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#25 LOOP BLAKE 第2章 腐れ縁 第12話「マーカス・ジャッジ」

 シカゴシティから自動車じどうしゃで1時間じかん以上いじょうかけて北西ほくせいかうとジェノバみずうみ辿たどく。そのみずうみにあるレイク・ジェニーバ・パブリック・ビーチはアメリカでも有数ゆうすう観光地かんこうちでもある。

 当然とうぜんジェノバ自然しぜんゆたかなビーチをおとずれるきゃくおおくホテル・宿やど沢山たくさんならんでいた。

 その宿泊施設しゅくはくしせつなか焦茶色こげちゃいろ木造もくぞう建築けんちく宿やど中々なかなかめずらしく、コンクリートの建造物けんぞうぶつならなかかなりいた。

 そして、その宿やど裏側うらがわにあるみずうみ一望いちぼうできるウッドデッキに二人ふたりおとこっていた。

マーカス「たのむ……Mr.ミスタードミニク」

ドミニク「…はぁ……Mr.ミスタージャッジ?貴方アナタもしつこいですねぇ…この宿やどは20ねん以上いじょうまえ貴方方アナタがたみずか権利けんり手放てばなしたじゃありませんか?それをいまさらかえせだなんて…」

マーカス「このホテルはむかしきみのおとうさんがわりに運営うんえいしてくれつ、いつでも経営権けいえいけんおれかえしてくれることを条件じょうけんにこの宿やどしていただけにぎなかったはずだ…!!」

ドミニク「…Mr.ミスター?…貴方アナタちちあいだでどんな取引とりひきがあったにせよ、それは貴方アナタちち契約けいやくであってわたし貴方アナタ契約けいやくではないんですよ!」

マーカス「このホテルを父親ちちおやから相続そうぞくするとききみにも同様どうよう契約けいやくがれているはずだ!」

ドミニク「そんな契約けいやくりませんね…そのよう契約けいやくがあったこともわたし父親ちちおやからかされていませんし、そのよう契約書けいやくしょ存在そんざいもありません」

マーカス「…ッ!!」

ドミニク「この宿やどを20ねん以上いじょう私達わたしたち親子おやこにずっとあずけておいていまさらかえしてくれだなんて……そんなムシのいいはなしがあっていとおもうんですか!?」

マーカス「……なんだと!?この若造わかぞう…!!」

  ガシッ!!

 マーカスはドミニクにかろうとしたときかた何者なにものかにつかまれグイッとせられた。

光男みつお「ヘイ!おっさん!おれのことおぼえてるかい?」

マーカス「!!…おまえは!!?」

 マーカスは予想よそうすらしていなかった邪魔じゃまもの登場とうじょう言葉ことばうしなっていた。そのおとこ自分じぶんまえまで親友しんゆういとなんでいたホテルを紹介しょうかいして紹介状しょうかいじょうまでいてやったおとこだったのだ。

マーカス「な…なん…で…ここに?」

光男みつおなんで??よくアンタ俺達おれたちにそんなくちきけるな?…こころたりあんだろ?」

ドミニク「…ほう?…マーカス・ジャッジさんのよこにおられるそちらのかたMr.ミスタージャッジと、どのようなご関係かんけいで?」

光男みつお「これは丁寧ていねいにありがとうございます」

 藍川あいかわ光男みつおはスーツを紳士しんしおとこかうと姿勢しせいただし、ゆっくりとお辞儀じぎをした。

光男みつおワタクシ藍川あいかわ光男みつおもうします。こちらのマーカス・ジャッジの紹介しょうかいでホテル『ローグ』で昨晩さくばん宿泊しゅくはくしていたきゃくでございます」

 光男みつおのその丁寧ていねい物腰ものごしったのか、ドミニクはかなり光男みつおたいして好印象こういんしょういだいた。

ドミニク「Mr.ミスターアイカワ…いま我々われわれはなしているところにってはいってくるほどとは、なにかこのおとこから相当そうとう損害そんがいでもこうむっているとうことでしょうか?」

光男みつお「どこのどなたかぞんげませんが、貴方アナタさまおっしゃとおわたしはこのマーカス・ジャッジにとんでもなくひどいホテルを紹介しょうかいされまして、だい損害そんがいけました」

ドミニク「ワタクシはフリオ・ドミニクともうします。よろしければワタクシがおうかがいしますが?」

 ドミニクはマーカスのよわみをにぎれる機会チャンスたとわんばかりに光男みつおはなしいてきた。

光男みつおMr.ミスタードミニク。貴方アナタはなしかる相手あいてだ!このおとこ紹介しょうかいしてくれたホテル『ローグ』のあるシカゴの都市まちいまブルガントだん支配しはいしていてヤツらの配下はいか適能者デュナミスト攻撃こうげきされてあやうくころされるところだったんですよ!」

 光男みつお多少たしょう芝居しばいくさおこっている表情ひょうじょうせるとドミニクはおにクビったとわんばかりに強気つよきになってきた。

ドミニク「ほうほうほう……つまりあれですか?…経営けいえい好調こうちょうだったはずが、ブルガントだん都市まち治安ちあん悪化あっかさせられたから20ねん以上いじょう権利けんりあずけて放置ほうちしていた宿やどもどってたいと?そういうワケですか?」

マーカス「そ…それは…!!」

光男みつおMr.ミスタードミニク?こちらがどんな契約けいやくもとはないされているのかはかりませんが、さきにこちらからはないさせていただいてもよろしいですかね?」

マーカス「ちょっとて!おれいまドミニクと…」

ドミニク「Mr.ミスターアイカワ!是非ぜひ是非ぜひその失礼しつれいおとこれてってください!契約書けいやくしょもなくこの宿やどかえせだなんて無礼ぶれいものはここからしてどうぞ!」

マーカス「ちょ…!!」

光男みつお「ではお言葉ことばあまえまして〜〜!!」

 そういうと光男みつおはマーカスの首根くびねっこをっていった。マーカスの抵抗ていこうむなしく身体からだきづられていった___


 ____ホテル『アーチ』からはなれた場所ばしょにある人陰ひとかげはやししげみにれてられたマーカスをたたけるようけた光男みつおけわしい表情ひょうじょうでマーカスをにらみつけた。マーカスのむなぐらをつかんではなはじめた。

光男みつお「さ〜〜てようやくゆっくりはなえるな?」

マーカス「うぐ……ローグでブルガントだん襲撃しゅうげきでもされたか?」

光男みつお「オウ…随分ずいぶん派手ハデおそわれたぜ?アンタがあの襲撃しゅうげきかかわってたのか?」

マーカス「いや!んなことをするワケがないだろ!……ただ」

光男みつお「ただ?」

マーカス「っちまったんだ……シカゴの都市まちが…」

竜賀りゅうが「ブルガントだんとマクシム連合れんごううらんでいた…ってこと?」

 光男みつおうしろからゆっくりあるいててきた藍川あいかわ竜賀りゅうが猿渡さわたり源太げんたてマーカスはギョッとした。

マーカス「おまえら……あの都市まちってて、全員ぜんいん無事ぶじだったのか…!?」

源太げんた「あんな連中れんちゅうごときにころされるほどヤワなきたかたしてないモンで」

竜賀りゅうが「ローグもおれ源太コイツ無事ぶじブルガントだんからまもれましたよ」

マーカス「まさか…そんな馬鹿バカな…」

光男みつお「この二人ふたり適能者デュナミストでもあるけど…それと同時どうじおれ弟子でしでもある…霊段階ステージ多少たしょうちがいくらいものともしないくらいつよきたえてあんだよ」

マーカス「そうか…だったら無事ぶじシカゴからられておめでたいから、おれいに理由りゆういはずだよな?」

源太げんた「それがあるんだよ…」

マーカス「……おれいにるってことはエリックのヤツおれもどすようにわれたのか?」

光男みつおしいね……エリックが我々われわれ貴方アナタをローグにれてくるようにめいじたワケじゃないんですよ」

源太げんた「ここにたのはおれ意志いしだよ」

マーカス「…はっ……坊主ぼうず、どんな目的もくてきでここにおれなにをさせたいんだ?」

源太げんた「こんなところにもどってきてもアンタの居場所いばしょなんてここにはどこにもいよ、ってつたえにたんだ」

マーカス「なに……!?」

源太げんたいまのアンタの本当ほんとう居場所いばしょはシカゴのなかにしかないよ」

マーカス「あんな都市まちなかに?バカバカしい…!!もうあの都市まちわったんだよ!」

竜賀りゅうが適能者デュナミスト能力チカラ支配しはいされちまったから?それともかねで?」

マーカス「両方りょうほうだよ!あの都市まちはもう俺達おれたちおもってるようあこがれの場所ばしょじゃなくなってる…だからおれは…」

光男みつお「ここにもどっててもう一度いちどゼロからエリックとやりなおしたいってことか?だけどエリックはあの都市まちでローグにのこって最後さいごまで足掻あがきたいってったのか?」

マーカス「……そうだ…!!おれったんだ!俺達おれたちならできるって!シカゴじゃなくたって…どこでもまたやりなおせるって!なのにエリックアイツまだ・・ここからははなれたくないってほざきやがった!まだおれなにげちゃいないって…」

竜賀りゅうが「そりゃそうでしょ?」

 マーカスがあつくなってはなそうとしていたところを、出鼻でばなくじようってはなしかけてきた。

竜賀りゅうが「あのひとはまだゆめいかけてる途中とちゅうなんだよ。貴方アナタみたいにあのホテルをあのままつづけることがゴールなんじゃない」

 マーカスはまるくして竜賀りゅうがつめた。

竜賀りゅうが貴方アナタたちにとってアーチにどんなおもがあるかなんてぼくにははかれないものですけど、でもシカゴのローグにったときから二人ふたりはアーチの経営けいえいしゃじゃなくてローグの経営けいえいしゃまれわったはずだ…過去かこまえすすむと覚悟かくごめたはずです」

竜賀りゅうがまえすすみち地獄じごくだとかってシカゴからこうとするのは理解りかいできます。でもだからって過去かこおもなかにまた自分じぶん居場所いばしょもどそうなんてムシのはなしあってたまるか」

マーカス「坊主ぼうず、テメェも結局けっきょくはあのドミニクの餓鬼がきおなかんがえってワケか?父親ちちおやそだかたをしたもんだな?」

光男みつお「まぁでもおれ息子むすこおな意見いけんだがな…」

マーカス「なにぃ…!?」

光男みつお「アンタとエリックにとってアーチはむかしおものスタート地点ちてんだったかもしれないけどな…あそこはもうアンタのよう場所ばしょじゃねぇんだよ…!!もうあそこはアンタらにとってゆめかってため通過つうかてんなんだよ…!!」

マーカス「!!?」

光男みつお「アンタもう一回いっかいゼロからやりなおしたいってほざいてたよな?だったらシカゴでもここでもないもっとべつ場所ばしょでホテルをやろうってうべきじゃねぇのか?」

マーカス「そ…それは……」

光男みつお本当ほんとうのゼロからやりなお勇気ゆうきもないんだったらな…アンタのいるべき場所ばしょいまシカゴで必死ひっしにローグをまもろうとして頑張がんばってるエリック・ブラックのとなりじゃねぇのか?」

源太げんた「つーーわけで!!」

 源太げんた竜賀りゅうがはマーカスの身体からだつかげ、マーカスをなわ手足てあししばりあげた。

マーカス「おっ!おい!!なにしやがる!!」

竜賀りゅうが「このままっていっても抵抗ていこうされるのかってるから、拘束こうそくしまーーす!」

源太げんた抵抗ていこう無意味むいみなので大人おとなしくしといてくださーーい!」

 しばりあげたマーカスをそのままあかいジープの後部こうぶ座席ざせき竜賀りゅうが源太げんたがそれをおさかたちんだ。光男みつお運転うんてんせきくるまのエンジンをかけた。

光男みつお「さぁ!ホテル『ローグ』へゆめつづきをせてもらおうじゃないか!シカゴにかって出発しゅっぱつだ!!」

 あかいジープはいきなりトップスピードでみなみにあるシカゴにかってぱしはじめた___


 ___シカゴシティの南西なんせい位置いちするまちマクヘンリー。ここで休憩きゅうけいしている二人ふたりのマクシム連合れんごう隊員たいいんがいた。

メリアン「……シット!!完全かんぜんかれたわ!!」

ルーカス「ああ……追尾装置GPS物凄ものすごうごきできたかっているからとおもって追跡ついせきしてみたら完全かんぜんにやられた…見事みごと追尾装置GPSはずされて鹿シカツノけられていた…」

メリアン「それをっかけてたら本当ほんとう目標もくひょう見失みうしなってミシガン北側きたがわまわかたちでシカゴまでワケだけど、シカゴになにかアテでもあるの!?」

ルーカス「いや…確信かくしんしてコレだってえるもんはいんだが……なんとなくかんでな…」

メリアン「かん!?そんなものでわたしをここまでまわさないでくれます!?」

ルーカス「大体だいたいどう説明せつめいしても後付あとづけのわけみたいになるだけだから、ここはいさぎよ素直すなおかんしたがったんだとね…」

メリアン「もうリーダーったら……こんなことで……ん?」

 メリアンはふとかお道路どうろときたことのあるあかいジープがよこっていくのをくるまのナンバーを凝視ぎょうしすると藍川あいかわ光男みつおっていたのとおなじだった。

メリアン「リーダー!!」

ルーカス「ん?どうした?」

メリアン「つけました!!れいのジープです!!いまシカゴ方面ほうめんかいました!!」

ルーカス「マジか!?よし!!いかけるぞ!!」

 二人ふたりいそいでしろくるまもうスピードでジープをいかけた___


 ___光男みつおあかいジープにってシカゴにもどみちすすんでいたらなにやらうしろからなにやらもうスピードでいかけてるしろくるまいた。

光男みつおなんすごいスピードで俺達おれたちいかけてくるヤツがいるんですけど…!?」

竜賀りゅうが源太げんた「「え!?」」

 もしやとおも後部こうぶ座席ざせきからうしろくるまるとマクシム連合れんごうインディアナ支部しぶのルーカス・ブラゼルとメリアン・ベイカーがっていた。

源太げんたなんでこんなクソいそがしいときに!!」

竜賀りゅうが「ミシガン北側きたがわまわってここまでてたんだ!!」

光男みつおだれ!?だれ!?だれ!?なんはなし!?」

竜賀りゅうが「マクシム連合れんごうインディアナ支部しぶのルーカスとメリアンだよ!シカゴにまえったはずの二人ふたりだよ!」

光男みつお「アイツらが!?そのまま鹿シカいかけっこしてればいものを!ここでバッタリうハメになるなんてよ!!」

 そうっているあいだにジープのよこしろくるまき、運転うんてんせきにいた光男みつおと、助手席じょしゅせきにいたメリアンのった。

光男みつお「………どうも…」

メリアン「またったわね……この薄汚うすぎたないペテンめ…」

 硝子ガラスまどしになにっているのかはまったわからなかったが、なんとなく罵倒ばとうされてるんだろうなっとかんじた光男みつおはよりアクセルをみジープのスピードをげた。それをいかけるようしろくるまはジープの背後はいごにベタきで追跡ついせきしてきた。

マーカス「おいおまえら!!アイツらはマクシム連合れんごう連中れんちゅうなのか!?」

竜賀りゅうが「そう!!でも貴方アナタまえいたシカゴの都市まち統括とうかつしてるシカゴ支部しぶほうじゃない…インディアナ支部しぶ連中れんちゅうさ」

マーカス「なんでそんなヤツらがいかけてくるんだ」

源太げんたいかけてんのはアンタじゃなくておれほうなの……おれってはいけない秘密ひみつにぎっているってんで血眼ちまなこになってさがしてんのさ」

マーカス「それならおれ関係かんけいねぇってことじゃねぇか!!おれはさっさとろさせてもらう!!」

 マーカスが必死ひっし身動みうごきをろうとしたのを源太げんたおさえつけた。

源太げんた「おやっさん!!あと一体いったいどのくらいでシカゴにくの!?このおっさん全然ぜんぜん大人おとなしくしようとしないんだけど!!」

光男みつおあとどんだけみじかくても30ぷんはかかる!!」

源太げんた「そんなに時間じかんかかってたらアイツらこっちに攻撃こうげきしまくり放題ほうだいだぞ!!」

竜賀りゅうが「……ったくしょうがねぇな!源太げんた!このおっさんが怪我ケガしねぇようにしっかりおさえといてくれよ!!」

源太げんた「おまえはどうすんだよ!?」

竜賀りゅうが「ちょっくらアイツらの攻撃こうげきふせいでくる!!」

 竜賀りゅうがはシートベルトをいそいではずし、くるまのドアを走行中そうこうちゅうにもかかわらずけた。

光男みつお竜賀りゅうが!!あぶないぞ!!」

竜賀りゅうが大丈夫だいじょうぶ!!『天狩鉤爪あまがりのつめ』はとっくに発動はつどうしてるよ!!」

 竜賀りゅうがはそれだけのこすとくるまのプレートにあおひかひらをカエルのようけてペタペタとジープのうしろ荷台にだいまでスルスルと移動いどうしていった。荷台にだいまでると荷物にもつをある程度ていど前側まえがわせてくるままもように、荷台にだいがり追跡ついせきしてくるしろくるまかいった。

竜賀りゅうがいまアンタらの相手あいてをしてるヒマはないんだッ!!今度こんど相手あいてしてやるから!!」

 竜賀りゅうがおおきなこえ必死ひっしさけんでメリアンにうったえかけた。しかし、メリアンとルーカスにはそのこえとどいていなかった。

 するとメリアン・ベイカーがしろくるま助手席じょしゅせきまどからまるでへびようにスルスルとてきて、くるまのボンネットのうえった。

メリアン「さっきなんったの!?」

 メリアンが大声おおごえさけんだ言葉ことばをギリギリれた竜賀りゅうがはそれにこたえる大声おおごえ必死ひっしつたえた。

竜賀りゅうがいまここでたたかっている場合ばあいじゃない!!俺達おれたちにはシカゴシティで本当ほんとうたたかわなければいけないてきがいるんだ!!その協力きょうりょくをするつもりがないならこれ以上いじょう邪魔じゃましないでくれ!!」

メリアン「アンタたち目的もくてきがあるのとおなじく私達わたしたちにも任務にんむがあるのよ!!さぁ!!ダミアン・シーベルトくんをこちらがわかえしなさい!!」

竜賀りゅうがことわる!!」

メリアン「なんですって!!?」

竜賀りゅうが「ダミアン・シーベルトなんてヤツらないし、そんなヤツいないんだよ!!このに!!」

メリアン「そんなことないわ!!あんたたちいまってるくるまなかにシーベルトくんがいるわ!!かえしなさい!!」

竜賀りゅうが「ここにいる子供こどもってえば!!おれ源太げんただけだ!!」

メリアン「その源太げんたってばれているがダミアン・シーベルトくんなのよ!!アンタたちがやってることは誘拐ゆうかい行為こういよ!!」

竜賀りゅうが誘拐ゆうかいじゃなくて!!路頭ろとうまよってるところを保護ほごしたんだよ!!かれはアンタたちマクシム連合れんごうたすけをもとめてるんじゃない!!アンタたちから必死ひっしげてるんだ!!」

メリアン「ウソくな!!我々われわれくだされた命令めいれいは『行方ゆくえ不明ふめいになったダミアン・シーベルトを保護ほごし、誘拐ゆうかいかかわった人間にんげん抹殺まっさつせよ』とのことだ!!」

竜賀りゅうが組織そしきがアンタたちした素直すなおすべての情報じょうほうつつかくさずはなすとおもってんのか!!アンタらみんなマクシム連合れんごうインディアナ支部しぶのトップにだまされてんだよ!!」

メリアン「ウルサイッ!!!」

 メリアンはブチれると伽鍵礼符キーカードし、黄色きいろむちようひかりすそれを竜賀りゅうが目掛めがけてろしてきた。

  バチィィィ!!!

 竜賀りゅうが咄嗟とっさにそれに対抗たいこうするよう伽鍵礼符キーカードし、かたな召喚しょうかんひかりむちふせいだ。

竜賀りゅうが「〜〜っっっぶねぇぇなぁ!!!なんなんだこの霊具ギーツは!!」

メリアン「これは2まい礼符カードわせてつくった天使の刃レイズ・エッジ!!れたものをさばきのむちよ!!!」

  バチィィ!!バチィィ!!

 にもまらぬはやさでおそいかかってくる天使の刃レイズ・エッジからくるま必死ひっしまもろうと竜賀りゅうがかたなるった。天使の刃レイズ・エッジかたなたるたび物凄ものすごりょう火花ひばなっていた。

  バチィィ!!バチィィ!!

竜賀りゅうが「〜〜〜っクソ!!こんなに攻撃こうげきらってたらかたなたねぇぞ!!」

メリアン「だったらさっさと!!降参こうさんしろ!!」

  バチィィ!!バチィィ!!

竜賀りゅうが「やだね!!かならずやりげたいことがあるからな!!」

 そんな竜賀りゅうがとメリアンの戦闘せんとう運転うんてんせきながら運転うんてんしていたルーカスのもと通信つうしんはいった。

???「ブラゼル隊長たいちょう!こちらコンウェイ少尉しょういです、いまどこにいるんですか?」

ルーカス「どこって…いまはミルウォーキーからシカゴにかうあいだ道路どうろ走行中そうこうちゅうだ。いままえ目標もくひょう捕捉ほそくして追跡ついせきちゅうだ」

コンウェイ「いそがしいところもうわけないのですが、いまジョージ・マッカートニー所長しょちょう隊長たいちょう連絡れんらくりたいとおっしゃっています」

ルーカス「いまいところなんだぞ!!あとすこしシカゴにはいったところでターゲットをつかまえられるかもしれないんだぞ!!」

コンウェイ「それでも連絡れんらくりたがっていますので!文句もんくはそちらにどうぞ!」

 通信つうしんがブチっとれたかとおもうと、べつおとここえ通信つうしん機器ききからこえてきた。

ジョージ「こちらジョージ・マッカートニーだ。そちらルーカス・ブラゼル隊長たいちょうっているな?」

ルーカス「……はい…こちらルーカス・ブラゼルです!…いまターゲットを目前もくぜん確認かくにんしました!これから確保かくほしていきます!」

ジョージ「その必要ひつようい」

ルーカス「え?……なんですって!?」

ジョージ「こえなかったのならもう一度いちどうぞ?…いますぐ追跡ついせき中止ちゅうしし、つぎ指示しじがあるまでその付近ふきん待機たいきしろ」

ルーカス「何故なぜですか所長しょちょう!?ダミアン・シーベルトくんなになんでも早急そうきゅう保護ほごしろと!あれほどつよ命令めいれいしておいて!!何故なぜいままえ目標もくひょう捕捉ほそくしていながら、みすみすのがすんですか!!?」

ジョージ「こちらからシカゴ支部しぶ状況じょうきょう通達つうたつし、シカゴ支部しぶ隊員たいいんたち人海じんかい戦術せんじゅつでターゲットを確保かくほしてもらうようにさっき指示しじをしておいた」

ルーカス「ならば!我々われわれもそこにくわわって協力きょうりょくしたほうがよりスムーズにミッションをおこなえるはずですが!?」

ジョージ「シカゴシティの地形ちけいうと君達きみたちってもかえって現地げんち足手纏あしでまといになるだけだ」

ルーカス「しかし!!」

ジョージ「知る必要のない事ニード ノット トゥー ノゥ……これをったらわかるよな?」

ルーカス「!!?」

ジョージ「…君達きみたちかんがえる必要ひつようい…君達きみたちはもしもわたし命令めいれい無視むしして勝手かって行動こうどうこしたとき責任せきにん全部ぜんぶれるのかね?」

ルーカス「…………」

ジョージ「君達きみたち責任せきにん背負せおうのはあくまでわたしだ……そして組織そしきである以上いじょう優先ゆうせんされるのは集団行動チームワークだ。スタンドプレーじゃない。以上いじょうだ…」

    ブツッ!

 通信つうしんられしばらく呆然ぼうぜんとしていたルーカスはくるまのハンドルをにぎりながら、メリアンがまえ懸命けんめいたたかって藍川あいかわ竜賀りゅうがから源太げんたかえそうとする姿すがたはらくくった。

ルーカス「メリアン!!」

メリアン「リーダー!?」

ルーカス「これはインディアナ支部しぶジョージ・マッカートニーからの命令めいれいだ!!いまここで撤退てったいしろとのことだ!!」

メリアン「そんな!?ターゲットを目前もくぜんになぜ…」

ルーカス「いいからけ!!こっからがつづきだ!!現場げんば指揮官しきかんルーカス・ブラゼルはこの命令めいれい拒否きょひつづきダミアン・シーベルトをシカゴまで追跡ついせきかならずこの事件じけん真相しんそうめる!!以上いじょう!!」

メリアン「!!…了解ラジャー!!」

  バチィィ!!バチィィ!!バチィィン!!

 一旦いったん攻撃こうげきまったかとおもわれたがふたた攻撃こうげき再開さいかいしたことで竜賀りゅうがもストレスがかかってきていた。

竜賀りゅうが「〜〜〜っ!!とうさん!!あとどのくらいだ!?」

光男みつおあと10ぷんくらいでシカゴに到着とうちゃくする!!ホテルまでは30ぷんかる!!」

竜賀りゅうが「これ以上いじょう攻撃こうげきをただえるだけとか無理むりがありぎる!!こっちからも攻撃こうげきさせてよ!!」

光男みつお駄目ダメだ!!こっちから絶対ぜったい攻撃こうげき仕掛しかけるのはナシだ!!」

源太げんた「おやっさん!!竜賀りゅうがはもう限界げんかいだよ!!いま竜賀りゅうがには防御ぼうぎょけい能力のうりょくいんだよ!!どれだけ剣術けんじゅつ防御ぼうぎょする技術ぎじゅつがあっても限界げんかいがすぐるよ!!」

光男みつお「……これをえられないんなら……竜賀りゅうがぬだけだ」

源太げんた「そんな!!?」

光男みつお心配しんぱいするな!!おれ息子むすこはこれしきでぬヤワなおとこじゃない!!しんじろ!!」

 竜賀りゅうが心配しんぱいする源太げんた必死ひっし抗議こうぎしても、それをしんじろと光男みつお一蹴いっしゅうした。

 そしてメリアンの天使の刃レイズ・エッジうしろおおきくりかぶり竜賀りゅうがねらいをさだめた。

竜賀りゅうが今度こんども“うえ”から…)

 竜賀りゅうががそうおもかたなあたまうえげようとした瞬間しゅんかん

メリアン「そこだぁ!!!」

 天使の刃レイズ・エッジむちではなく、今度こんどやりようぐメリアンのからはなたれた。はなたれたひかりやり竜賀りゅうが心臓しんぞう目掛めがけてびてきたのを、竜賀りゅうがはまるで世界せかいすべてスローモーションになったかのようていた。

竜賀りゅうが(あっ……んだ…)

 ひかりやり先端せんたんむねまで十数じゅうすうセンチとうところまで近付ちかづいてきた刹那せつな、そんなことをおもかべた一瞬いっしゅん

 竜賀りゅうが右手みぎてがまたあおひかかがやいた。

   ドカン!!!

竜賀りゅうが「ぐっ!?」

 キキイイイイイイィィィィィィッ!!!

光男みつお源太げんた・マーカス「「「あああああああああああああああああああああああああああああ!!!!???」」」

 竜賀りゅうがひかりやり突き飛ばされ・・・・・・ジープの後部こうぶ座席ざせきのリアガラスに身体からだ物凄ものすごいきおいでたたきつけられた。ジープはその衝撃しょうげきおおきくれ、車線しゃせん大幅おおはばにはみしてしまった。

光男みつお「くっっっそオオオオオ!!!」

 くるまがスピンしているのをてルーカスはおおきくガッツポーズをしてメリアンにびかけた。

ルーカス「よし!!これで相手あいて体勢たいせいくずせたぞ!メリアンよくやった!!」

メリアン「………」

ルーカス「どうしたメリアン?」

 メリアンは呆然ぼうぜんとしたかおまえにあるくるま荷台にだいつめていた。

メリアン「……どうしていま一撃いちげきむね貫通かんつうしなかったの?」


 光男みつお全力ぜんりょくでハンドルをり、なんとかギリギリよこ建物たてもの衝突しょうとつせずもと車線しゃせん車体しゃたいった。

光男みつお「はぁ…!はぁ…!はぁ…!おい!みんな無事ぶじか!?」

源太げんた「ん〜〜〜なんとか…きてる」

マーカス「イテテテ…」

源太げんた「マーカスさん大丈夫だいじょうぶ!?」

マーカス「ああ…おれ大丈夫だいじょうぶだ…それより……きみ息子むすこは…?」

光男みつお「!!?竜賀りゅうが!!?竜賀りゅうが!!!」

竜賀りゅうが「…いっっってぇ〜〜〜なぁ!あやうくぬトコだ!」

マーカス「いや普通ふつうぬだろ!!?」

源太げんたきてた…」

光男みつお竜賀りゅうが!!無事ぶじなのか!?身体からだはどこか怪我ケガしてないのか!?」

竜賀りゅうが「ん!?ああ!どこも怪我ケガしてないぞ!!」

源太げんた「でも一体いったいどうやってあの攻撃こうげきめたんだ??」

竜賀りゅうがおれ本当ほんとうしんじられないんだけどさ…いまさっきギリギリのところでおれ伽霊能力ギアルスキルあたらしく発動はつどうしたんだとおもう…」

 竜賀りゅうが右手みぎてにあるあらたな伽鍵礼符キーカードうしろにいる源太げんたせるよう自分じぶんかおよこってきた。

源太げんた「………ハァーーー!!??」


To Be Continued

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