分前でした(笑)

ローソンで予め発券したチケットを見せて入場。(1200円でした。お得や)

階段を数段上ると

景色がパッとひらけて緑のピッチと青空が眼前に広がる。

スタジアムに入った瞬間の違う世界に入り込んだような感覚


どんなスタジアムでも変わらずサッカーファンを魅了してくれます。

試合も始まるのでとりあえず空いている席を探す。

ゴール裏どころかバックスタンドも席がないメインスタンドだけの小さなスタジアムはすぐに全体が見渡せます。

関係者席の横が空いていたので、座ったところでキックオフ。

選手名も背番号もわからないので受付でもらった冊子でメンバーを確認。

ピッチと冊子を交互にみながら少しでも覚えようと見ていると、

3-5-2っぽい?

冊子には4-4-2となっているが、3バックシステムを採用しているようだ。

ようやく落ち着いて視野を広げると、右側に大和三山の1つ畝傍山が。

実際、ちょっと高い丘くらいのもので30分もかからず登れそうです。

大和三山は畝傍山と天香久山、耳成山。

どれも古代は神の住まう神聖な山とされていました。

その1つ、畝傍山を借景にした橿陸は素晴らしい景色を望みながら試合をみることができるなかなかいいスタジアムです。

借景といえば、イタリアのパレルモというチームのホーム、スタディオ・レンツォ・バルベラの背後には岩肌がむき出しになった「崖」とも言えるような山があり、シチリアの荒々しさを体現しています。



話を試合に戻します。

前半7番菅野のドリブルや9番遊馬のポストプレーからチャンスメイクするも決めきれず、ホンダロックの方もチャンスを活かせず。

そのままスコアレスで前半が終わりました。

天気は良くピッチの状態も良かったように思えますが、何よりボールが強風にあおられ、両チームの選手はかなりやり辛そうでした。


さて、スタジアム観戦のもう一つの醍醐味はスタジアムグルメ、いわゆる「スタグル」です

半券片手に外に出ると…

結構いろいろある。

カレーにラーメン、唐揚げ、イチゴ大福、ポップコーンなどがあり、列ができていました。

僕は明太マヨネーズ付きの唐揚げを購入し、グッズ販売も少し拝見。

ユニフォームはもちろん、オリジナルシャツやタオル、シール、クリアファイルなど充実のラインナップでした。

グッズ購入は次回以降にしようと決め、再び観客席へ。

後半はもう少しピッチに近い位置で見ようと、移動しました。

サポーターの近くになったので後半はチャントの迫力が増して感じられました。


サポーターは普通サッカーの試合ではチャントを歌い、時に跳び、チームを鼓舞します。

サポーターは自分たちのチームが東でアウェイ戦とあらば時間をかけて訪れ、西でカップ戦と聞けば予定を組み直し駆けつける。

サポーターは愛するチームのために自らの情熱をささげ、得点に飛び跳ねて歓喜し、失点に全力で悔しがる。

勝利に酔いしれ、敗北に悲痛の涙を流す。

これがサポーターでありフットボールの美しさの一部だと思います。


普通彼らは(今はまだ三人称を使います)ゴール裏に陣取り、90分間立ったまま歌い続けます。


しかし、ここはJFL

応援席はホームアウェイにかかわらずメインスタンドに限られているため。

そもそもゴール裏に席が存在しません。

だから彼らは目の前にいます。

メインスタンドで歌い、時に回りの観客に手拍子を訴えかけます。

強豪チームに比べて人数は比べ物にならないほど少なく迫力や声量は劣るかもしれませんが、逆に小規模なスタジアムでは目の前にサポーターがいるため当事者意識のようなものが芽生えます。

チームがチャンスをむかえたときの一体感はおそらく強豪チームの応援ではなかなか味わえないものだと思います。

これこそが、全員の顔が見渡せるほどのこじんまりとしたスタジアムの魅力なのかもしれない。

そう感じました。


後半開始の笛が鳴り響きます。

奈良クラブはミドルシュートを放つ場面などがあるも、得点につなげることはできません。

得点機を決めきれずにいると、相手に流れが渡るのがサッカーの常です。

後半途中からはホンダロックのペースになり、ついにアーリークロスを落としたボールを叩き込まれ失点。

そのまま攻めきれず試合は終了。

三試合連続0-1負け

流れが悪すぎる。

初観戦だけど悔しい。

結局勝利に酔うことも、得点に歓喜することもできないまま、初観戦が終わってしまいました。

試合後、杉山監督は

この悔しさはサッカーで返すことしかできない。

と会見で述べました。


サッカーの借りはサッカーで返す。

次こそ、勝利の歓喜に浸りたい。

そう思いながらまっすぐ京都に帰りました。


これが敗戦後のサポーターの気持ちか

現地観戦の苦いほうを先に経験した初観戦でした。


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後日

アウェイ、ラインメール青森戦は遊馬、宇都木、菅野のゴールで4-1で今シーズン初勝利を飾りました。

このまま波に乗って、ホーム初勝利の歓喜に舞いたいところです。


さすがに青森は行けないよなぁ…


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※ここではサポーターズクラブを起源とするようなチームの「支持者」としてのサポーターと単なる「観戦者」としてのサッカーのファンを区別して記述しています。

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