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傷つけ合わないために。

親しければ親しいほどケンカをする。ケンカすると、前よりいっそう仲良くなる。と言いますが、、、ケンカするたびに心にヒビが入って距離ができていく、ということはありませんか?

ケンカには、ふたつの側面があります。
通常より深いコミュニケーションとしての「有益なケンカ」と、
お互いに傷つけ合って溝を深めるだけの「不要なケンカ」。

もしあなたが、なんにもいいことがないケンカをしてしまうと感じていたら、その理由を考えてみましょう。

家族、パートナー、恋人、友だちと言い争いになったとき、どんな気持ちで自己主張しますか? 
興奮すると、発言の中身はどうなっていきますか? 

ケンカになると、「あなたは間違っている。私の言っていることが正しい」と思うからムカついてきます。そして、相手の主張をはね返そうと躍起になって、相手の話を聴けなくなります。
エスカレートすると、相手を言い負かしたいがために、本題そっちのけで人格を罵倒しはじめる人もいます。

あなたはこんなふうにはね返されたり、罵倒されたりして、悲しい思いをした経験はありませんか?

言い争ったときに浴びた暴言は、仲直りしてからも記憶の底に残ります。
何度も何度も思い出して、そのたびに傷つくんですね。

言ったほうは、興奮した弾みで口走っただけで覚えてなかったりするのですが、そんなケンカをくり返して心が擦り切れてしまうと、「いつか仕返ししてやりたい!」と復讐心を抱くこともあります。

恋人とケンカ別れした女性は、「いつも頭から否定されて言い負かされてばかりいた。それがどれほど悔しいことか、思い知らせてやりたいと思った」と告白しました。
人と意見が対立することは避けられないし、よほどムカつくことがあったとしても、「傷つけ合うだけのケンカ」は必要ありませんね。

少なくとも、自分だけは暴言を吐かないように‟マイルール”を決めておきませんか。

たとえば「言い争っても人格には言及しない」、
「反論しないでまず相手の話を聴く」、
「3回深呼吸してから意見を言う」など。

言い負かすよりもはるかに大事なことは、「歩み寄る」ことです。
相手の話に耳を傾けて「自分の怒りをやり過ごす」ことも、
「自分の都合を見送る」ことも、大きな歩み寄り。

問題が持ち上がったとき、どちらが正しいかを求め過ぎると、しあわせが逃げていってしまいます。

親しい関係であればあるほど、相手がしあわせでなくなれば、自分もしあわせではいられなくなります。

それは、ひとつのしあわせを、分かち合っているからなのです。

ひとつのしあわせは「信頼」です。
ぶつかり合った結果として、相手のことをよりよく理解でき、相手への信頼がいっそう深まるような ”有益なケンカ” をいっぱいしてくださいね。


★ 著書『やさしくて、ちょっぴり不器用なあなたに。』(サンクチュアリ出版)より★


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