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身体(!?)と環境の相互作用:G.H.ミード新訳

ジョージ・H・ミード (George Herbert Mead)の古典的名著、『精神・自我・社会 (Mind, Self, and Society)』新訳が、去年みすず書房から刊行されていた。読みやすい。

通常は「有機体」と訳されている“organism”が、今回の新訳では、「身体」と踏み込んで訳されているところが一つの特徴。

…身体がなければその環境もない。そして、身体と環境は相互に規定し合っており、たがいに相手がなければ存在できないのだから、生命プロセスが適切に理解されるためには、身体と環境の相互関係の観点から考察されなければならない。

(ミード, 2021, p. 139)

訳文だけ読むと、もうほとんど『プロセスモデル』(Gendlin, 1997/2018) の第1章じゃん。

「身体」を「有機体」と定訳に訳し戻してみても、やはりミードはジョン・デューイ (John Dewey) の兄弟分だなあと思う。(あ、実際の血縁関係ではなくて、思想上の繋がりで、という意味です。)

訳者は関西大学社会学部教授の山本雄二先生とのこと。お会いしてみたいなあ。

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