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なぜ歴史を学ぶ?興味ゼロからの「学び方」

歴史は「暗記科目」でつまらない!?

私、元理系なので、歴史がとても嫌いでした。もう少し具体的には、小学校の5、6年生の受験勉強で社会が得点源だったのもあり、とにかく年号を覚えまくりました。言われたとおり、1945年終戦、ひどく(19)よごれて(45)れて降伏し、みたいな。それ以降も面白いと思うことなく、私立に合格したため、歴史学習はほぼゼロ…センター試験では、壊滅的な成績(高校2年の終わりまで本当に赤点の大行進でしたので)で、保険でうけておいた「倫理政治経済」で点数を取りました。受験でひどい目にあったので更に嫌いになりました。そんな私でも「学び直し」ができた歴史、「学び方」のご参考になれば幸いです

歴史に興味を持った方への「学び方」

人生100年時代、「学び方」が問われています。私は、思い返せば、得意&知的好奇心を刺激された理科・算数の学習を通じて身につけた学び方でその後の学びも攻略してきたのかなと最近思います。最近は、学び方に関する「良書」もたくさん出ています。洋書でミネルバ大学の本を読まなくても、学習の科学の論文を読まなくても、実用的なスキルを身につけられます。

例えば、『独学大全』ですが、この本も私の経験と知識からの範囲では確実に良書です。「学び方」を習得されたい方は、ぜひ一冊手元において置かれるとよいかと思います。この本も、この本で提案されている、「なぜ」学ぶのか?「何を」学ぶのか?「どう」学ぶのか?のフレームで書いていきたいとおもいます。

「なぜ」歴史を学ぶのか?(メリット編)

最近は素晴らしいYouTube書評もたくさんあります。例えば、徳川家康も読んだと言われる「貞観政要」は読んだことありますか?これ結構難解なんですね。でも、アバタローさんのYouTubeとてもわかりやすく解説してくれてます。見てみると、このビデオ書評2部構成なんですね。
第一部:貞観政要(1/2)~世界最高峰のリーダー哲学~【歴史編】
第二部:貞観政要(2/2)~最高のリーダーが持つ5つの特徴~【本編】
なぜ、歴史編があるのか?各部それぞれ20分ほど、2倍速にすれば1つ10分で見れますので、こんな長い記事よんでられるか!という方はぜひこちらをご覧になってみてください。「貞観政要」を理解するには、歴史的な背景や知識があるのとないのとで全然違うってことなんですよね。つまり、家康も読んだといわれる安定政権を作るための極意とも言える名著を理解するにはその歴史的背景を知ってるかどうかで全然理解度が変わるのです。もちろん、いやいやもうすばらしい解説がセットになっているじゃないというとそうなんですが、ここはやはり教養として歴史の知識があるかないか大切といえるのではないでしょうか?

「なぜ」歴史を学ぶのか?(詳細編)

「稲作がはじまり、縄文時代から弥生時代へ」ということを歴史で学んだりしますよね。

テストになると、
縄文時代から弥生時代への変化は( ① )によってもたらされた。
①に入る言葉を答えなさい
今の中学受験、通訳案内士で科目免除になる歴史検定2級も基本はこのスタイルで変わってません。

もしこのテストが、
なぜ、昔の人は縄文時代時代と弥生時代で時代を分けたんでしょうか?
だったらどうでしょうか?

これ、稲作始まるとみんな気づいたんです。お米って「保存」できるぞって。それまではシェアリングエコノミーだったんです。燻製にしても持って半年ですから。マンモス捕まえて独り占めしてもねぇ。。。ある日、隣の村で稲作が始まって、、、やたらとイノシシがりが上手いんです。気づいたら、、あれ??なんか役割分担してね?なんでこいつイノシシ捕まえずに、やじり作ってるだけで生きていけんの?とか「!!!」なんでコイツらの家こんながっちりしてんの???ってなったかもしれません。(これ全部妄想ですがこういう何があったんだろう?って考えてみるのっておもしろくないですか?)このケースだと、お米がある意味で通貨の3つの機能、保存・交換・ものさしのうち、「保存」の機能は確実に持ち出したのです。(もちろん、一俵いくらで交換したり、お野菜との交換レートの設定も可能では合ったでしょうが、)一番の変化は稲作による富の保存→蓄積ではないかと思います。これがどんな社会変化を生んだのか?戦士という専門職が出てきて、会社みたいな社会構造ができて、大規模な戦争するようになるんですよね。明らかに社会が「変化」しています。だから時代を分けたんじゃないでしょうか?
これも違うかもかも知れませんが、歴史には「なぜ?」があり、特に心理的な行動面(感情面)で人間は昔から変わりません。カーネマンのいうシステム1(直感的な行動=ヘビ見たら逃げろ)という部分は人類の有史と呼ばれる50世紀(5000年)程度で遺伝子は変更できないんです。だから就職先は親に聞いてはいけませんが、人生教訓はよく聞くべきなんです。そして親に聞くよりも、人間の営みは歴史に学ぶのがより良いのです。

歴史は決して、芸術や科学とも無関係ではありません。なぜピカソはあんなに絵が上手だったのに、3歳時みたいな絵なのか?それ以降抽象的な絵が出てきたのは?(ところで写真の技術が出てきたのいつ?※関係ないかも知れません)
ゴムタイヤが開発された時、鉄道が開発された時何が起きるだろう?(今はみんな答え知ってますよね?)でも、その当時、そういえば中国で交通の便が良かった時は、車輪の幅統一してたなぁ〜(轍が色々付きすぎると移動しにくかった、たぶん)。じゃ〜どんなルールを設定すればより移動の効率上がるんだろう?身体機能の拡張はほぼサチってきていて、世界中飛行機で24時間以内に移動できる勢い…ところで、AIが人間の知性を拡張するとどんな世の中になるんだろう?こういう想像は、科学技術の変化があった時にどんな行動を人がとってきたのか?歴史を学んでいたらどうでしょうか??

偉そうなこと書きましたが、
外資コンサル時代に、ある話題の流れの中で、私本当に歴史・地理に興味がなかったので、(この時点で30過ぎてます)
「え?アフリカってヨーロッパの下にあるんですか?」と(知的好奇心=私にとっては興味深い点)質問して(意見を言って)しまい、、お客様の前だったので後で上司のものすごく怒られました。お客様がバカだと疑われるようなことをいうんじゃねぇ!と。

これも、「バスコ・ダ・ガマ喜望峰到達」(※喜望峰がアフリカ南端というのは実は知っていた=試験にでるから)は知ってましたが、それを覚えるだけで、そっかぁ〜「ヨーロッパからこんな遠くまでこれたんだ」と思いを巡らせれば、論理的にアフリカの位置を考えることは出来たんですよね。でも30歳でこの程度の知識でも「興味を持てば」(=なぜ学ぶのか?)考えられれば、上記のような観点は持てるようになるんですよー

歴史の「何を」学ぶのか?

【通史】鳥の目
大人になってから学ぶ場合、または、知的好奇心の赴くまま学ぶ場合は、まずはなんでもいいので、ある国(私達の場合)は日本になるとおもいます。の通史を一通り入れておくのはありです。ポイントは紀元前3000年から紀元後2000年の5000年が有史(=歴史の記録が基本残っている時代)のどこ(地域・時代)を学んでいるのか?意識することです。

(効率派)
効率よく行きたい場合(もうすぐ歴史検定2級!なんとしてもあと1年で合格!!など)は、高校受験教材を活用しましょう。ここは市場が大きいのでありえないレベルで良質な教材がたくさんあります。

例えば以下の金谷シリーズですが、私はほぼ知識がなくても抵抗感なく通読でき、なんとな〜く、「なぜ」と「流れ」が頭に入ってきました。
オススメ例:
金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本【改訂版】 原始・古代史 (東進ブックス 大学受験 名人の授業)
金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本【改訂版】 中世・近世史 (東進ブックス 大学受験 名人の授業)
金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本【改訂版】 近現代史 (東進ブックス 大学受験 名人の授業)

(王道派?)
上記を読んでみて、簡単!!って思う人は、教科書の通読もありかもです。(これは私個人は無理でした、面白くなかったです)でも、活用されている方はたくさんいらっしゃいます
オススメ例:
もういちど読む 山川日本史
(※こちら私個人としては挫折しておりますので、こう使うと知的好奇心が刺激されるのよ!とか、こう読むといいよ!というご意見あればぜひお願いします)

(お気楽派?)
とにかく敷居を下げたい場合は、本棚を専有してしまう(金谷なら3冊が、漫画シリーズだと20冊に??)ものの、決して質がおちるというわけではないのが漫画OOの歴史シリーズ。敷居を下げつつもコミットしたい派は、全巻シリーズ注文、Mercariで再販(値段も調べておきましょう)の期日を決めて全巻一気に読み切り!もありかもしれません

オススメ例:
講談社 学習まんが 日本の歴史(全20巻セット) +特典:歴史人物データカード120枚(講談社)
学習まんが少年少女 日本の歴史 最新24巻セット(小学館)

これも色々なシリーズがあるのでどれを選ぶか迷ってしまいますが、こどものためにもという理由があった我が家は、講談社vs小学館は漫画の絵のこどもの好みで講談社になりました。個人的には、小学館はコロナのときに電子版をタブレットで無料でよめるように公開されておられました。これは素晴らしい取り組みでさすがの「定番」という印象を受けました。そういった取り組みをされている(=一人でも多くに学びの機会を、という取り組み)という点を加えておきたいと思います。

【深堀り】虫の目
通史をさーっと流すと、興味のある領域がきっと出てきます。そこを深堀りします。通史がどうしても入りにくい場合はこちからまず入るのも全然ありです。受験(=人の期待に答える)のためにやっているわけではないので興味のあるところから

(オススメ例)
例えば、なぜ日本はあんな戦争しちゃったんだろう??
それでも、日本人は「戦争」を選んだ
昭和史 1926-1945 (平凡社ライブラリー 671)

ミッドウェーまで日本軍絶好調だったって本当?
太平洋の試練(上)
太平洋の試練(下)

信長はなぜ天下を取れたのか?
国盗り物語

歴史を「どう」学ぶのか?

歴史を「地域」と「時間の流れ」の2つの軸で学んでいく中で、具体的にどのように学習を進めていくか?という課題があると思います。そのような観点で2つのHowをオススメしたいと思います。一つは「重ね技」もう一つは「学際」です。

【重ね技】
ここでいう重ね技というのは、同じテーマを複数の視点や著者から学ぶことで知識を重ね塗りしていき知識に深さを持たせる

例えば、金谷の受験本で通史を勉強した後に、下記の本を読んでみる
いっきに学び直す日本史 古代・中世・近世 教養編
漫画日本の歴史を読んで、金谷の本を読んで、佐藤さんの「いっきに学び直す」を読めば、さすがに通史が頭の中に入ってきそうじゃないでしょうか?

世界史なら、
出口さんの、全世界史 上下巻セット (新潮文庫)を読んでから、
マクニールの世界史 上 (中公文庫 マ 10-3)・下を読んでみる

なかなか一回では覚えられない中で、こどものように同じ本を何度も読めないので(もちろん読めるのであれば同じ本を重ねて読むのもちろんありです)、違う本で同じテーマ(例えば通史)を読んでいきます。その中で知識が血肉担っていくと思います

【学際】
学際というのは、「際(きわ)」を意識して学んでいくということです。今までは、学問が細分化されてきましたが、これからは様々な分野にまたがる学習が大切になってくることからも大事にしたい学び方です。

例えば、科学技術と地理は歴史ときっても切り離すことは不可能です。芸術や文化と歴史もそうでしょう。なぜ、「美術史」というものが存在するのでしょうか?「美術史」を理解するには美術の知識と歴史の知識が必要です。

美術史でいうと例えば、
いちばん親切な 西洋美術史

敗戦から日本は何も学んでない?というのは、日本人の特質や政治と歴史の交差点と言えます。
例えば、失敗の本質
失敗の本質を読もうと思うとやはり歴史的な知識がなければ厳しいです

「銃・病原菌・鉄」を読めば、大陸の形と稲作伝播の関係性、そしてなぜそもそも文明が特定地域で発達したのか?その理由が見えてきます。大きな歴史の流れと「銃」「鉄」といった人類の発明との関係も見えてきます

銃・病原菌・鉄 1万3000年にわたる人類史の謎 文庫 (上)(下)巻セット

如何でしたでしょうか?自分の興味のあるところを深堀りしてみたり、興味のある分野と関連付けてみたりしながら歴史を学んでいくことで歴史の知識を深めていけそうなイメージを持っていただくことができたでしょうか?

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